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不器用で無愛想な南部鉄器の職人の父・孝雄を持つ悟。そんな中、孝雄が少年犯罪の補導委託をやると知り、困惑する…
不器用な父と幼少期からのわだかまりを持ったまま大人になった悟と、保護観察の春斗。家族とは?って言う大きなテーマが考えさせられました。
春斗は何不自由ない暮らしだったけど、親の圧力に耐えられず万引きを繰り返してしまう。
春斗の父も苦労した人だったから、子供にそんな思いをさせたくない気持ちも解るけど、とても高圧的で息苦しい春斗の気持ちもまた解ります。
岩手の南部鉄器の職人一家の元で少しだけ息が出来るようになった春斗と、親のやり取りは苦しかったです。
孝雄も不器用で、悟との距離も複雑だったけど、ラストは泣きそうになりました。一生懸命生きてるって感じが愛おしかったです。
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老舗の南部鉄器の工房に、ある日、軽犯罪を繰り返し保護観察処分中の少年が更生のためにやってくるところから物語は始まる。
心を閉ざす少年と大人たちの距離はなかなか縮まないが、ふとしたことがきっかけで、少年の悩みの原因がわかる。そこから始まる、少年と更生を支援する大人たち、そして少年の両親との確執と再生の物語。題材は地味だが、家族とは、ということを考えさせられる良い作品。
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2024/01/10リクエスト 48
岩手の南部鉄器工房で、補導委託を引き受けた父と息子の悟、そこで暮らす春斗。
恵まれた家庭環境にありながら非行に走った春斗。補導委託先の工房での父と息子の関係、春斗と両親の関係、工房で長年働く健司の家族、アルバイトに現れる八重樫の育った環境、など様々な家族模様が、春斗家族の問題にも、悟と父親の問題にも影響する。
最後にきっちり話が回収されるが、裁判所での場面、突然に悟の父親である孝雄が、西沼耕太の話を始めるところは、ねじ込んだ感じで、何とも違和感を感じた。
けれど読みやすい文章のためページが進む。
今までの刑事や暴力団をテーマにしたものから、今回の家族系に軸足を移すのかな…
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更生のために非行少年を預かる補導委託の物語。
少し前に読んだ、いとうみくさんの「夜空にひらく」に設定が似ていた。
こちらは南部鉄器工房が舞台。何かしらの問題を抱えている少年と職人気質な親方という組合せは、それだけで更生のきっかけを与えてくれそう。
親方の孝雄と息子の悟、少年春斗と父親の達也。それぞれの父子から、親子関係で大切はものは何なのかを考えさせられた。
「親は応援者ではなく、子供の一番の味方であるべき」という悟の言葉は妙に納得。肝に銘じておきます。
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メチャクチャ良かったです。
"補導委託"と言う馴染みのない制度とヒューマンドラマ、そして少年の闇の謎を上手く組み合わせて極上のフィクションに仕上げるその筆力。さすがでした。
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補導委託-問題を起こし家庭裁判所に送られてきた少年を一定期間預かる制度
この補導委託を突然 引受た南部鉄器職人の孝雄と仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の行動に戸惑う息子の悟
納得いかぬまま工房で少年と共に働き、同じ屋根の下で暮らしていくうちに・・・
柚月裕子先生の違う一面を堪能できる秀逸の作品でした。
不器用な父と子
近くにいるからこそ、家族だからこそ、伝わらない想いと過去があり、良かれと思ってしている事が、重荷になったり、期待に応えられず苦しんだり・・・
幸せな人生ってなんだろう?
恵まれた人生と充実した人生って同じものではないんじゃないのかも?
でも生きていくためには?
いろいろ考えてしまいましたが、ラストは涙を流し爽やかな読後感を味わうことが出来ました。
ご存知の事と思いますが・・・
この作品は、ミステリーではありません。
落涙の家族小説です。(笑)
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今まで読んだことない作家さん。多くの作品を出されいて、レビューは★5が50%付近。あらすじに興味がわいたし、2018年本屋大賞2位ということで、相性合う作家さんか確かめたくなった
#風に立つ
#柚月裕子
24/1/10出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/41QCbPA
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感想
親の気持ち。子供に伝わることはないのかもしれない。だけどそれでいい。思いを継いでもらうことはそれだけで重荷。だからさわやかに。
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星3つにしてしまってますが、小数点をつけれるとしたら星3.5という感じ。自分の中で星4つに近い、良作でした。補導委託という少年更生の仕組みと、南部鉄器の職人の気質、そして親子や家族のあり方などを上手く絡めて一つの物語に昇華させているのが秀逸だった。若干、設定がおあつらえ向きすぎる感は否めなかったのと、終盤で父の過去が明らかになる際、その過去がこういう物語によくある感じの、予定調和的だったのが残念ではあったけど、総じて楽しく読めました!
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盛岡市にある南部鉄器の工房が舞台。親子の話だが、40代の息子が親に大事にされてなかったとか言ってるのが、40にもなってまだそんなこと言ってんのかよと白ける。
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世の中であまり知られてない職業、役割、立場の人への解像度が本当に高くて毎度感心させられる
(実態を知らずに解像度なんて書くのは気が引けるが)
自分以外の人の気持ちはどうやったって100%理解することはできない
それは家族であっても
だからこそもちろんわかり合おうとすることも大事だが、「ここはわかるけど、ここは私にはわからない」というように線を引くことも大事に思えた
全部理解しようとするのはある種の傲慢にも見えてしまうこともあるだろうから
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柚月氏の作品は期待を裏切らない!それぞれの登場人物の性格や話し方も素晴らしい。本作品の設定や物語の進行は微笑ましく建設的で心和む!そして安心して読み進められる。誰にでも読むことを進めていきたい一冊だった。
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親の過剰な庇護が子供に与える影響は?
過去の過酷な生活から自らを縛る父親と、その父親からの愛情を素直に受け入れない息子の悟。
父親と息子が同じ職業を営むからこそ、すれ違いの蟠りは根深く解消されにくくなる。そこに補導委託した春斗が加わり、頑なな春斗の心を溶かす過程が、悟にとって父親を受け入れる契機となる様は、年齢に拘らず人の再生と成長を見るようで実に暖かい内容の本だった。
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人の生き方に関わるいろいろな役割があることを知りました。
すべてがうまくいくわけではないと思いますが、他者を思いやる気持ちは人の心を動かすのだと感じました。
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後半から涙が止まらず、一気読みした。
孝雄と悟、春斗と達也・緑、それぞれの親子の葛藤や愛情など、不器用ながらも大切な人を大切に想うがゆえにすれ違う気持ちの描写が手に取るようにわかり、情景も浮かびやすかった。
自分と両親との関係や、自分の祖父母と両親との関係と重ね合わせて読む部分も多く、涙なしでは読めない一冊だった。
登場人物が皆とても心温かいので、読了後はあたたかい気持ちになれた。
虐待や毒親、親ガチャといったワードをよく目にするようになった現代に合ったストーリー。
子育てとは何か、親が子どもに幸せになってほしいと思う気持ち、でもその幸せとは何か、子どもの目にうつる親の姿、様々なことを考えさせられた。
幸せとはなんだろう、自分はこれからどう人生を歩んでいきたいんだろう、そんなことを考えたときや、これから子育てをする人、子育て中の人、親との関係に悩んでいる人、どんな人にでも心に響く何かがある一冊だと思う。
そして、身近な人だからこそ、自分の気持ちはしっかり伝えないと伝わらない、そう改めて気付かされたので、家族や大切な人には感謝や愛情を日々伝えていきたいと感じた。