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最近、警察官が訴えられる事例が増えているため、万引きを捕まえても怒鳴りもしなけりゃ、問い詰めもしない警察官ばかりになってしまった。嘆かわしい。それもこれも下手なことをしたら訴えられる、という怖さからだ。
そんなとき必要となるのが、この小説の主人公。警察官を守るためなら事実を捏造し、口裏を合わせ、不利な証拠は徹底排除。訴訟なんざ勝ちゃいいんだ!という、さっぱりとした態度。嘘つきは泥棒の始まり、という価値観の人は読んでも楽しくないと思うが、嘘をつけるのは才能だ、と常日頃から思っている自分にとっては、なんとも頼もしい主人公で、愉快な小説だ。クソどうでもいい訴訟を起こす奴なんぞに有能な警察官を潰させるな!
こんな部署だか担当官だかが、実際にいるのかわからないが、あっても警察庁は認めないだろう。VIVANTみたいなもんだ。
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本書の末尾に「第二回 警察小説新人賞選評」が掲載されています。
物語を読んでいく途中で感じた違和感の正体を、選考委員の方々がズバッと指摘されていて流石だなと思いました。
作品は警察小説ながら訟務係を題材にし、事実の追求よりも裁判で勝つことを目的としています。
どんな手段を使ってでも裁判に勝つ。訴えられた警察官を護る。ひいては国民を護ることに繋がる。
裁判に勝つためにそこまでするのかと、やや現実離れを感じるところがあり、そこは小説だからと割り切りましたがあまりにも読者が持ってるイメージとかけ離れすぎると作者の1人歩きになってしまう。
さじ加減が難しいですよね。
粗削りな部分もありますが、作者の今後の作品が楽しみであることは間違いありません。
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読み始めてびっくりなななんだこれは?思わず声を出してしまった!警察の人がこんなでっち上げや例え民事と言え偽証などしないしさせない!ああそうかこれは架空の警察の話だ!と思ったら俄然面白くなって後は一気読みだった。最後はああ面白かった!となった。
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主人公の桐嶋千隼が苛々するほど間抜けなキャラクターで、警察官である条件をクリアしてない稚拙な考え方や態度に魅力が無い。
わざと回りくどい意外な結末の為に、無理な展開が読者を置き去りにしてゆく。
本の装丁は立派な警察小説だが、中身は薄かった。
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警察の民事訴訟を担当する訟務係が主人公。
そもそもその係の存在を知らなかった。
裁判官から弁護士に転身し警察官となった荒城は、警察が国民を護るためには職務を全うしようとする警察官を徒な訴訟リスクから守らなければいけないという極めて真っ当な志を持っているのだが、その目的=訴訟に勝つためには手段を選ばず、偽証を強いることも辞さない。
荒城とベアを組む新人警官の桐嶋千隼は、元プロ競輪選手でオリンピックメダリスト。警察官としての正義感の塊で、当然荒城とぶつかる。
「それってパクリじゃないですか?」などとも共通のツンデレ上司とドジで真面目な部下の組合わせだが、本作の荒城はそのキャラクターが若干不安定にみえる。が、シリーズが進めば(シリーズ化するとして)こなれてくるのだろう。
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警察小説新人賞と言う事で手にした。巻末の審査員書評の指摘通り、人物造形が稚拙でとても薄っぺらい。警察官と言うより人間としても幼稚で、こんなお巡りさんはイヤだ!と思わせてくれる説得力がある。唯一、訟務係と言う耳慣れない部署を知れたのは良かった。
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警察が訴訟を起こされた際に対応する「訟務係」の活躍をメインに描いた警察ミステリ。自損事故を起こした少年を救護しようとした警察官の千隼はその現場で轢き逃げに遭い、重傷を負う。さらに少年が死亡したことの責任を問われ、訴訟を起こされてしまった。「警察官を護る」ことを職務とする訟務係の荒城の指示に従い訴訟に対抗することになるが、しかし彼の強引ともいえるやり方に戸惑うことになる。
「訟務係」というのは、今まであまり聞いたことがありませんでしたが。必要とされる部署でしょうね。もちろん警察だってミスをすることがあり、それが訴訟に結びついてしまうこともあるだろうけれど。訴訟を恐れるあまりに必要な行動を起こせなくなることのリスクがあることも納得できました。だけどここまで強引なやり方でもいいのか、と疑念を覚えないではありません。真実を追及するのではなく、警察が勝つために整合性のある解答を導き出す、ってある意味捏造であり隠蔽でもあるのでは、と思いつつ、正々堂々としすぎて逆に清々しい気もしました。
ひたすら真っ直ぐで突っ走ってしまう千隼と、冷静沈着な荒城のコンビも良いですね。荒城、ひそかにめちゃめちゃストレス溜めてるなあ、ってところが気の毒になってしまいましたが(笑)。
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読みやすい。
内容としては少し強引というか、無理な設定もあるのではと感じた。そのため星3。
読みやすさでいえば星4ではあるが、、
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警務部監察課の訟務担当係、元判事の異色警察官荒城。守護神と言えば聞こえがいいが、身内を守るためには手段を選ばない。桐島千隼大好きな作家さんたちが審査員を務めた大賞作品だたが後味悪し。
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警察の訟務係に焦点を合わせた小説。訴訟に勝つためには手段を選ばない戦法をとったり、章ごとに微妙に話がずれていたり、終盤なぜか急にバイオレンス的な筋書きになっていたりと、何か違和感を感じてしまう。
章ごとに文章を書き、後になって繋ぎ合わせたような小説になっているのは残念。とはいえ、警察のニッチな仕事に光を当て、この仕事を知らしめたという点で評価したい。
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第2回警察小説新人賞受賞作らしい。
警察官が民事訴訟を起こされた時、被告代理人として警察官を護る「訟務係」にスポットを当てた警察小説。
警察小説数あれど、訟務係ものは初めて読むかな。その着眼点が目新しく、新ジャンルとして期待大だったんだけど、タイトルの「県警の守護神」と呼ばれる弁護士資格を持つ警察官・荒城よりも、融通の効かない直情的な女性警察官・桐嶋の行動が目立って、鬱陶しくて何度か読むのをやめようかと思った。
嘘は許さない!真実のみが正義!という青臭い理屈を振り回して法廷をめちゃめちゃにし、そのくせ命令に背いて勝手に動き、結果不法行為も辞さないあまりに独善的な女が主人公なのが耐えられない。
荒城の手法もやりすぎ感はあるけれど、裁判なんて所詮狐と狸の化かし合い、法律のプロが白黒つけようとしているところに素人のお嬢ちゃんがしゃしゃり出る構図がなんとも鼻白む。
結果、キャラに魅力を感じられず残念。
作品としては一部と二部で2つに分断された感じというか、前半が後半のための長い前振りみたいな作りがいただけない。事件の真相が明らかになる終盤も偶然に頼るこじつけっぽいところがあり、何が何だかって感じ。
荒城メインの作品をもっと読んでみたいけど、桐嶋出るならもう読まないかな〜。
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面白いストーリーだと思いましたが、巻末の書評にもあった通り、登場人物に感情移入が出来ませんでした。特に主人公の正義感が強いのはいいけど、後先考えない行動には、フィクションながらイライラし通しでした。