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16歳の子どもがYouTubeでアウシュビッツの動画をみた、教科書で読むのと映像で観るのは全然違う、まじでやばいことが起きてたんだねと話してくれた。ちょうど同じ時期に読んでいたのがこの本。なんという奇妙な偶然だろう。映画化されるということなので、声をかけて一緒に観に行くのもいいなと思った。
人間の弱さ、残忍さ、愚かさに打ちのめされると同時に、押さえつけられても確かにそこにあるあたたかさや愛に希望を持ちたくなる作品だった。
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中学。ヒトラーによるユダヤ人の迫害を受けたおばあちゃんの体験を、語りと体験と分けながら、物語のように孫に伝えていく。かなり読みやすい文章だが、ボリュームがある。著者の作品ワンダーのいじめっ子のジュリアンとも繋がっているところがにくい。巻末にはホロコーストやアンネの日記など、関連する情報を物語と照らし合わせて紹介している。
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「ワンダー」がとても良い話だったので、そのスピンオフ作品はぜひ読みたい!と思い読んでみた。
いじめをして退学になったジュリアン。
他の学校に転校して、その学校での宿題のためにおばあちゃんに話を聞く。
ジュリアンのおばあちゃんの、戦争の時の体験談。
おばあちゃんが中学生くらいの時の話。
ナチスから逃れるために恐ろしい体験をした。
それをジュリアンに話して聞かせてくれた。
アンネの日記のような話で、とても過酷。
同じクラスの隣の席に座っていた男の子が、命を助けてくれた。
その男の子の両親が、ずっとサラを(おばあちゃんの名前)かくまってくれたので生き延びることができた。
でも戦争なので、とても長い間、納屋の屋根裏で藁の中に隠れて過ごしていた。
辛い体験。
かくれる方も、それを助けてあげている家族も命懸け。
命を助けてくれた男の子の名前はジュリアンという。
ハッキリ書かれていないが、身籠ったのは、そのジュリアンの子供なのか?
だから、ヴィヴィアンが喜んだ?
子供の名前を「ジュリアン」と名付けだから喜んだ?
不明だったが、
恩人の名前を子供に名付け、その名前は孫にも。
由来を理解して、孫ジュリアンは、その名前に誇りを持って生きていけると思う。
温かいラスト。
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フランスでもユダヤ人迫害があったことを知りました。ドイツやポーランドの出来事と思い込んでいたのでヨーロッパに広く影響していた事を知らずにいました。障がい者差別、いじめと沢山のことを考えさせられました。
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この体裁から児童書、女の子目線でソフトかつ幻想的に描かれてますけど、内容はキツいです。フランスのホロコースト、他の作品(ポストカード)でも読みましたが全く酷いとしか言いようがありません。
・過去から学ばないものは同じ過ちを繰り返す
・起きてしまったことは取り返しがつかないけれど、二度と起きないようにすることはできる
こんな言葉が染み渡りました。
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「ワンダー」でいじめっ子だったジュリアンが登場。でも、この本はワンダーの続編ではありませんでした。ホロコーストがテーマです。主人公はジュリアンの祖母。ジュリアンが転校先で出た宿題をするために祖母に戦争の話を聞きます。祖母はフランス在住のユダヤ人で、ナチスの侵攻が遅い地域だったため、逆に逃げ遅れ、ある日突然ナチス狩りが始まります。これはホロコーストの時代にあったであろう、逃げるユダヤ人と匿ってくれた市井の人々のお話。
ジュリアンの祖母を匿ってくれた家族、特に主人公に寄り添った同級生や、終戦も近いころ匿った家族に起こったことを乗り越えて親切を普通に続ける姿を読むと、涙が止まりませんでした。視聴覚を超えるような超常的な表現に戸惑うこともありますが、おおむね読みやすく、高学年から。ルビも高学年以上のものにはだいたいあるようです。『親切をするには、いつでも勇気が必要。けれど、親切をするために、自分のすべて、自由や命まで犠牲になるかもしれないときに、親切は奇跡になる。親切こそすべて。闇のなかの光。それは人間性の本質。希望なの』