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雑誌かどこかで紹介されているのをみて、ふと、読んでみようと思った本。装丁が綺麗で。
最初、アミが男じゃなくて女の性別で、女性同士の結婚?と思って読み進めていたけど、アミはちゃんと性別が男だったと知って、あ、そうか、とそういう体で読んでいけた。
途中、アミとうみの息子のアオからの目線のお話に変わるけれど、場面が不思議な世界(夢?現実?)に飛んだりして、そういうお話はあまり読んだことがなかったので新鮮だった。
最後、アオがアミに会いたいと言ってご対面になるのだけど、その際に、なぜアミが子供が産まれる前に失踪したかがなんとなく伝わってきた。はっきりと書かれている訳ではなかったけど、うみはずっと誰も好きにならないを通していけたけど、アミはうみの事を好きになってしまったんだな、と。なので、独特の切なさに包まれた。そうかあ・・ って。
でも私はどっちかというとうみ寄りの考えなのかもしれないな。最初は熱い気持ちをもってても、そのうちなんとなく冷めてきてしまう。
朝吹さんの文章は江國さんの文章を読む感じに似ているのかなと読み始めは思っていたけど、また違った。透明で高貴な飲み物を飲んでいる、冷たくひんやり綺麗にのどを通っていく。そんなイメージがする文の紡ぎ方をする方だと思った。
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綴られる文章が、薄い膜のように一枚一枚静かに重なり合って物語が進んでいく。目で文字を追いながら、肌で読む。そんな質感のある印象を抱いた。起承転結のある小説と言うよりは、ただひたすら五感で感じとるアートの領域。こういう作品も素敵。
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難しかった。
難しかったけど、すらすら読めた。
それは初めての感覚だった!
好きな人と子どもを作りたくないアミ(男)と、恋愛感情が存在しないうみ(女)、その子どものこよみとアオ。
時空や記憶の境目がすごく曖昧で、今は「今」なのか、「過去」なのか、わからなくなる。実際,登場人物もわからなくなっているのだから、読者もわからなくなって当然。
人との関わりも曖昧で、うみの妊娠がわかった途端に突然いなくなったアミ。それでも最後には、戻ってきて、2人の子どもと相対する。うみも、「そんなに遠くに行かないで」と、愛していなかったはずのアミを求めるような心情描写で幕を閉じる。
終始ゆるやかで、ド派手な展開はないけど、人間関係の本質ってそんなものなのかもしれない、と思った。
追記
あと、2027年に南海トラフが起こるという設定。なんか妙にリアルで、緊張した。
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本全体からとても不思議な雰囲気が漂っていました。
題名がタイムレスであるように、時空が定まらず… 目の前に薄いベールが一枚かかっているような… 映画を観ているような… 夢か現か分からない………
とにかく、霧雨のように細かく切れ目なく言葉が降ってくるので、傘もささずに体全体で受け止めてしっとり濡れる、そんな感じの一冊。
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時も場所も人も何もかもグルグルかき回されて通り過ぎて行くから、自分が何を読んでいるのかいまいち掴めないまま終わってしまった。
文字とか文章ってよりは不思議な空間を漂ってたって感じ。
なんの話?どんなストーリー?って聞かれても、、、なんとも答えられない(笑)