投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
久しぶりの再読
緒方さんが母親、タカヤがしーちゃんの子 というのは覚えていたもののその間の話がすっぽり抜けていたのでミスリードに踊らされ、後半の続きが気になる……!となる勢いがすごい。
昔読んだ時よりもまあくんの逃げ腰な部分に色々感じるようになったことに自分の変化も感じつつ、でも最後にはこの子は大丈夫そうだな と思える成長物語としてもとてもよかった。大好きな小説のひとつです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
子宮がんで母親が亡くなった日、息子の雅祥は、睡眠薬を大量に飲み、自殺を図った。しばらくすると父親が生後間もない男の子タカヤを連れて帰ってきた。しばらく預かるという。甲斐甲斐しく世話をしている父親だったが、ある日の夜、タカヤが泣いているのに父親が動く気配がない…。
基本的にあらすじは読まないのだが「痛快青春ミステリ」という部分だけ見て、軽い作品だと思っ手読み始めたら、暗い。雅祥とタカヤの部分はやや楽しげな話という部分が少し出てくるくらいで、とにかく全体に暗い。
雅祥の話、美沙と成美の話など、章ごとに視点と登場人物が変わるため、落ち着いた視点は雅祥以外に無い落ち着かなさを感じたままストーリーは続いていき、全然痛快でも青春でもない話が展開される。
ここまで書いてきてもわかると思うが「雅祥」読める?「七里(だっけ?2回ほどしかでてこない)」と「詩織」が出てきて、「しーちゃん」はどっちだと思う?
そう、この作品のポイントは、読めない名前に名字がやたらと重なること、その名字を書かないことによって、時系列や人物をわからないようにして、最後に種明かしをするタイプの小説だ。
最後にそれぞれバラバラのストーリーが一応合うことになっているものの、途中で感じた違和感をずっと抱えたままストーリーを追わなければいけないのは、なかなかに苦痛である。そして、歌野晶午の例の作品のごとく、実はあの話はものすごい昔でしたーというオチ。ていうか、それ必要ですか?
レトリックで騙すというのはわからぬでもないが、それが必要と感じないような内容の小説で、真っ直ぐに子供と向き合う少年と、その少年の持つ過去という話で良かったんじゃないのか?
また、やたらとがんで死ぬとか、同じような境遇の子供であるとか、ひとりひとりの印象が薄くなるようなイベントもマイナスポイント。
まあこの作家は二度と手に取ることはないだろうが、編集者ももうちょっと素直な作品するための努力をしても良かったのではないだろうか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
母親を亡くしひきこもりになった21歳の主人公。その後父親が知人の赤ちゃんを預かり、突然死。ひとりで育児をすることに。
ひきこもり青年の子育てストーリーだと思って読み始めたら、主人公のストーリーの間にはさまれる挿話に、なんだろう?と思いだし、最後は想像もしなかった展開にびっくりして終わりました。
ミステリーだったんですね