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安部公房作品の中で、最も読みやすく楽しめる長篇だと思ってます。軽快なテンポと世紀末的ユーモアが冴え渡ります。
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字も小さいし、一見読みにくそうですが、ものすごくおもしろいです。物語ラストの方の少年が水辺から上がり物思うシーンが印象的です。
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ん〜なかなか面白かったです。最初の展開からだいぶかけ離れていきすぎかな?とは思いましたが、随所にいい文章があり響きました。
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SFと聞くと子供だましの印象を持ちがちだが、この作品にはそういった、「世界観における違和感」の入り込む隙が無く実に計算し尽くされた、文字通り“科学的寓話”である。嘘くささがまるで無い。こういった世界も有り得るのではないかと思わせられる。何重にも張られた難解なテストと、それに沿って目まぐるしく移り変わる展開、全く無関係だと思われていた事象が複雑に絡み合って、やっとタイトルへ辿り着く。
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非現実的なことが現実的に思えてしまう、説得力が彼の文章にはある。未来を予言するコンピュータを、30年以上も前に頭に描いていた彼は、やはり天才。
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予言機械と胎児売買の奇妙なつながり。未来はいつでも明るいとは思えなくなった自分に。一見無関係なようで絡み合う事件と出来事がすごい
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日本でもこれだけちゃんとした本格的なSFミステリーがあるんだよ! と、胸を張って言いたくなります。 アーサー・クラークの「幼年期の終わり」に続いて、久々にSFを読んでみたのは、やはり幾つになっても過去ではなく未来を見つめていたいから?
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格好よすぎる!スリリングでコミカルでファンタジーでサイエンスフィクション、最後にはえも言われぬ余韻がずっと残る。面白すぎで格好よすぎです。
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「未来予言機」その作動に制限がかかり、ついには研究所の封鎖も危ぶまれた研究者は、ついに人間の未来を予言することを思いつく。しかし、サンプルに選んだ人間は何かの事件に巻き込まれて命を落としてしまう。そして、気がつけば彼もまた事件に巻き込まれていることに気がつく・・・。 ひとつひとつの設定が詳細になされていて、それゆえにリアリティーを感じさせてくれます。彼の作品は、いつもその独自の設定の深さが、イマジネーションを駆り立ててくれます。また、文の一句一句に無駄がなく、凝縮された文章である印象を受ける安部公房の作品は、読後の満足感がいっぱいです。ちょっと、食べすぎますた\(^o^)/
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未来が現代を規定するとして、果たして優先されるべきはどちらなのか。
過去は、そして現代は、未来のための単なるかりそめなのか。
第四間氷期が、終わる。
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「第四間氷期」は未来を予言しようと機械を発明した男が、徐々にその機械と未来に追い詰められていく話です。
サスペンス調で進められる本作、ラストまできちんとまとまってて読みやすいと思います。
“未来”に追い詰められて“現在”がなくなる。とても面白い視点だと思います。
さすが公房!!!
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僕は、未来に耐えられる人間だろうか。
それとも。
モラルとは何か、正しさとは何か。
物事のほとんどは、角度によって姿を変える。
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現在にとって未来とは何か?
文明の行き付く先に現れる未来は天国か地獄か?
万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった・・・。
(裏表紙から引用)
SFチックな物語。1959年…ちょうど50年前に発表されたようです。
未来が見える機械を開発するというのは、夢だけれど怖いものです。
この物語のさわりは「水棲人」です。その研究所を訪れるシーンがとても印象的で、ありありと、グロテスクに想像できました。
特に水棲牛!!薄暗い古びた研究所の奥に、大きな水槽があって、そこでばたついている姿が、自分で見たように感じられました。
50年経った現代は、生物工学(といえばいいのかな?)が以前と比べて格段に進歩し、クローンの研究なんかもされていますが・・・
人間のクローンを作ることは倫理的にタブーですよね。
でも、どこかの研究所で…きっと地下でしょう…人間をも研究対象として極秘の研究が進められている…なんていう可能性も考えてしまいますね。
それこそ、水棲人の研究が行われていて、地球上のどこかに水中植民地が作られているかもしれません。
単なる夢物語に思えない、恐ろしさがありました。
個体発生を、系統発生から切り離す・・・。
安部公房は本当に犀利な方ですよね。その紡ぎだす言葉がやたら説得力を持っています。
面白かったけれど、私はやっぱり中後期の、安部公房が確立された頃の作品がすきです。
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未来とは、いったい何なのだろうか。未だ来ぬ「未来」を楽観的に想像するか、悲観的に想像するか、それは個人の自由だ。ただ、実際の未来は、その想像や判断をはるかに超えるだろう。だから、人類が未来を想像したり機械に予言させたりすることは、自由であり、同時に、ナンセンスなのだ。SF作品はあまり選り好んで読まないが、本書は別格。私は本書を、サイエンスフィクションというより、現代の科学技術の進歩や産業の成長の先にある人類が直面する問題を提起しているサイエンスノンフィクションではないか。序章の情景描写に圧倒されるうちに、みるみる本編に惹き込まれていくところは、無意識の衝撃。最初はおよそ理解できない状況や人物関係も、複雑に絡み合った紐が1本ずつ解れていくように明らかになっていく快感。それでも何かすっきりしないもどかしさ。想像を絶する新種生物への恐怖。安部ワールド炸裂!皮肉にも、人類の発明が自らの首を絞める展開には、ホラー小説を読むような緊張感がある。それは、主人公を案じるのはもちろん、現代を生きる私たち人類を案じるのも。水棲人間なんて滑稽な発想だと思うが、本書を読めば、それも「未来」には十分あり得ると不思議と感じてしまうのだ。予言機械なんて、要らない。
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17年前、実家から持ち去った文庫本。
ダークなSF。最後に読んだのは高校時代だと思う。
筆者後書きより - 「おそらく、残酷な未来、というものがあるのではない。未来は、それが未来だということで、すでに本来的に残酷なのである」