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訳文も読みやすく「目からウロコ」な事実も多々収められており、そうしたベースのクオリティの高さと手堅い論理展開にうならされる。ぼく自身英語を学ぶ身として、自分が外国語の中に身を置いて考え抜くことがどのような意味をもたらし効用を堪能せしめるかは常々わかってきたつもりなのだけれど、ここまではっきり書かれるとモチベーションも上がってくる。その意味で、言語学習に挑みたい方にとっては好個の着火剤としての1冊になるかもしれない。ただ、言語学習の進化は個人差もある。あくまで個人が自身の成長と虚心に向き合う姿勢が必要と思う
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もう一つの言語≒もう一つの魂 心理言語学 橋の性別→敷こう 個人と言語:言葉の限界≒世界の限界 ストループ課題 言語は感情に影響 ドメイン固有の言語経験→一般の認識変化 マルチリンガル→創造性の基盤 サピア=ウォーフの仮説ー言語決定論・言語的相対論 マガーク効果 心の倫理課題・誤信念課題 未来時指示の強弱 言語を使ったラベリング 社会と言語:ブーバ・キキ効果 自然言語と人工言語 人間独自の能力 ブレイン・コンピューター・インターフェイス テルミン 言語と心の動き=意識の研究 多重知能 認識と思考の変化
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AI翻訳が発達した時代に、語学を学習する意味はあるのか?語学に限らず、なんでもAIがやってくれる時代を前に、自分の脳を使うことの大切さを教えてくれる本。
バイリンガルであることは、様々な良い刺激を脳に与え、認知症の発症を遅らせる可能性さえあるらしい。
使用する言語によって思考が変わるという話は面白かった。母国語は感情と強く結びついているため、第二言語で話したり考えたりする方が理性的な判断ができるとか。
本編を読み終わって言語学習に前向きになっていた私だが、最後の解説には腰を折られた。
解説者にそのつもりはなく、むしろ親切心からの指摘と読めるが、なんだかなぁ。
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キノコが発する神経の電気信号のようなものが発せられてるとは知らなかった。
タイトルに惹かれた方は読んでみたらいいと思う。
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マルチリンガルの頭や体で起きていることに驚き。ただ、因果関係と相関関係はまったくの別物なので、本書で紹介されている実験結果について誤解しないように注意が必要。
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「言語」の力とは何か?という問いに対し、この本は様々な実験結果を提示し、言語を取得する事で得られるものを教えてくれる。
我々にはメインで使う言語があり、所謂「第二言語」は後天的に取得する場合がほとんどである。
私は正直言語を取得するのは苦手である。英語はいつまで経っても上達しない。だが、この本で示された、第二言語を話す際は「自身の人格が変わる感覚がある」というバイリンガルのイメージは、重要ポイントであると感じた。
言語は成り立ちやその土地柄に影響し、形成される。もしかしたら、他言語を話す際は、マルチバース的な自分に意識を飛ばし、体と全身をその言語圏にあるイメージにするのが重要であるかもしれない。
そしてもう1人の自分に意識を飛ばす事で、俯瞰的な視点を鍛えられる。昨今特に重視されるメタ認知の練習は、意外にも言語学習に紐付いている。
言語学習の目的の大凡が、他文化の人とのコミュニケーションにあるが、その目的から離れ、自分の意識を飛ばし、マルチバースを体感するのも良いかもしれない。この認知は國分功一郎の「目的への抵抗」にも強引に繋げられるか?笑
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本文を読んでいてふと思いついたのは、
村上春樹は最初、英語で自分の小説を書き、それを自分で和訳したと聞いた。あの独特の離人感はこうして作られたのか。という感慨だった。
母語を持つこと、第2言語を持つことの意味が感じられるエピソードであることが本書を通して体感できる。
今井むつみ氏の解説はピリッとスパイスがきいていて、本書の巻末を飾るのにふさわしい。