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お料理をテーマにした お話はよくあるけど これは調理道具がテーマ。
雑誌の連載だったんですね。
テーマではあるけど その道具達がお話の中にさりげなく出て来て どの短編も面白かったです。
それぞれのタイトルもおしゃれ。
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もっと読んでいたかったー。
どの短編もよく、もう少し読みたいと思うところでいい感じに終わってしまう。
一番好きなのはチルちゃんの「コーヒーサーバーの冒険」だ。
可愛い可愛いチルちゃんの大冒険で、家族みんなが可愛い。
「ピザカッターは笑う」は高校生の青春と切なさと「俺」のなんともいえないアホさ加減が面白かったし、表題の「ホットプレートと震度四」もちょっとニヒルな感じでよかった。
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結婚祝いに贈られたお揃いの鉄鍋、夫の元カノから
譲り受けるホットプレート、クリスマスプレゼントの
ピザカッター…。”食にまつわる道具”をめぐり、
揺れ動く心を切り取った短編集。
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短編集。
大学時代の友人がホットプレートを譲ってくれるというので、夫と住む家に招いたところ、友人がパートナーを連れてきて、互いに気まずい空気が流れていく…(『表題作』)
若い頃付き合っていたとかいろいろあったとか、大人になってしまえば何も気にせず顔を合わせることが出来るのかと思いきやそうでもない。
やっぱり少しのわだかまりは残る。ただ、皆大人なので表面上は何事もなかったかのように仲良さげに振る舞うことができる。
それが良いことなのか本音を隠して付き合うのが悪いことなのかは分からない。
地震は恐ろしいものだが、それによって場の雰囲気が和らいだこの話に限っては、地震に感謝すべきなのかもしれない。
友人に自分の夫と愛し合ってるから別れてくれと言われた主人公女性。夫は(友人の)冗談だから気にするなと言うが、ある日、友人がいきなり押しかけてきて…(『さよなら、アクリルたわし』)
怖い。怖すぎる。誰が悪いのかと言えば離婚もせず友人を本気にさせた夫だと思うが…。堂々と不倫の上、夫を寄越せと言ってくる友人、妻には良い顔をしている夫、黙々とアクリルたわしを編む主人公女性。全員が怖い。
私は主人公女性がとっとと夫を見限って一人立ちすることを願うが、どうなるんだろう。
女性同士の間にはマウントの取り合いが発生することがある。この友人は明らかに自分がマウントを取っているという自信があったのだろうが、最後は泣き落としという強硬手段に出ているあたり、決して強くはない。一見、弱々しそうに見える主人公女性の方が、したたかな感じがするのは私だけだろうか。
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なんだか心が温まる1冊。
調理道具をとおして語られる、恋や思い出の物語。
温かいミルクティーを飲みながら、のんびり読むと一層心に響きました。
ごちそうさま、と思わず呟いてしまいます。
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「今年のゼリーモールド」
「ピザカッターは笑う」
「コーヒーサーバーの冒険」
「あのときの鉄鍋」
「水餃子の机」
「錆び釘探し」
「ホットプレートと震度四」
「さよなら、アクリルたわし」
「焚いてるんだよ、薪ストーブ」
“食にまつわる道具”を共通テーマに取り入れた9話収録の独立短編集。
井上作品に感じる不穏さは鳴りを潜め、日常生活のふとした瞬間、心にさざ波が立った登場人物の姿がリアルに描かれる。
彼ら、彼女達の揺れ動く心が自分の思いとリンクし、悶々としたり共感したり。
黒い井上作品も魅力的だが読後にかすかな光を感じる本作も秀逸。
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日常のなかでのちょっとした出来事からくる動揺が短い作品ながらとても色濃く感じられる作品集。その気持ちの揺れとともにあるのがホットプレートやコーヒーサーバー、鉄鍋などの道具。それを使っている時の心情と動揺したあとの感じ方の違いとかが興味深くて面白い。同時期に発売された『錠剤F』とはあまりにも違うけれどどちらも井上さんの作品だなって感じられる。今作品が白荒野、『錠剤F』が黒荒野と呼ばれているらしい。
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食にまつわる道具をテーマにした短編集。
連作ではないけれど、読むほどに深まっていく短編たち
中でも「水餃子の机」、「錆び釘探し」が物語だけでなく、道具としても歴史が刻まれていて秀悦だ。
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久々の井上荒野さん。テレビで八ヶ岳の家を見たので、井上さんのキッチンをイメージしながら読めた部分も多々。装丁がきれい。
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石の上にも3年。
この言葉を理解する事が出来そうな物語でした。
我慢をする事が美徳では無いけど、我慢した先にある未来も選択肢の一つとして考えないとね。
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単調な日々に、突然モノが舞い込み、動揺する彼らに共感。妻の疑惑から逃れようと必死な『俺』、高校生の息子たちの恋の行方を見守る『俺』…『俺』が主役の『ピザカッターは笑う』。イチオシです。
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料理や料理小物に関わる9つの短編集。どこから読んでも楽しい。私は表題作の「ホットプレートと震度4」が気に入った。大学の同級生とその元カレである、主人公の夫。2人が住むマンションに同級生が同棲相手を連れて来る。彼氏が新人賞を取り副賞のホットプレートをくれると言う事で。
同級生と夫との関係にモヤモヤを抱えた主人公の心理が生々しい。ホッとした終わり方も気持ち良く読めた。井上氏の人間観察の鋭さが短編でも濃厚にしてくれている。
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久しぶりに井上荒野さんの小説を読んだ。
以前読んでいた頃は、心のざらつきに焦点があった作品が多く、それに引きづられるのが嫌で遠ざかっていた。
でもこの短編集はもっと軽やかで、心がちくっとくるけど、その不安な気持ちが気づけば追いやられ、温かい涙が出てくる感じ。
時が経つ、歳を重ねる、ただそれだけでいいんだと思える。
日常がざらつきをいつの間にか消してくれる。
当たり前のようにそばにいてくれる人のことを、その存在を改めて愛おしく思えた。
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装丁のフォークとお皿は井上さんの私物なのかは不明ですが、料理が引き立つ文章とマッチしており、とてもステキでした。
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食べ物にまつわる道具をめぐり、揺れ動く心を切り取った9つの短編集。
家族、たとえば親子であったり、夫婦であったりもしくは友人だったり、恋人だったりと登場人物は変われどみんなそれぞれ心に何か思うものがある。
どれもそのあとはどうなる…と気になるのである。
それもちょっと危うい夫婦に友人が絡むものなら尚更、後日譚を想像してしまう…
特に「ホットプレートと震度四」と「さよなら、アクリルたわし」のその後。
サクッと終わらせているのが憎いなぁ…。