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著者、中沢新一が、音楽家、坂本龍一と縄文にかかわりのある土地への巡礼を行った際の対談。一読では理解しきれない面もあったが、アースダイバーと併せて読むとよいと思う。
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資本主義の限界を感じる中でも、どうしよもなさというか、仕方なしという観念。動こうに動けない、その中に取り込まれるしかない。今とは違った世界線が有り得たかもしれない可能性を各地の遺跡や遺物から探っていくという旅の試みが面白い。お金持ちのおじさん達の道楽だなーと思えてしまう瞬間もあったり、なんとなく、安心して読めない頁もあった。学者の言葉なので横文字が多用されていて文章が読みにくかった。
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坂本龍一強化月間でこちらを。
面白かったし、ちょくちょく入る坂本龍一の写真が格好良いし、取り上げられている場所に旅行で行ってみたいなあという気持ちがわいています。
中沢「…死の問題をいろんなかたちで世界のなかに取り入れていくことが戦略上、重要なんですよね。生きている人間の世界は、「ある」か「ない」かっていうバイナリ思考に陥りがち。でも「ある」でも「ない」でもない、もっと根源的な「生命力に満ちた死」があるわけで、それを組み込むと3の世界になっていく。世界はバイナリではなくトリニティの構造に変わっていく…」(p.51)
中沢「神話の想像力と、資本主義や科学技術へと分かれていく原点は。エコロジストからは科学が悪い、資本主義は悪いって考えが出てきがちなんだけど、じつは同じところから出てきている。核もそこから生まれる。核とは何か」…
坂本「エロスの落とし子なんだね」…
中沢「(岡本太郎の太陽の塔について)核と、人間の祝祭空間が根源では同じだということを、よくわかっていた。…曼荼羅と同じ表現で、大墓地なんです。世界の根源は、墓地。意味も吹き飛ぶ、分子も吹き飛ぶ、その上に湧き上がってくる歓喜というものを描こうとしている」(p.59-61)
この一連の核が生のエネルギーの側面も持っているというところ、そういう風にとらえたことがなかったので面白かった。
中沢「音楽と神話というのはもともととても近いものなんですね。図像表現がそっけないときには、神話と音楽が発達する。」(p.84)
なるほど笑
収録場所は以下
第一章 諏訪
第二章 若狭・敦賀
第三章 奈良・紀伊田辺
第四章 山口・鹿児島
第五章 青森