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垣谷氏の凄い所は、誰もが思う本音を曝け出しつつ下品ではない点。何処かに盗聴器仕掛けましたかと言うほどリアル。身につまされない老後の物語り。
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勉強になるなあ❗この年頃になると誰もが遅かれ早かれ考えなきゃならないお墓の話。
昭和の頃は親の面倒を見るのもお墓も長男か近くにすむ子どもが当たり前。でも、平成も終り令和、お墓は邪魔、子どもに負担はかけられない。
骨堂に安置してもそれがせまくなつたら古い順に合同墓、というよりは骨専用捨て場に安置となるならほんとに要らない。
うるさい親戚が死んだら生きてる人の好きなように処分して良いよね
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主要登場人物たちそれぞれの視点からストーリーが展開されていく。
墓問題、夫婦別姓など、さまざまな現代社会問題が取り上げられていた。
喜子が、夫と同じお墓に入りたくないという願いを遺し、そのことから、家族や親戚を巻き込み、様々な問題が引き起こされていく。
墓の必要性や、生きている人間の大切さを問いかけながら、現代の墓事情がリアルに描かれていた。
登場人物たちの人間関係のひずみや、彼らの思いに共感を覚えるところも…
特に、嫁の立場の苦悩が丁寧に描かれていて、現代の女性の価値観の変化を考えさせられた。
五月の遠慮のない率直な物言いは、過去の信念や考えに執着している人たちの曖昧な感情を、一刀両断してくれる。
その鮮やかな切り口に引き込まれた。
家族の墓問題を通して、現代社会問題を今一度考えるきっかけを提供してくれる作品。
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冒頭から最後まで、男たちにムキーーー!!!
嫁や妻や娘など立場の違いはあれど、ほぼ全ての女たちの気持ちに共感。
一緒にむっとしたり、はあ?と言いたくなったりと、感情が上がりっぱなし。
これよこれ、垣谷美雨さんの世界。
夫婦や親子で名字が異なると家族の絆が...という言い分は、
無痛分娩だと子どもに対する愛情が薄くなるのでは?というくっだらない言い分と同じと感じる。
墓についても、死んでから暗くて狭いところに入れられるのは嫌だし、
さらに死んでからも見ず知らずの人と一緒に入れられるのは嫌だ。
義理家の墓はもちろん、実家の墓にも入りたくない。
申し訳ないけど、墓守よりも他のことに時間を使いたい。
死後家族を悩ませたくはないので、そろそろ遺言に残しておくか。
「宇宙葬を手配するので、どの墓にも入れないでください。万が一宇宙葬ができなかった場合は、適当に処分してもらって構いません。戒名も仏壇も不要です。絶対に恨んでデタりしません。」
日本はいつまで女たちの我慢と犠牲でやっていくのだろう。
ああ明るい未来が見えない。
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「絶対にお父さんと同じお墓に入りたくない!」
四十九日法要を前にして
姑が樹木葬を望む遺言を残していたことが明らかになった。
松尾家・次男の嫁である五月は義父、夫や義兄弟たちの行動を見守るが…
もうひとつの家族中林家もまた墓問題、息子の結婚問題に直面し…
垣谷さん、今回は「墓じまい」と「夫婦別性」に真っ向勝負!
「墓問題」は年を重ねると多かれ少なかれ直面する問題。
誰が継ぐの?
お墓が遠すぎるんだけど…、等々。
さらには、女性が結婚後に「息子の嫁」として
当然と思われていることの数々。
どこかの記事で読んだ
「日本人は占いよりも神仏を信じていない」
なるほど、と思った記憶がある。
朝の情報番組のほとんどで今日の星占いのコーナーがある。
ということは、それだけ需要があるということで…
一方、「墓」の話は普段は話題に上ることがほとんどない。
が、冠婚葬祭の際には俄然強大な力を持って
様々な軋轢の原因になりかねない。
『』の中で浮上する「墓問題」
当然、親子・親族間で話し合い(泥試合)が行われるのだが
その時、「嫁」にはほとんど発言権はない。
でも、いざ決定した後は
その責務は「嫁」ひとりにのしかかる。
他の親族は「嫁」に引き受けさせることで
ご先祖様を大切にしている錯覚に陥る。
はぁ…、とため息をつきたくなるが
そこは垣谷さんの小説!
松尾家・次男の嫁である五月がズバッと言ってくれる。
著者の垣谷美雨さんは
小説家になる前はシステムエンジニアで
仕事・子育てに奮闘されたと聞いた。
垣谷さんの小説の原動力となっているのは
社会に対する怒りみたいなもので
テレビや新聞、友人の話などが「これはひどい!」と心に突き刺さり
さらに、友人などから聞く介護の話など
日本はいまだに封建的で、男尊女卑の意識が残っていると感じることなどで
そこから想像が膨ららみ、小説となるそうだ。
確かに
子育て、介護の中心に嫁、妻、娘がいる時代が長く続いてきた。
少しずつ変わりつつあるとはいえ
正直、まだまだ道のりは遠いと感じる。
垣谷さんの小説は
自分では大きな声では言えそうにないことを
大声で叫んでくれる。
そんな気がしている。
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ブクログの新刊ニュースで出てきた本。垣谷さんの新刊。やっぱり目の付け所がいい!
たくさんの章立てになっているが、それぞれの立場にたった言い分でよくわかった。身につまされる思いがした。今の時代に目を背けられない現実。自分なりの正義にのっとってやったことでも、家族に理解してもらえないことは往々にしてあるようだ。まだ、今、存命のうちにわかってよかったか、はたまた松尾家の母のように遺言として伝えるがよかったか。
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松尾詩穂は中林悟と結婚をするはずだったのだが、松尾家の祖母が祖父と一緒のお墓に入れないでくれと遺言を娘に託したことから、お墓とは何か墓守とは?様々な人達に問題が波及していく。諸行無常。色即是空。二つの言葉が印象に残った。
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墓じまいとその周辺の今を生きる人々の人生模様。
非常識人間、鹿児島に縁、遺骨はカルシウム、墓なんて要らない、自分のことを書かれているのかと思った。
エンディングで実は…というエピソードがあったけれど、なかなか共感できるシーンがあった。
昔ながらの価値観を捨てられない主に男たち、既得権益は手放せないものなんだろうな、とこの著者ならではの描写も、慣れてきたので楽しめるようになってきた。
住職の対比もよかった。あの住職に会いに、自分も寺に行きたくなった。
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とても読みやすい。
アップデートできる人とアップデートできない人もいる。
諸行無常、色即是空を心に留めてアップデートして残りの人生を穏やかに過ごしたい。
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核家族、少子化、都市部一極集中で地方の衰退、夫婦別姓、等々さまざまな問題が交錯し、最終的には墓じまい問題へと繋がっていく。
墓についての考えもそれぞれで、死んで骨になったら魚の骨と同じでカルシウムだ、という考えに賛成した。
日本に墓石が出来て何年たつのだろう?
長い人類の歴史のなかでつい最近ではないか?
死は皆平等に訪れる。形あるものは、未来永劫などあり得ない。ただ、それだけのこと。
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田舎に実家がある自分にとって、お墓の問題は他人事ではないため、興味深く読ませてもらった。
テンポの良さやストーリーの面白さはさすがの垣谷美雨さんだと思った。
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「もう別れてもいいですか」が面白かったので最新作を購入。期待を裏切らず面白い!誰もがいつかは経験するお墓問題。見たくない、知りたくない、関わりたくない、大切な事ほど面倒くさい。登場人物それぞれ周りにいそうでまたまた共感。終わり方もスッキリよい。勉強にもなった!
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ベストセラー”老後の資金がありません”の著者の老後の先の物語。
登場人物を通して、墓じまい・夫婦別姓婚についての物語が展開されていく。10名以上登場人物がいるが、全員がお墓の問題を抱えてる事に驚き。冷静に考えるとなるほとと思わされる。自称フェミニストだが、本当は別姓になるのを死ぬほど嫌がる男とそれで熱が冷めて、結婚を破断にした女性など。95%が男性性を名乗るデータが有る現在の結婚の形態にも変化が出て来る事は容易に想像出来る。
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言いたいことを全部言ってくれた!感。一気に読んでしまった。
結婚問題にからめて、墓守りや跡取り問題に右往左往する松尾家と中林家の物語。発端は松尾家の高齢の母親が、「お父さんと一緒のお墓には、絶対入れないで」と遺言したこと。ここで、「気持ちわかるわー」となった60代以上(女性)は多いはず。
これから、お墓や仏壇の問題は大きくなってくると思うし、核家族化(今やもっと小さな単位になっているが、、、)したことで、避けられない問題だった。今や、お寺の存続にも、、、、。
故人を偲ぶ気持ちはあるし、先祖あっての自分との思いもあるので、粗末にする気はないが、生きてる人が1番大事。無理してお墓を守ったり仏壇を構えたりするのには賛成できない派。
若い庵主さんが言った「変わらないものはない」は、全くその通りだと思う。自由でいい、お墓も姓も。時代が変われば常識だって変わっていくのだから。
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さすが、女性を軸にした社会問題を書かせるなら垣谷さん!
主人公と同世代の為、
しみじみと考えさせられた。
火葬は法律で決められているが、
関西と関東で、骨壺の大きさが違うなんて、びっくり。
葬儀屋のパンフレットで、たくさんのランクがあり、
○○焼きだの、お金をかければいいという問題でもない。
そもそも、葬式自体、必要に思わない。
戒名もいらないし、お墓もいらない。
今では粉骨サービスがあり、コンパクトに保管できるし、山や海に散骨もできる。
以前は樹木葬を望んでいたが、年数が過ぎると合祀になるなら、最初から合祀で土に帰るのだっていい。
永代供養も決められた年数で、永久ではない。
骨はただのカルシウム。
ただ、ご先祖様や亡くなった両親、我が子にいつもそばにいて守られている感覚があり、朝晩手を合わせることは忘れていない。
自分が亡くなっても、ふと思い出してくれればそれでいい。
子供達に余計な負担はかけたくない。
そして、○○家としてでなく、○○子、個人として葬ってほしい。
死後離婚、いいかも。
夫婦別姓、
名前を変えるほうは、ほんとに、それまでの人生をまるっきり変更させられるような、大変な作業。
その辛さをたいがいは女性が味合わなければならなかった。
国は夫婦に子供という標準の物差しで制度を作っている。
一人一人、考え方、働き方、生き方が違う。
時代に全然追いついてない。
国や自治体の方に、この本をぜひ、参考にしてほしい。
早くに両親を亡くし、DVがもとで辛い思いをした五月が、明るくたくましくて、元気をもらえた。
しきたりや常識にとらわれない、それでいて、きちんと人を見、人情も深く、とてもよかった。