投稿元:
レビューを見る
人間の醜さを煮詰めた鍋を喰らうような作品。
怠惰故に堕落していく、何かに縋り救いを求める様は、自身と重なる部分もあり道を踏み外した未来の姿にも感じた。
そんな未来を生きないよう、この本を頭の片隅に入れ日々を邁進していきたい。
投稿元:
レビューを見る
世の中が「比較=悪」な思考になっているから、
読むだけで気持ち悪さを覚える人もいるかもしれない。
ぜひ、登場人物を批判している自分に気づいて気持ち悪くなってください。
そして、比べることで幸福になれる人間がいることを忘れないでください。
投稿元:
レビューを見る
なにしろ後味は最悪。人の汚い感情にこれでもかと向き合った一冊でした。これをおすすめすると人格を疑われそうなのでおすすめしません。
投稿元:
レビューを見る
今年初めての大当たり小説を読めたー!
楽しい!
近所の小学生達からボコボコにされる老人を眺めて喜ぶ男。
一人息子が平凡より劣っていると感じ自分を憐れむ母親。
2人とも終盤でずっと悩んでいたもの原因に気づき、気付いたらもう引き返せず、何もかもに絶望したように話が終わる。
タイトルを見た時になんで「ごく」がひらがな?と思ったけど、その理由が痺れた(笑)
投稿元:
レビューを見る
2024.2.17 読了。
これは、、すごいですね。すごいパンチ力。
自分よりも(いろんなことで)下を見つけて比べて
安心するか。。嫌だなぁ。でも、心に余裕がなくなったら私もこうなってしまうかもしれないなぁ。
どうしたらいいんだろ?どっちの話もキッツイけど、天獄の方、きっつくないですか?私は子供いないからわからないけど、こんなふうなの、お母さんて。子供の出来が悪い=母親の出来が悪いって。
自分のことしか考えてないじゃない。この菜々子って人に、違和感感じた。でも、それもこれも余裕がないからなのかなぁ。
あぁー、狸太郎先生、初めて読んだけど好み過ぎた。赤泥棒も読みます!
そして、私が無知すぎるんだと思うんですけど、難しい字多かったなぁ。
投稿元:
レビューを見る
めちゃくちゃ嫌な気持ちになるんだけど、共感してしまう部分もある。
自分より下と位置づけた人と比較して、自分はまだ大丈夫と安心したくなる気持ち。
それをちょっとわかってしまう自分がいる。
自分は違うと思ってる人にぜひ読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
下劣な視点とキレッキレの語彙のアンバランスさが素晴らしい。
黄金で作られた素晴らしい造形のうんこ みたいな本です。褒めてます。
投稿元:
レビューを見る
誰もが口には出さずとも、心の中に汚れた悪意ともつかない言葉を溜め込んでいる。
その悪意を汚水の如く吐き出している2編の短編。罵詈雑言は時に日常のストレスを癒やしてくれる緩和剤の役割をも果たす?
場合もある。しかしながら今作の悪口は私個人としては受け入れ難かった。
言葉の持つ力として響かなかった。もっともっと畳み掛けてくる言葉の力を期待する。
投稿元:
レビューを見る
滅茶苦茶良かった
どちらの地獄も最高に刺さった
どちらも普通では物語にならないような、それでも不幸という不幸を背負った人たちを、ここまで丁寧に文で表現できるのかと驚く
他の作品も楽しみ
投稿元:
レビューを見る
鋭利過ぎて、息苦しさすら感じるけど
でも好きなんだよなぁこの著者。
出てくる人間はどうしようもなくクズで頭の弱い
ダメダメのようでいて、そんなふうに思っている
自分の下劣さをまざまざと見せ付けられる。
まだ、この登場人物たちよりは
自分の人生、マシだなぁって。
投稿元:
レビューを見る
主人公って嫌な奴だったな、だけでは終わらせてくれない、見たくないものから目を背けさせてくれない秀逸な二話だった。程度の違いはあれど誰にでも心当たりがある、他人には見せたくない醜い己の性根を勝手に土足で踏み込んできて暴かれたような不快感があった。
でも反面教師として本棚に置いておきたい一冊。
投稿元:
レビューを見る
この本は、自分が怠惰で何も頑張れないときに読みたいかな
ただ怠惰で失敗を恐れて行動せずただ落ちていくだけだと恥ずかしいから病名欲しいって思ったことあるー、p56
自覚ない不謹慎てある。グレーの子供を持つ親は共感できるんじゃないかな
わたしも共感できるところが多々あったけど、友達にはおすすめできない
投稿元:
レビューを見る
短編二篇でとてもさくさくと読むことができました。
同じような思想、思考をする人もきっとすぐそばにいるんだろうなと思いました。他者と自分を比べて、自分をどう評価できるか。他者の目が気になるというわけではなく、自分で自分を見下してしまったり、特別でありたいと思う思考は、一度持った人も多いのではないでしょうか?
私は、今でも自分で自分を見下してしまっています。この生活を続けていてまた違う「地ごく」を見ました。
今は少しずつこの思考を、認知を緩めようとしています。
投稿元:
レビューを見る
捻くれてる思考なのに、きっとこのような考え方をしてしまう人は多いと思う。
最悪の切り口から抉るような2篇だった。
気持ち良い話ではないけど、とてもリアルで表現が独特で芸術的で素敵な作品。
投稿元:
レビューを見る
最早底辺と言えるような暮らしをしている男は、同じ団地に住む老人が小学生に虐められているのを見るが、特に何もしない。ある日、老人から遺書を代筆してくれと頼まれる。(『地ごく』)
自分より下の立場の人を見下すのは溜飲は下がるかもしれないが、結局虚しい。男は老人(実際は40代だが老人に見える)を見下しているが、老人から己の末路を連想し、結局、嘆くことになる。一方、老人の方は自殺することに関しても「じごくからじごくへ行くようなもの」と言っているぐらい今現在が地獄なのであって、人を見下しているどころではない。どちらが不幸なのか。どちらも不幸なのかもしれない。
でも私には男の方が憐れに思えて仕方がない。一生、自分の境遇を嘆いて蔑んで生きていくのだろうか。