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うたかたの日々 みんなのレビュー

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コミック

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みんなのレビュー53件

みんなの評価4.2

評価内訳

53 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

キュートで、やるせない

2003/06/29 16:25

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 寡聞にして、単行本がでてしばらくするまで、岡崎京子がボリス・ヴァインの「うたかたの日々」をマンガ化しているとは知らなかった。ご多分にもれず、わたしの周りにも、岡崎京子のファンというか信者たちは相当数いて、彼らから流れてくる風評も芳しいものばかり。原作の小説は相当に好きなさくひんだったが、あのシュールな作品をどのようにマンガ化/視覚化するのか、という興味もあって、手を出してみた。
 なにぶん、原作を読んだのが相当に昔のことなので、細部のかなりの部分が忘却の彼方に飛び去っているけど、記憶している部分に限っていえば、当初想像していた以上に原作に忠実だった。コランは坊っちゃんだし、クロエはクールビューティだし、シックはパルトル・ヲタクで、ニコラは格好いい。ネズミがいい味だしてたけど、これは原作にあったかなぁ? 記憶にない。けど、ラストの「十一人の盲目の娘たち」のくだりの文章は覚えているから、ひょっとしたら原作にも居たのかもしれない。
 さすがにスケートで体がバラバラになるようなところは省略されていたけど、クロエの病状が進むにつれてコランの屋敷がどんどん荒んでいくような視覚的に効果のある部分はしっかりと押さえているし、なにより原作読んだときの痛切な、やるせない感じを追体験出来たのは幸いだった。

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紙の本

「Olive」休刊のニュースが流れた日

2003/06/14 12:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koeda - この投稿者のレビュー一覧を見る

CUTIE連載から数年を経ての単行本化に、私は、この本を手にする日を待ち望んでいた人々がたくさんいた事を嬉しく思い、そして、そんな人々が共有しているはずの、たくさんのキーワードを懐かしく、ひとつひとつ、思い浮かべる。
90年代 ー フリッパーズ・ギター、ネオ・アコースティック、アニエスb、真っ赤なポータブル・レコードプレーヤー、セントジェームスのボーダーシャツ、ピチカート・ファイヴのCDのまるでオブジェのようなジャケット、レコード・ショップ巡りの後、お洒落な椅子のあるカフェでカプチーノを片手に、最新号のオリーウ゛をめくりながら、カヒミ・カリィの美しさにうっとりしたり…
後に「渋谷系」と記号化された時代の中で、それらのアイテムが放つ魅力に、私達は夢中だった。そして、2000年をとっくに過ぎた今も、醒めぬまま夢中でいる。決して恥ずかしい事ではない。どんなに完璧に美しい日々もいつかは必ず泡と帰す事、それほど時間は容赦なく過酷なまでに流れていく事を、オカザキ先生の連載を愛読した私達は、すでに学んでいたのだから。クロエの胸に巣食った睡蓮は、実は誰の胸の中にもあり、気付かないうちに花開いて枯れてしまうのだ。コランの年齢をいつのまにか追い抜いてしまった私達は、そんな日がいつかやってくる事を教える内容でありながら、気高い華やかな光を放つこの作品の本当の素晴らしさを、本作を今読み返す事であらためて知る事になるだろう。

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紙の本

Mice

2003/12/23 22:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

(ストーリーについて説明するつもりはなくて、きわめて個人的な感想だけを書くつもり。「何様ぁ!」と言われようとも。ごめんなさい。)

仕事帰りに駅前の本屋の6Fにある漫画コーナーで、「すいません、ちょっと出版社とかわからないんですけど…ええと、岡崎京子さんの<うたかたの日々>っていう本なんですけど、ありますか?」と訊ねると、少し痩せて眼鏡をかけた男の店員さんは、すばやくクールに「えーと、こちらですね」と言いながら、風を切るように颯爽と歩いていった。

<(コックの)ニコラ>
ニコラがクールで格好よかった。こんな男になりたいと思った。ならなければいけないと思った。

「親しさは許されるでしょうが、けじめは必要です」(ニコラ)

<ケーキは、デューク・エリントンの編曲による「クロエ」を演奏した。ケーキを割るとシック用にパルトルの新論文が一つとコラン用にクロエとのデートが入っていた>


<ネズミ>
ネズミが健気で、とても、やさしかった。こんなふうになりたいと思った。なれるだろうかと思った。

<ネズミはクロエの乳房にのってふんばりドレスを着るように諭した。彼はけっこうしっかりものなのだった>

「わかったわ モラリストさん。観念してお洋服を着るわ」(クロエ)

ネズミは、コランとニコラが喧嘩別れする場面を、食べかけのチーズをほったらかして、悲しげに、少しふるえながら、見つめている。

「ああ あなたにはうんざりだ ああ うんざりだ うんざり うんざり うんざりした」(ニコラ)

クロエの病状の進行とともに荒廃してゆくふたりの部屋に。

「あんまり暗くなりすぎると 光をもってきてくれるのよ…」(クロエ)


<ネズミは二つの小さい目を閉じると、(再び)自分の首を猫の顎にのせた。猫は注意深く尖った犬歯を(柔らかい灰色の)小さい首(の上)にゆっくり(と)置いた。(ネズミの黒い髭が猫の髭と混じりあった。)猫はふさふさしたしっぽを(ほどくと)歩道の上に垂れ伸ばした>


少し安易だなと感じつつも、村上春樹さんの「風の歌を聴け」を思い出した。

「何故本ばかり読む?」
 僕は鰺の最後の一切をビールと一緒に飲みこんでから皿を片付け、傍に置いた読みかけの「感情教育」を手に取ってパラパラとページを繰った。
「フローベルがもう死んじまった人間だからさ。」
「生きてる作家の本は読まない?」
「生きてる作家になんてなんの価値もないよ。」
「何故?」
「死んだ人間に対しては大抵のことが許せそうな気がするんだな。」
 僕はカウンターの中にあるポータブル・テレビの「ルート66」の再放送を眺めながらそう答えた。鼠はまたしばらく考え込んだ。
「ねえ、生身の人間はどう? 大抵のことは許せない?」
…………
「不思議だね。俺にはよくわからない。」
 鼠はそう言った。
(村上春樹「風の歌を聴け」)


「ぼくが求めているのは、みんなが幸せになることじゃないんだ。おのおの各人が幸せになることさ」(コラン)

読み終わって、その「言葉」に間違いがあったのかもしれないと思った。「だから、お前は単純すぎるって言うんや」という、少し呆れたような声が聴こえてきた。

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紙の本

無人島に持って行きたい本

2003/05/15 00:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:またたび - この投稿者のレビュー一覧を見る

ずっと手に入れたいと思っていた本です。岡崎京子が無人島に持っていくなら「ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』を持っていく」と言っていたので、私はヴィアンの「うたかたの日々」を手にとったのだから。ピアノカクテルや恋人たちのスケートリンク、熱狂のジャン・ソル・パルトルにうっとりして、クロエの胸から睡蓮が咲く描写にはため息がでた。こんなに美しい物語があっただろうか? これをマンガにしてしまうなんて、なんてすばらしいんだろう。はっきり言ってこの試みだけでも、彼女は讃えられるべき存在であると思う。そしてもちろん、その完成度にも。クロエはもんくなく美しかったし、コランは世間知らずでシックもにくめなかった。アリーズは可哀想な女の子だったし、ニコラはスマートだった。世界は原作を裏切ることはなかったし、ターンテーブルへと生まれ変わったピアノカクテルも見事だったのだ。私は幸せだと思った。

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紙の本

本棚の片隅にはいつも…

2003/05/25 18:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:RYH - この投稿者のレビュー一覧を見る

岡崎京子という漫画家は知ってはいたが、
ボリス・ヴィアン原作の「うたかたの日々」が
CUTIEという雑誌に連載されていたことすらも知らず、
bk1の売上ランキングにこの本のタイトルを発見し、
ただただ驚くばかりであった。

私がボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」(早川書房刊)を購入したのは1984年。
原作を読んだとき、クロエの肺に睡蓮が咲く奇病とは
きっと何かのメタファーに違いないなどと思ったり、
裏表紙にあるヴィアンのルックスがあまりにもハンサムなので、
コランもこんな感じの人なのかしらと想像をふくらませていた、
20年近く前の自分を思い出す。

コランが愛するクロエの病状が悪化し、金庫のお金も底をつき、
生活の糧を稼がねばならないコランの毎日。
労働をし、社会に適応しおとなになっていくことなど考えたことのない彼にとって最終的に与えられた仕事は「死亡通知人」という残酷な仕事。
なんと最愛のクロエの名前を翌日の通知リストに見出す悲劇に見舞われる。
そしてクロエの死後、コランの心はバラバラに砕け散ってしまう。
もはや彼は沼岸に立ちつくし、クロエの命を奪った睡蓮を切り倒すことしかできない。

愛する人の死期が迫ることは、
ふたりの棲家の形までも変えてゆく。
原作で文章によって表現されている、きれいで広々とした棲家が段々と歪んでいく状態が、岡崎京子の本作によってみごとに明らかにされ、
いっそう不条理な人生を感じさせるのだ。
そう、愛する人を失ってしまったら、
喜びを感じたり幸せな気持ちになることなんか、
永遠にもどってはこないのではないかという恐怖が
いつもどこかにつきまとって離れない。

何度引越ししても、
本棚のどこにあるのかすぐわかる、
いつも心の小さな引き出しにしまいこまれているような存在。
そういう本はそんなに多くない。
これからは、この岡崎京子版「うたかたの日々」も原作の隣に並んで、
いるだろう。

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紙の本

パリのデカダン、六本木の夜

2003/06/29 04:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:今野裕一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

あんなにたくさんあったお金ももうほとんど使い切って、コランは働きに出なければならなかった。したくないけど、仕事をしてお金を稼がなくては。肺に睡蓮の花が咲く奇病にとり憑かれたクロエを花で埋めるため。治療費を稼ぐため。最後の仕事は、人に不幸を告げに行く必殺不幸告知人。
パイナップル入り歯磨き粉で、水道の蛇口からウナギを誘って料理を作る、不可思議料理人・ニコラも雇っておけなくなった。おまえなんか嫌いだ出ていけよ。本心でなくそう言うコラン。うたかたの日々が崩れていく。哀しい恋愛譚を通底するのは、デカダンのパリ。
1940年代ドイツ占領下のパリ、サン=ジェルマン・デプレには、ビアン、サルトル、ラディゲ、ツァラ、クノー、プレベール……。綺羅星のごとく才能が遊び歩いていた。
うたかたの日々は、日本の80年代にもあったの。アサダやサカモトが遊び歩いていた六本木。岡崎京子はその空気を描き続けた。だからヴィアンの「うたかたの日々」は彼女にぴったりだ。
コランが、不幸を告げるリストに、クロエの名前を見つけた。明日、クロエは死ぬんだ。アメリカン・ロードムービーのように、やんちゃしていてもいつかエンドマークはやってくる。終わりが突然くるのがアメリカで、ぐずぐずと崩れていくのがヨーロッパ。
岡崎京子は「うたかたの日々」に哀しく美しく崩れゆくパリのデカダンを描いている。

今野裕一のhpは["http://www.tctv.ne.jp/sparabo/peyotl.html"]です。

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紙の本

最愛の人に咲く、死の睡蓮

2003/05/19 00:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:温  - この投稿者のレビュー一覧を見る

この漫画の原作はポリスヴィアンの『うたかたの日々』。
実は小学生の頃からこの原作を読みたいと思っているのだが、有名なわりには田舎の書店には滅多に置いていない一冊で、ならばBK1で……!と思いつつ、ずるずる後延ばしにしていたものだ。
——そういうわけで、原作と比較しての感想は書けないのは「仕方ない奴だ」と許して欲しい。
その「仕方ない奴」の視点から言えば、「漫画版を読んだからもう原作は読まなくていいや」ではなかった。
この漫画の原作なら、本当に衝撃的に違いない。例え、結末を知っていたとしても、つい読んでしまうだろう。


絵も台詞も、作中に印象的に散りばめられた原作の文章も、クールで退廃的。
「少女の肺に巣食う睡蓮」という、聞くだけで魅力的な設定を裏切らない切なさ。
一日にたった2匙の水しか飲めずに苦しんで泣くクロエの涙や、なめらかな胸から咲く睡蓮の絵の美しさはもちろん、台詞や本文の逆説的な言葉の並べ方や世界観が、意味深な違和感を見せて素敵じゃないか。
森博嗣が好きなオンナノコあたりが好きそうだなァと思う。



ちなみに、『クロエ』という映画がある。
日本に設定を移し変えた『うたかたの日々』の映画だ。
綺麗な映像が魅力的だが、退廃的な近未来的世界観にハマると、映画のほうは多少物足りないかも。

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2004/09/24 10:27

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2004/09/28 23:47

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2004/10/14 18:35

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2007/09/05 14:23

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2006/02/06 18:36

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2006/04/28 20:17

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2006/06/21 23:24

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