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けっこうクセあるけど(笑)、藤原正彦さん好きで、尊敬しています。この本棚にも「祖国とは国語」と「国家の品格」入れています。数学者でありながら、文学に造詣が深く、でも国語の専門家というわけではないから独自の解釈というところが面白い。
もともと国語の重要性を痛感しており、正しく美しい日本語を使いたいと思っており、最近仕事でも後進の指導にあたることになったので、語彙を増やしたいな、と思って購入しました。
戦前、戦後くらいの、古い歌謡曲の歌詞を紹介し、そのころのご自分の状況を思い起こしながらその詩のどこがどのように良いのかをつづっています。
イルカの「なごり雪」とか、山口百恵が歌った「秋桜」、♪秋の夕日に 照る山紅葉~♪で始まる「紅葉」など、私も知っている歌もあったけど、もっと古い歌が多い。
昔の歌謡曲ってこういう感じだったのね…と興味深い。
藤原正彦さんの好みでもあるのだろうけど、かなわなかった恋の歌、別れの歌が多く、哀愁ただよいまくりです(笑)。
お母様藤原ていさんや、お父様新田次郎との思い出も交えてあり、とても興味深いし、詩ってこんな風に味わうものなんだな、という勉強にもなるし、昔の言葉や言い回しの語彙も増えるし、聞いたことのある昭和の歌の時代背景とかもわかるし、なかなか良い本だったと思います!