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ボトルネック(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー919件

みんなの評価3.5

評価内訳

905 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ボトルネック――なるかならないかは自分次第

2010/01/15 20:28

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

【ボトルネック】
瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。(改行)そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。(改行)全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。(p.153より引用)

ボトルネックと単語を耳にすると、以前の勤め先を思い出す。そこの代表が良く言っていたのだ――「ボトルネックを見つけて排除しなきゃ」と。ほとんどの社員がその台詞を聞くたびに思っていた――「○○さん(=代表)、ボトルネックはあなたですよ」と。

そういう風に、人を指してボトルネックと呼ぶこともある。まぁわたしが挙げた例はあんまり誉められたものではないけれど。

亡くなった恋人と東尋坊で追悼していたぼくは断崖から墜落した次の瞬間、地元である金沢の街中にいた。不思議に思ったぼくは急いで帰宅するも、出迎えたのは見知らぬ姉だった。ぼくの記憶では彼女は、僕が生まれる以前、この世に生を受けることなくなくなっていた。

どうやらぼくは「ぼくが生まれなかった世界」へワープしてしまったらしい。

ぼくの両親の間には子どもが二人――これはこの世界では絶対効のようだ。しかしここから世界は二つに分かれる。ひとつは長男とぼくの二人兄弟。もうひとつは長男とぼくの世界では流産したことになっている姉の二人兄妹。

ぼくの生まれなかった世界では、亡くなった恋人は生きていて、両親は仲睦まじい。それに比べてぼくが生きる世界は…。ぼくは潰されてしまわないように、全てを受け入れ、何も考えないことにした。

主人公の「ぼく」こと嵯峨野リョウはぼくが生まれなかった世界に突然迷い込んでしまう。その世界では、リョウとは全く違う性格を持った姉・サキが嵯峨野家の末っ子として日常生活を営んでいた。

リョウの世界においてもサキの世界においても、日々起こる出来事は同じ。しかしこれら二つの世界では同じ原因をもってしてもそこから生まれる結果が天と地ほど違う――これが「ぼく」とサキの違いなのか。

「自分が生まれなかった世界」における「自分が生まれた世界」よりもはるかに優れた日常の光景を見せつけられたリョウは、衝撃的な「あること」に気づく…。


この作品のラストに対して「救いがない」、「絶望的」といった感想が目立つのだが、わたしは最後まで本書を読み切って、そういったネガティブな感想は抱かなかった。わたしの感性は鈍すぎるのだろうか。

確かに「嵯峨野サキの生きた世界の方が、嵯峨野リョウの生きた世界よりもいい場所だという事実」をリョウはこれでもかというほど見せつけられる。何もかもを受け入れようと努め、何もしてこなかったリョウ。それは彼が生きる術でもあった。

一方サキは、リョウと同じ境遇に陥っても「何か」をしようとし、「何か」を成し遂げていた。その二人の生き方の違いが、パラレルワールドに差をつけた。

その対比にリョウは絶望する。受け入れ難い現実を受け入れることを余儀なくされる。だから絶望感は多少感じられる。だけど…救いがないとは思わない。

本作のラストは明確には書かれていないのだけれど、わたしはそこに希望を見てしまう。自分が生まれた世界よりも良い「生まれなかった世界」を見てしまったリョウ。サキの生き方を見て、状況を変えること、考えることができる、ということを知ったリョウ。全てを受け入れることも生きる術だけれど、それ以外の道を知っった彼はきっと明るい未来を手に入れることができるだろう、と。

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紙の本

クライマックスがボトルネック

2011/03/28 21:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る

これはミステリなのかSFなのか文学なのかファンタジーなのか? 正直どこに向かっているのかよく分からなかった。そして読後もその印象はあまり変わらない。典型的なパラレルワールドものかと思いきや、どうやらすこし雲行きが怪しい。文体はライトなのにやたらとペシミスティックな世界観。切れ味抜群の謎解きを披露したかと思いきや、あっさりと棄却される解決編。様々な要素を内包しつつ、本作の舞台である金沢の空の雲のようにどんよりと低く流れてゆく。

しいて言えば「ひねくれミステリ作家が描くすこし不思議な青春文学」といった所存か。無力な自分に打ちのめされ、運命のいたずらは自らの存在自体を否定する。そう、所謂「生まれてすみません」。若かりし頃の鬱積した思いを独自のアプローチで描いた快作であることには間違いはないが。

巷の評価は両極端。好みが分かれるというか賛否両論あるみたいだけど、私的には意外と中途半端な☆三つ。自己の尊厳と存在意義への欺瞞を文学的に突き詰めるのか? SFやミステリの鮮やかな帰結を目指すのか? クライマックスのどっちつかずな印象が、どうしても自分の中でボトルネックになっている。混沌さを表現しているのだと言われればそれまでなのだが。

ちなみに読了したのは震災発生前日。このタイミングでなんてもん読んでしまったんだ。まるでこの小説の主人公の兄のようにタイミングの悪い自分に超鬱。

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2009/10/10 13:06

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2009/10/17 22:14

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2009/10/25 14:06

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