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【期間限定価格】細雪(上) みんなのレビュー

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みんなのレビュー170件

みんなの評価4.2

評価内訳

164 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

源氏物語的もののあわれ

2002/06/23 22:01

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

大坂船場の名家蒔岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子をめぐる人間模様を描いた、文豪谷崎潤一郎の代表作。
四姉妹をはじめとする登場人物はそれぞれ個性的ではあるが、どれにも共通に感ぜられるのは、関西の上流階級のもつ貴族的な優雅さ、上品さである。ときは昭和初期。軍国主義の波が押し寄せてき、個人の生活への国家の干渉が増大した時代であるはずなのに、この小説に出てくる人々はまるでどこか別世界にいて、浮世の災いからは遠く離れた静かな情緒に身を置いているようである。
そんな高雅さの中心にいるのが、三女の雪子である。三十を過ぎてもなお独身の彼女の結婚をめぐって周りの人間がやきもきをしながらも、当の本人は平然としている。姉妹の中でもっとも美しいが、めったに感情を外に出さず、人の言葉にただ「ふん」とか、「うち、ようわからん」と曖昧な返事をするだけのおとなしい女性である一方、妹の妙子に意見をするときには峻厳なまでの態度を見せ、その結婚相手の家柄に対してもこだわりを示す、また極端な人見知りからせっかくの良縁を自分の手で台無しにしてしまう、一見何を考えているかわからない不思議な存在である。
次女の幸子も魅力的な女性である。物語は彼女の家が主な舞台であり、彼女の視点から語られている点、彼女が物語の主人公であるともいえるだろう。2人の妹のことで苦労をし、おろおろしたり、時には悔し涙を流すこともあるが、根が明るく、おだやかな彼女は、四人の中で一番かわいい女性である。理解あるやさしい夫、貞之助の存在も光っている。
四女の妙子は、新聞沙汰になるような恋愛をしたり、手に職をもって自活をする独立独歩型の女性である。自由奔放な彼女は、本家の長女夫婦からうとまれて、不良娘のレッテルをはられ、唯一理解を示してきた幸子にも数々のうそをつき、その好意を裏切る。結局物語の最後では、バーテンダーとのあいだにできた赤ん坊を流産してしまう。
まわりに迷惑をかけてきた報いといってしまえばそれまでだが、世間にもまれながら自分に正直に一生懸命生きてきた妙子が、不幸な目に会う一方、苦労を知らないお嬢様育ちで、何事にも受動的である雪子は、数々の縁談が失敗に終わったのち、貴族出身の男性のもとに嫁ぎ、幸せを手にする。運命とはいえ、両者の対比はむごい気がする。
かといって、雪子が有頂天の幸せにあるようには見えない。彼女の雰囲気は最後までどこかさびしさ、かぼそさがある。物語は婚礼のため上京する汽車の中で彼女が下痢に悩むという少々こっけいな描写で終わっている。
しかし、このどこかもの哀しい、幽玄な美をたたえた雪子のイメージこそが、この小説の主題ではないか。俗世間の荒波にもまれることなく、ただ静かに折々の四季の風物を愛でて毎日を暮らす、そんな生活を上流階級のとか、貴族的と称して特殊な世界の出来事と片づけることはできない。70年代の「四畳半一間」が一種の典雅さをもって語られるのと同様、『細雪』には日本人の心に共通にしみわたってくる何かがある。
多くの人が、この作品における『源氏物語』の影響を指摘しているが、作者の谷崎が雪子の中に表現しようとしたのは、『源氏』の「もののあわれ」だったのかもしれないという気が私にもする。
最後に、この小説は何度か映画化されたが、最近の映画では、岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子がそれぞれの姉妹を演じている。ストーリーはかなり脚色が加えられているものの、四人の配役はどれもぴたりとはまっていて見事である。特に雪子役の吉永は、まさに小説のイメージそのものといってもよい。

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紙の本

やはり凄い作品

2019/01/13 23:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

明治以降の文豪の中で、誰が筆頭であるかということになると、夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介の名前が当然として出てくることであろうが、私は谷崎潤一郎ではないかと思う。本人は巻末の「細雪回顧」の中で「関西に移り住む以前の作品氏は認めたくないものが多い」と語っているのであるが、確かに「蓼食う虫」「春琴抄」「卍」「吉野葛」そして「細雪」と名作、代表作ということになると関西移住後の作品ばかりのような気がする。源氏物語の影響があるのかどうかは不明だが、まるで昭和に源氏物語をもってきたような雰囲気がする。関西の中流家庭の持つ東京にはない上品な雰囲気を描ける作家は彼しかいないだろう

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紙の本

何度読んでも面白いです。

2018/09/30 21:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

細雪をオマージュした作品を読んで、久し振りに読み返してみようと思い購入しました。何年も前に読んだきりだったので結構忘れていた部分もありましたが、それ以外にも新しい発見というか、改めて読み返してみて、ここはこういう事だったのかななどと以前よりもワクワク感が増して読むことが出来ました。

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紙の本

大人になってからやっと読めた物語

2016/06/02 21:30

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大人になってから、読みたい本というのがあって、この『細雪』はそういう本の一冊でした。
ずっと通勤電車や仕事の昼休みに上中下巻を読み継いでいました。
こうして読んでみると会話文が多くて(船場言葉)読みやすい物語。
上巻は、なんといっても蒔岡三姉妹が着飾って花見に行く所が圧巻。
上流階級の楽しみというものをここまで書きつくしていると感心しました。
三女。雪子のお見合い、四女、妙子の恋愛の行く末もまだ始まったばかり。
先が楽しみでした。追われるようにして中巻へ。
結婚している長女、次女に比べ、未婚の三女、四女がそれぞれ違った意味でハラハラします。

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紙の本

うつくしい

2016/01/23 22:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る

昔の映画を観てぜひ原作を読んでみたいと思って手に取った本です。映画は時間的制限があるため感じなかった、ゆっくりとした時の流れ、言葉の美しさを自分のペースでじっくり堪能しました。4姉妹それぞれの違いや思いの描写も細やか。映画で観た細雪のような桜吹雪のシーンがあまりに美しくて、散る桜をみる度にこのお話を思い出します。

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2004/09/30 10:10

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2004/10/26 11:28

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2004/10/13 13:14

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2005/04/04 17:14

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2005/06/04 16:18

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2005/06/14 03:29

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2005/11/26 23:27

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2006/01/28 14:09

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2006/05/28 10:21

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2006/05/16 00:14

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