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雑誌かどこかで紹介されているのをみて、ふと、読んでみようと思った本。装丁が綺麗で。
最初、アミが男じゃなくて女の性別で、女性同士の結婚?と思って読み進めていたけど、アミはちゃんと性別が男だったと知って、あ、そうか、とそういう体で読んでいけた。
途中、アミとうみの息子のアオからの目線のお話に変わるけれど、場面が不思議な世界(夢?現実?)に飛んだりして、そういうお話はあまり読んだことがなかったので新鮮だった。
最後、アオがアミに会いたいと言ってご対面になるのだけど、その際に、なぜアミが子供が産まれる前に失踪したかがなんとなく伝わってきた。はっきりと書かれている訳ではなかったけど、うみはずっと誰も好きにならないを通していけたけど、アミはうみの事を好きになってしまったんだな、と。なので、独特の切なさに包まれた。そうかあ・・ って。
でも私はどっちかというとうみ寄りの考えなのかもしれないな。最初は熱い気持ちをもってても、そのうちなんとなく冷めてきてしまう。
朝吹さんの文章は江國さんの文章を読む感じに似ているのかなと読み始めは思っていたけど、また違った。透明で高貴な飲み物を飲んでいる、冷たくひんやり綺麗にのどを通っていく。そんなイメージがする文の紡ぎ方をする方だと思った。