投稿元:
レビューを見る
相変わらず面白い
前作もそうだったが研究の裏側は興味深い
とりあえずバッタ追いかけて面白い現象に出くわし、そこから何を研究しようかと考え始めるのが意外と言うかリアルだと思った
直感的に先に知りたいことがあってそれを追いかけるのかと思ってたが、逆パターンもあるのか
確かに普通に考えて常に魅力的な問いが浮かぶことはないからそれが自然なのか
投稿元:
レビューを見る
standing on the shoulders of Giants(巨人の肩の上に立つ)を体現した著者。巨人たちへの感謝と、未来の博士に向けられたメッセージに心を打たれた。ウルドの肩の上に立て!
投稿元:
レビューを見る
4・17→4・19
まえがき
第1章モーリタニア編ーバッタに賭けるー
会心の目撃/バッタ大発生の謎を解くために/違和感の正体/失望の朝/新発見のきっかけ/充電タイム/緊急野外調査/灼熱の台地/データをとらないと研究者として死ぬ/
第2章バッタ学の始まりー
第3章アメリカ編ータッチダウンを決めるを決めるまでー
第4章再びモーリタニア編ーバッタ襲来ー
第5章モロッコ編ーラボを立ち上げ実験をー
第6章フランス編ー男女間のいざこざー
第7章ティジャニ
第8章日本編ー考察力に切れ味を
第9章災厄と魂の論文執筆
第10章結実のとき
あとがき 名前とお礼と挨拶と
参考・引用文献
投稿元:
レビューを見る
ヤバい。
もし自分が10代前半くらいのときにこの本があって読んでしまっていたら、分もわきまえずに人生の道を踏み違え、バッタ博士をめざそうとしたかもしれない
ヤバい、ヤバい。それくらいヤバい
凡人の想像を超える困難に、凡人の想像を超える努力で打ち克ってきたであろう著者が、極めて明るく語る名著
投稿元:
レビューを見る
前作は「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。
著者の研究が成果を上げて多方面から称賛されていて、前作から読んでいる身として嬉しくなった。
今作は前作よりもバッタ研究をメインにしているものの、話題はあっちこっちに飛ぶ。読むにあたりそれが読者にいいか悪いかになるけれど、それは著者もことわりをいれてるし、それが面白い本なのです。
バッタ研究に関しての努力や工夫はもちろん、生活や人間関係もバラエティ豊かで楽しげに書かれていて600ページのゴツさ驚いた読み始めが嘘のようにサクッと読めた。
その中の1つに、日頃から常々思っている「人生なにが役に立つかわからない」というのを説得力を持って教えてくれる場面がよくあり感心しつつ学びにもなる。
ただ、同じように生きるには自分には勇気や器がまったく足りないし無理だ。
誰にでもおすすめできる本だけど、どちらかといえば学生や若い方にお薦めしたい。
きっと得るものはたくさんあると思います。
投稿元:
レビューを見る
バッタを倒しにアフリカへの続編
前作が非常におもしろかったので迷わず購入
前作より専門性(研究に関する内容)が重圧になっているので
その辺りは人を選ぶかもしれません。ただ、著者の健在の文章力でそのあたりはカバーされ、約600ページあっという間に読み切れると思います!
私も大学院まで進学し、単著での論文執筆までは至りませんでしたが、研究に携わった経験があります。後半論文執筆時の前野氏の苦悩や、研究に関する様々なしがらみ共感できる部分が多かったです。
前野氏も断っているように、話がぶっ飛びまくりで、
最後まさかの夢の話になりますが、これが結構しみました。
小学生には少し難しいかもしれませんが、中学、高校生あたりの子供には夢の考え方の一つとして、読んでみてもらいたいなと思いました。
私も学生時代にこの本に出会えていたら、研究に対するアプローチの仕方の幅がもう少し広げられれたのかなと思います。仮説をたてて最もらしい証拠を集めていく、この当たり前のプロセスが当時はなかなかできていませんでした、未熟。
最後にもう1人の主人公と言ってもの過言ではない、ティジャニは今回も健在です。なんならパワーアップしているので、前回ファンになった人はその部分だけでも読む価値あると思います笑
投稿元:
レビューを見る
前作がおもしろすぎたので迷わずネットで注文して入手した。新書で600ページの分厚さである。しかし、最初から最後まで全く退屈させることがない。ちょっとわき道にそれすぎ、と思わないこともないが、今回は、論文発表後ということで、研究の話が盛りだくさんであった。研究のためにした苦労話がおもしろくて仕方ない。夜、真っ暗闇の沙漠でライトをつけてバッタの解剖をしていたら、虫がいっぱい寄って来て大変だったとか、実験用のバッタに与えるエサのレタスを1枚1枚農薬除去のためにきれいに洗うとか、もっともっとおもしろい話はあったはずなのだけれど、他におもしろい話題が多すぎて、頭に残っていないのだ。1章割かれたティジャニの話が面白すぎる。というかモーリタニアのポリスはいったいどうなっているのだ。というか世界的にはそういうポリスが多いのだろうか。もう、知らないことが多すぎる。それにしても、ティジャニときたら人が良過ぎるのではないか。そして、それに輪をかけてコータローは人がいい。いくら、印税が入っているからと言っても、100円×20万部=2000万くらいではないか。20歳代はずっと無収入だったのだろうから、やっと元が取れたくらいではないのか。それに、賞金をもらえたらすぐ皆に分け与える。まあ、もっとも、本人も書いているが、こうやって気前よくおごったりしているおかげで、ひょんなことでまたお金が舞い込んでくるわけだ。貯金ばかりしていてはだめなのだなあ。で、フランス編の牡蠣の話だ。僕は牡蠣が苦手でずっと食べられなかったが、最近、大人ぶって、鍋に入っている牡蠣くらいなら食べられるようになった。でも、貝を自分で開いて食べるとかそんな経験はない。フランスでは牡蠣を開けるナイフがどこの家にもあるとは。そして、日本で正月に餅でのどを詰めて救急車に運ばれる人が増えるように、フランスではそのナイフで手を切る人が増えるという事実。ところ変わればだけれど、知らないことが多すぎる。読書にはこういう楽しみがあるのだ。自分で実際にアフリカの沙漠に行ってみたいとは思えないけれど、そこに行った気分にさせてもらえる。前作もそうだったが、これは梅棹忠夫先生などの本に通ずるところがある。それから、著者の経歴にもとても好感が持てる。これだけ見ると完全にサクセスストーリーではないか。弘前、茨城、神戸、そして京都と。ぐんぐんレベルアップしている。僕も大学受験では弘前の、大学院受験では茨城の募集要項を取り寄せた(もちろんネットなんてなかった時代だから)。結局どちらにも行かなかったけれど、でも親近感がわくのだ。そうそう、ティジャニがまずライスに何もつけずに食べ、次は塩だけつけて食べ、最後に何だったかをつけて食べるという、大人っぽさを競い合うエピソードも好きだ。僕も60歳になろうというのに、なかなか子どもっぽさが抜けないのだ。そう、研究についての疑問。メスばかりの集団は見つかったのか?集団別居と言っている割に、オスの集団は何度も出て来るがメスの集団の話が出てきた記憶がない。そして、広い沙漠の中でどうやって相手を見つけるのか。そこのところは次の課題として、またいつか研究成果を読んでみたい。まだあ���た。メジャーな雑誌に論文が掲載されるということがそんなに大変なことだったとは知らなかった。サイエンスに掲載されました、と新聞に出るということは、それだけですごいことだったのだ。最後に、コータローの婚活だ。個人的な話満載の本書であるが、これだけ、婚活婚活と書いていたら、どこかで本書の読者の1人が手を挙げてくれるのではないか。そんな期待を胸に抱いております。というか、フランスでもモロッコでもモーリタニアでも、はたまた日本のどこかの研究室にでも、いくらでも候補はいたのではないのか。いいなあ、と思った人にちゃんとアプローチしているのだろうか。僕なんかが恋愛のアドバイスはできないが、コータローはいつも人間関係に恵まれていて、さびしいなあという思いをすることがあまりないのではなかろうか。僕の少ない経験上だが、さびしいなあと思えたときに、思い切ってアプローチできた記憶がある。健闘を祈る。ところで、カバーに映るバッタコスプレの2人。右がコータローで左はティジャニだろうか。どこかに書かれているかなと思って帯をはずしたら、カメラマン三脚って、なんやそれ! しかも、NGの写真まで。どこまでもサービス精神が旺盛なのだなあ。ありがとう、コータロー。僕もあなたのファンです。あとで良く見たら、前作も帯を取ったら別の写真があった。それともう一つ疑問があった。バッタの個体識別をするために、なぜ修正液で書くのか。まあ、わからないでもないが、他のペンではだめだったのか。
投稿元:
レビューを見る
前作からの続編が出ていて嬉しくて購入しました。前作以前からの熱意が形になっていく本作品にテンションが上がりました。成功物語になるところを自分のネタ部分を織り交ぜる読書への気遣いに前野氏のエンターテイメント力と人柄を感じました。
投稿元:
レビューを見る
今作も面白かった!
学術的にも、ネタ的にも!
特に印象深かったのは、研究成果を挙げるには健康第一であること。粘り強い活動を支えるのは、知的体力+基礎体力なんですね。
前野さんの相変化が今後、素晴らしいものになることを祈念しつつ、さらなる研究成果と新作をお待ちします!
投稿元:
レビューを見る
バッタを倒すぜ アフリカで
著:前野ウルド浩太郎
光文社新書 1305
おもしろかった
バッタ博士は変な人である
モーリタニアの所長からもらった、ウルドをミドルネームにつかい、現地の民族衣装で授賞式にのぞむ
砂漠にバッタが棲んでいるのも、変だが、空を黒くして跳ぶのは、バッタじゃなくてイナゴなんじゃないの?
モーリタニアも、モロッコも人懐っこいイスラムの国、日本が日出ずる国であれば、モロッコは日沈む国というのもいい。
気になったのは、以下です
・この本は、すなわち、異世界転生モノ的に、アフリカのバッタの繁殖行動を明らかにしようとする研究者の活動話を大国柱とし、それを、「婚活」「仕事」「旅」という裏話の三本柱で支えたものである
・モーリタニアは世界有数のバッタの発生源、「フロントライン(最前線)」であり、バッタたちとの激戦区として有名である
・データをとらないと研究者として死ぬ
・これから私がすべきは、自分というフィルターを通じて、調査対象である自然現象を数字に変えてデータをとり、それに基づいてどのような傾向があるのかを統計解析し、グラフや表を作成し、その結果を基に考察する、ということである
・自分が研究する際には、四つの「はかる」を大切にしている
図る⇒計画
測る⇒長さ
量る⇒重さ
計る⇒時間
・バッタの野外調査がほとんどされてこなかった理由の一つは、バッタが灼熱地獄のようなサハラというバリアの中に巣食い、研究者を寄せ付けなかったからだろう。バッタに接近するためには、まず、灼熱のサハラを攻略しなければならない
・野外で得られたデータには、「たまたまだったんじゃないの?」という疑惑が常につきまとう。
そのとき、たまたま風が吹いていたから、たまたま鳥が飛んでいたから、と、いくらでも別の解釈ができてしまう
再現できるもの、だけが科学として認められる
・自然科学では、データを収集する前に、既知の情報や予備的な観察、実験を基にして、まずはすべきことがある。それは、仮説を立てることである
・巨人の肩の上に立つ
・自分に足りないものを補うことができれば、自然と成長でき、仮説検証と論文発表に挑むことができる
・なぜ銀行を襲ったのかと聞かれた、ウィリー・サットンは、「そこに金があるからだ」と答えた
なぜ、ラバーのオスは、丘に集まるのか?なぜならば、「そこにメスがいるからだ」
私たちも同じのはず、「なぜ男はナイトクラブに行くのか そこに女がいるからだ」
・砂丘エリアを超えるとき、1冊の本をいつも思い出す 上温湯隆氏の「サハラに死す」だ。
・私はずっと風を待ち望んでいた。風は時に大雨をもたらす。大雨さえ降れば大量のバッタが発生し、一気に研究を進めることができる
・「前野さん、何か問題に直面したら、その問題を紙に書き出してみたらいいですよ。頭の中で整理できて、次に何をしたら解決できるのか、思いつきやすくなります��」
・アフリカでは、「欲しいものは即買いせよ」が鉄則だ。おなじ商品に出合えない可能性があるため、一気にまとめて買う必要がある
・組織の長たる者「リーダ:引っ張っていく者」のごとく、メンバーを率いていかなければならないわけだが、リーダーが一番がんばらないことには、誰もついてこないとのこと
・繁殖期に別居する動物では、繁殖活動に参加する数が多いほうの性が互いに競争して自分の魅力をアピールし、少ないほうの性が優先的に交尾相手を選ぶ傾向があるようだ。
大概、数が圧倒的に多いオスの集団では、メスにパートナーとして選んでもらうために、オス間で何らかの抗争がおこなわれている
別居することで、メスはオスからの不要な嫌がらせを受けることなく、必要な時だけオスと交尾し繁殖できる上、たくさんいるオスの中から好みのオスを選ぶことができる。オスとしても繁殖の準備が整ったメスに巡り合うことができる
・乾杯は、宴会が始まる前のささいな出来事だが、フランス人は丁寧に時間をかけ、すべての参加者同士、一人残らず乾杯をしてから一口目を味わう
・実はサバクドビバッタのメスは、オスと交尾せずとも単為生殖でも排卵し、子孫を残すことができる
・モーリタニアは、イスラムの教えにより、持っている人が持っていない人に分け与えるのは普通のことで、素直に喜んでもらえる。あげたくなければあげなくてもいいし、あげたい人があげればいいだけで、あげなかったからといってとやかく言われず、非常にスムーズに世の中が回っているように思う
・何かをやり遂げた者は、常に3つのものに恵まれていたという。天の時と、地の利と、人の和である
目次
まえがき
第1章 モーリタニア編―バッタに賭ける
第2章 バッタ学の始まり
第3章 アメリカ編―タッチダウンを決めるまで
第4章 再びモーリタニア編―バッタ襲来
第5章 モロッコ編―ラボを立ち上げ実験を
第6章 フランス編―男女間のいざこざ
第7章 ティジャニ
第8章 日本編―考察力に切れ味を
第9章 厄災と魂の論文執筆
第10章 結実のとき
あとがき 名前とお礼と挨拶と
参考・引用文献
ISBN:9784334102906
出版社:光文社
判型:新書
ページ数:608ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2024年04月
2024年04月30日初版1刷
2024年05月15日2刷
投稿元:
レビューを見る
今作も笑いをこらえきれなかった。最高。こんな教養新書ないのよ。
書店で手に取り「分厚い!」と思ったけど、いざ読んだら本当にあっという間。むしろ「これ以上読んだら夜通し読んで仕事にならない。我慢して続きは明日にしよう」と頑張ってセーブしたほど。
今作では論文執筆に向けた前野さんの奮闘ぶりが描かれている。相変わらず凄すぎる行動力。地道な活動。そして至って真面目なバッタ研究に関する文章と、はっちゃけぶりとのバランスの素晴らしさ。
そしてティジャニほか周囲の人達への印税の使い方を読むと、本を買っていてよかったなぁと思った。笑
投稿元:
レビューを見る
前回、研究内容をもっと知りたいと思っていたので良かった。10年もの研究の帰結が世に出る感慨やいかに。ティジャニで一章使うとは、わかってるね!
投稿元:
レビューを見る
もはやバッタというより著者の生き様に惹かれている故に手に取った本書。前作よりさらにサバクトビバッタの生態(主に繁殖活動)について書かれており、バッタに興味のない私でも、今はちょっと詳しくなってしまっている(笑)。
メスとオスが別々に群れを作っていて、産卵期が近づいたメスがオスの群れの中に飛び込んでくるという仕組みが効率良いなぁと思う。産卵までオスがメスに乗り、他のオスの精子を入れないようにする点も興味深い。虫にも「自分の遺伝子を残す」という本能があることを改めて実感。
"集団別居生活"というネーミングはまさにその通りなのだが、語感が面白くて笑ってしまう。
筆者が長期間かけて行ったフィールドワークは実を結んで、論文への掲載も叶った。自分とは全く関係ない人なのに本当に良かったと思う。日本人が遠い外国の地でこれほどに活躍し、現地の人に親しまれていることが、同じ日本人として誇らしい。
著者の研究は、結論だけ言えば一行で終わってしまうようなことかもしれないが、その結論を出すまでにこれだけの手間をかけ、地道な研究を重ねている。著者がこれから(婚活で)報われますように。
投稿元:
レビューを見る
バッタの研究についてかなり詳しく書かれている。論文発表までのプロセスやドライバー兼相棒のティジャニについてなど面白く読んだ。
投稿元:
レビューを見る
600ページの大ボリューム。
バッタの繁殖について、結構学術的に書かれていました。
ティジャニで一章使っていてナイスでした