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表題作含め4つの密室を扱ったミステリー短編集。
それぞれ、なるほど、と思わせるストーリー展開。おもしろいがただそれだけ。高校生のときに読めばそれなりに興味深かったかもしれないが、この歳で読むとなんだか現実離れした劇画のような作品で私には合わなかった。
若い頃、推理小説にはまったときは、クイズを解く感覚で謎解きに興味があったが今はストーリーの意外な展開を楽しめる小説がお気に入り。
4作品の中で一番よかった作品は「生存者、一名」。無人島が舞台。置き去りにされた男女はどうなるのか?一般社会から隔離された無人島で男女の間で起こることと言えば・・・。桐野夏子の「東京島」でもそうだが、無人島を扱った作品は好きだな。
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面白い!大好き!キャラクターがたまらない!一つの話に一人いる個性派キャラ、それがいるだけでぐんぐん進む!しかも短篇←実は好きじゃない)なのに引き込まれた!もっとハイペースで出して欲しい作家のひとり。
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とても面白かった!まるで、自分が名探偵になってる様なそんな感覚になれる本。
推理小説なのに登場人物が少ない所もまたいい。
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数年前に『葉桜の~』を読み面白かったので購入。
読み始めて短編集(中篇?)だと気付いた。短編などの場合、先が読めてしまうことが多いが、これはそんなことなく楽しんで最後まで読むことが出来た。それぞれが独立した話で、どれも面白かった。
特に4話目は作者の狙いにきれいに引っかかってしまい、読み終えたときに「やられた!」と一人で叫んでた。笑
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短編集だったので少しがっかり。
4編とも面白く、もう一度読み返したら別の楽しみ方ができそう。
「生存者、一名」も面白かったが「館という名の楽園で」が一番ストレスなく読めた。
解説も面白い。
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【そして名探偵は生まれた】最後の3ページに驚く。しかしそれより前にも衝撃の出来事が…。一体何段構えなんだ!?と驚かずにはいられません。【生存者、一名】最後の最後のまで読めそうで読めない結末。世間での報道と現実との対比が面白い。【館という名の楽園で】直前の生存者一名で人がどんどん死んでいったのでこちらは安心して読めました。館の主人が語る話とリアル謎解きとの関係、ゲームだからこそできるほのぼの感。ラストは途中でなんとなーく読めましたが1番好きなお話です。【夏の雪、冬のサンバ】犯人までわかるかはさておき、よく考えればトリックは気付けそうなのに…まさかあれも伏線だったなんて。ただ他の3作品のインパクトが強すぎたので少し物足りなく感じました。
なんだかんだ言って気に入った一冊です。
「葉桜の季節に君を想うということ」も読んでみたいと思います。
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表紙の雰囲気から想像したのとは全然違うお話でした。
大団円で終わるのかと思いきや…。「名探偵」のその後が気になります。
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いわゆる本格もどきの作品を集めた中編集。
なかでも表題作は、名探偵ってどうやって食ってるんだろう?という子供の頃に感じた疑問に対する答えを盛り込んだ遊び心ある作品でした。
その他も歌野氏らしいなぁという印象の作品ばかりだと思います。
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中短編集。
推理系のものとサスペンス系のもの。
無人島の話がいちばんおもしろいかも。
全体的にやられた感はうすい。
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表題作『そして名探偵は生まれた』は雪の密室。探偵と助手の関係が面白い。トリックが杜撰だが名探偵をテーマとした皮肉が良い作品。『生存者、一名』は孤島の密室。サバイバルものであり謎解きでもある。フェアでない一文が残念だが、一気に読ませる魅力的な良作。『館という名の楽園で』は館の密室。これが一番良かった。王道のミステリ、読者への挑戦もある正当でフェアなそれでいて惹き込まれる傑作。『夏の雪、冬のサンバ』も雪の密室。こちらも密室モノとしてなかなか良い良作。全話共通してミステリファンなら大好きな要素が散見する一冊。
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どの話も面白かった。ただ短編集だからか王手飛車取りとかほどの衝撃感はなかったように思う。安定の面白さという感じ。
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そして名探偵は生まれた
生存者、一名
館という名の楽園で
夏の雪、冬のサンバ
中編3つ、短編1つ。
①は愚痴の多い名探偵が事件解決のお礼に招かれた山荘でオーナー兼社長が殺された。山荘内、密室。もちろんそれだけではない。
②は宗教教団によるテロを起こした犯人達が海外逃亡準備が整うまで孤島に隠れることになったが…。教団に裏切られた犯人達の心情、そして一人一人と人数が減っていく。犯人というより生き残るのは誰だ!
もちろんそれだけではない。
③推理小説好きが頑張って、夢である館を建てた。大学時代の仲間を集めて推理ごっこをすることになったが…。館にまつわる甲冑の話がトリックに絡んで来るため、これを解かないと。
もちろんそれだけではない。
④アパート内で殺人が発生する。住人は1名の日本人以外は全て外国人、さらに外では雪が降っていた。短編ではあるが、話もトリックも申し分ない。
兎に角、作者はフェアであるため、読む側としては充分に条件が揃っているのに解けない…、しかも話しが面白く、次が気になり読んでしまう。何と抜群な作家だろうか。
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4つの短編のうち、「生存者、一名」が特におもしろかった。冒頭で、生存者一名、死者五名と出てくるので、誰が生き残るのか想像しながら楽しく読めた。
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無性にクローズドサークルものが読みたくなったので「生存者、一名」目当てに再読。何度読んでもこの結論には唸るなあ…4本の中編集ですが、それぞれ違う面白さがあって楽しめます。
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雪の山荘,孤島などの密室小説を集めた短篇集。歌野晶午の作品は,本格ミステリらしい本格ミステリが多く,好きな作家の一人である。
「そして名探偵は生まれた」では,関わった事件について書いた小説によって損害賠償を請求されたことがあり,関わった事件について語ることすらしなくなった卑屈な探偵役が登場する。なんともひねくれた作品。真相を解明するのではなく,犯人をゆすろうとし,ワトソン役に殺されるという真相。ワトソン役が,名探偵になろうと誓うラストシーンが「そして名探偵は生まれた」というタイトルと相まって印象に残る。
「生存者,一名」は爆発テロを行った新興宗教団体のメンバーが無人島で希少な食料をめぐって殺し合いを行うという作品。最後に生き残った1名は誰かという,生き残る人物を当てる,一風変わったミステリで,生き残ったのは登場人物のうち,一人の子どもというオチ。新本格系ではちょくちょくあるようなトリックだが,妙に印象に残る作品である。
「館という名の楽園で」は,息子に先立たれた夫婦がトリックを使うために館を建てて,推理ゲームを開催するという作品。こちらも,寂しい雰囲気の作品で,妙に心に残る。
「夏の雪,冬のサンバ」は,キノシタという人物が,日系ペルー人の「アルベルト・キノシタ」であるということを隠した叙述トリックの作品。これは比較的軽いトリックの作品。
いずれも歌野晶午らしい作品揃いだが,できはそこそこという感じ。評価は★3かな。