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淡く景色がうつろう郷愁あふれる物語かと思いきや突然予想だにしないオチだったり。世界は自分の意思とは関係なく動いていく。
妄想道みたいな小説も良かったが、こうしたショートショートの方がいかんなく才能が発揮されている。 素晴らしい。
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鋭い観察眼と、繊細な描写でせっせと組み立てた舞台を、ギャグでひっくり返す台無しの美学。
短編を束ねる章のタイトルも、「野球チームを作りたいがあと八人足りない」といった、それだけでイメージがふくらみ、文学の威厳がしぼんで行くものになっている。
ここまで心情や風景の描写が優れていると、もはや、文学とコントをどう区別したらいいのか分からない。
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虚無感、肩透かし、死、スタジャン、乾燥、毛玉、廃墟、無意味、静止、挫折、ケミカルウォッシュなどなど。
短編の内容とは関係なく頭の中で浮かんだ単語はざっとこんな感じ。どれも今っぽくない、むき出し昭和の空気感が漂っている気がした。
伏線があると思いきやどの話にも関連性がなく、でもなんとなく繋がっているような不思議な感覚。夢で見る風景のよう。
描写が素晴らしく詩的なのにちょっとズレているのがいい。
古ぼったい映りのフィルムで映像を撮ったらさぞかし綺麗だろうと凡庸ながら思った次第。
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毒な感じも満載で。せきしろイイ!
大人のやるせなさ、一般人のやるせなさ、振り返ったり諦めたりは人間だものというところ。
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同郷の、同じ高校出身の方、ということで、1年越し?で「出会った」のは、大阪の市民図書館だった。
心に響いた、というか、子供の頃を思い出させてくれたのは、「グラウンドを通る」と「通学路」だ。
たぶん、同じ床屋に行っているな。
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読んでみて思った。
逡巡≒妄想。
どこにでもある日常の風景。
せきしろにかかると、なんぼでも妄想の機会になる。
今までの本と比べると大人しめな印象だけど、妄想世界は相変わらず目眩いている。
「死」を扱った掌編もあるのだけど、この人が書くと「ただの哀しい話じゃないんじゃ…?」と訝ってしまう。
「ここはしんみりするべきじゃなくて、ニヒルに笑うとこじゃ…?」と、何かを警戒しながら読んじゃうのだ。
なんだか試されてるような、怪しげな本だ。
お気に入りは、「金太郎の話」。
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オチが絶妙。
悲しげなお話やワケアリなお話も入っているけれど、どれも味わい深くて、さらにニヤリ、あるいはププっと笑ってしまうものばかりです。
2,3ページくらいの短いものが中心なので、電車に乗っていても面白すぎてウッカリ駅を乗り過ごす、という危険の少ない本でもあります♪
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40編ものショートショートを収めた短編集。涙腺ゆるむいい話が最後の1行で一気にアホ小説へと叩き落としたり、その逆であったり、ホラー化したりと、その「オチ」の素晴らしさは感動的であります。
それを支えているのは、最後の1行まで引っ張る前振りの筆力。いやぁ、面白かったです。
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超短編集。
短編なんだけど物語とエッセイの間みたいな作品集。
又吉くんとの共著を読んだので免疫?があって独特の作風も楽しめたけど、かなり好き嫌いが別れると思う。
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動物が笑わない、というのはきっと、
面白い事が無くても、つまらなくないから。だと思う。
人だけが笑う、と言われているのはきっと、
面白い事が無ければ、つまらないのだ。
と、悟ってしまったからだ、と思う。
何も無いところから
(面白み)を発見するせきしろさんはすごいっ!
これも、人の成せる偉業のひとつだと思った。
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コントでありそうなのもいくつか。短いけど世界があって、毎月読む雑誌に載ってたらちょうどよく楽しめそう。押収、神について、罰金、留学、恩返し、放火がすきかな。
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せきしろ文学に、はまりました!
「くだらない」と「まじめ」のバランス感覚が素晴らしい。
こんな風に文章が書けたらきっと楽しいだろうなぁと思わせる短編集。
「時限爆弾処理班」「神について」「過保護」「線」「押収」が好き。
読書好きの友達に薦めたい本!!
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狙って書いているのだろうが文体にとても品がある.
お笑いで落としていない、まじめに書いた文章を読んでみたい.
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星新一のショートショート集なのか。読み始めて直ぐに感じたのはそんなことだった。しかし、その諧謔があまりに唐突なものであることがもう少し読み進めると見えてくる。唐突過ぎて読むものを置き去りにしてしまうような。
逡巡は書き手の内に濃密に練られている。そしてそれは嫌悪感を伴いそうになる一瞬手前でさらりと打ち捨てられる。自己を嫌悪することなく、開き直りのように肯定することで、空腹は辛うじて耐えられるものとなる。諄々と吐露される思いは殺風景な四畳半の部屋の中でどこまでも深みを増してはいくが、しかし、その埃臭い深い穴の淵を覗き込もうという気には中々なることができない。
どこかしら、ネットカフェに巣食うものが持て余した時間と思いをキーボードに向かってぶつけて出来上がった文章のようにも見える。そのことが悪いという訳ではないけれど、ここからどこへその思いは出ていくのか、それは見えてこない。はっきりとしない思いが、違和感としていつまでの拭い去れずに残る。ばっさりと切り捨ててしまえばよいのかとも思ってみるが、それはそれで間違っているようにも思える。逡巡は書き手の側にあった筈のものであったのに、いつの間にか読むものの胸に巣食ってしまっている。
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「去年ルノアールで」が面白かったので今作も読んでみました…いやぁ、ひっじょおに良い出来でしたね! 大きな感動とかはないんですけれども、なんでしょう、読み終わった後、ちょっぴしセンチメンタルになるところとか…かなり気に入りましたね!
ヽ(・ω・)/ズコー
短い短編みたいなのが多々入っています。今回は笑いの要素は少なめなんですけれども、個々の短編にやっぱし「ルノアール」を書いた著者ならではでしょうか、オチをつけたがっているような…そんな終わり方をしてみせますね♪
ヽ(・ω・)/ズコー
こうなったらせきしろ氏の著書全部読んでしまおうか! そんなことを思わせてくれた著書でした…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー