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どういう意味で「100万分の1」の恋人なんだろうと思って読み始めた。恋人は100万人に1人と言われる、遺伝性の神経性難病ハンチントン病のアットリスク。親がこの病気の場合、子どもに遺伝している確立は50%。遺伝子検査をすれば発症前に、自分に遺伝しているかどうかわかるのだが、恋人は検査はしないで灰色を生きる、と言う。人生の中で、灰色を生きるという選択肢もあるんだなと知った。そして、病気だから涙を誘うというのではなくて、僕の、恋人の、恋人の家族の、それぞれの気持ちが優しすぎて切なくなって、泣いてしまった。
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恋人が大きな病にかかるという可能性があるとき、あなたならどうしますか?
好きだから別れない。
しかし、それは単なるエゴであり相手からすれば迷惑なことなのかもしれません。
純愛を感じる、感動の一作です。
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「私、ハンチントン病かもしれない」主人公が、彼女に結婚をうちあけようとした時に彼女から彼女が難病かもしれないという告白を受けるところから始まります。ともすれば、ありがちな病気モノなのですが、この話はとても心が温かくなります。多分、それは彼の彼女を思う気持ちが強いからなのかな。作家さんは学校の先生なのだとか。素敵な本でした。(2007/4/3読了)
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2007.7.23読了。
この世界には男と女という性別がいるけれど、極稀にどちらにも属さない人もいるけど、必ずはどちらかに当てはまる。
人を好きになるのは簡単だけど、この人じゃなきゃダメなんだって思えるのは、とても確率が低いんだろうな。
考えられないようなものを背負っていても、他の誰にもこの人の代わりは出来ないという人を見つけたくなるお話。
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結婚を決めた相手がハンチントン病かもしれない…
確率50%で真っ白か真っ黒。兄は陰性。しかし彼女は検査しないことを選ぶ。
グレーゾーンを生きる不安と苦しみ。その先にあるのは…
珍しく読んだ恋愛モノだったけどリアルに丁寧に書かれてて、ラストもよかった。
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07年4月。
久々に再開したみさきと付き合い始めて、
みさきの父が50%の確率で遺伝するハンチントン病であることを打ち明けられる。
みさきは遺伝子を調べ、病に罹る可能性を調べることを拒否。
僕は結婚も考えていたが…
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就職が決まり、これを期に彼女にプロポーズしようと心に決めていた彼。
お互いのこれまでと、これからの温かい未来を夢見ていた、彼の視点で描かれている作品です☆
ハンチントン病という遺伝性のある難病。
その病と向き合う家族。その病の発病リスクを背負って生きていく事。そのリスクを背負った人と向き合う事。人生を共に歩む事。
それを軸に、
人生って何?
生きがいって何?
家族って?
人の尊厳って?
そして、
『誰かを愛するってどういうこと?』
そんな疑問を読んでいる者に投げかけてくれる作品です。自分と向き合い、彼女と向き合い、様々な考えを巡らし、苦悩し、出口を探す彼の心の葛藤が、とても繊細に描かれています。
出来るだけ多くの人に読んで欲しい作品!!
第2回新潮エンターテインメント新人賞を受賞した作品でもあります。
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ある日、彼女は秘密を打ちあけた。「私は、0.0001%の運命を背負って生きているの」 それでも、僕の心はこう叫ぶ。絶対に、彼女じゃなければ、ダメなんだ−。恋に落ちることの奇跡を描いた、号泣のラブストーリー。
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最初、不治の病をネタにしたお涙頂戴モノの話かと思ってたけれど、ぜんぜん違った。そう思った自分が恥ずかしい。遺伝子検査を受けず自分が陽性か陰性なのかを知らないまま、「灰色の私を生きる」と言うミサキ。そして調べたミサキの兄。発病したら人格が変わってしまう恋人に、「どこが好きなのか」と聞かれて、人格だと答えることができずに悩む主人公。感情移入や共感とかせずに、ハンチントン病について、遺伝性の病気について、それに向き合う姿勢について、真剣に考えた。泣かせようとしている話なのかは知らないが、その点でいうと、うちは全く泣かなかった。だけど、得たものは大きかった。
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「世界の中心で愛を叫ぶ」系の設定だが、こちらのほうがもっと社会や家族について追及していて考えされられて、読み応えがあると思う。
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泣かされる本は嫌いだ
泣かしにかかってる本は特に嫌い
途中で読むのをを辞めてしまうことが多い
この本は難病という
いかにも泣かしにかかる設定でありながら
決してそれに甘んじているわけではなく
なので
最後まで読みきったのだけれど
不覚にも泣いてしまった
この作家の
繊細で誠実な人間性に惹かれたからかもしれない
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ある日、彼女は秘密を打ちあけた。「私は、0.0001%の運命を背負って生きているの」 それでも、僕の心はこう叫ぶ。絶対に、彼女じゃなければ、ダメなんだ-。恋に落ちることの奇跡を描いた、号泣のラブストーリー。
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最初は難しいテーマで気が重くなって、なかなか読めませんでしたが、後半辺りからのめり込んでいけました。
物語は、主人公のケンちゃんが就職先が決まったことを彼女であるミサキに電話で報告するところから始まっていきます。彼女には事前に、就職が決まったら結婚しようとプロポーズしていました。彼女は「おめでとう」と言ってからほんの少し間を置いて、自分が重い病気を発病する可能性があることを告白します。その病気は遺伝性のものであり、発病する確率は50%。根治する治療法は未だ研究中…。彼はかなりの驚きや戸惑いを感じました。読んでいる私も半信半疑になったし、読む気力を一気に削がれそうになりました。でも、彼が彼女を支えたいと頑張り始めた姿を見て、私も物語に向き合う気になりました。
彼は彼女の抱える不安を少しでも共有したいと思うようになります。彼女が抱える暗闇を知る前も後も、彼は彼女をずっと愛し続けました。重い現実に押し潰されそうになりながら、何かに縋るような、祈るような切実な気持ちを抱えながらも、その芯の部分は揺らぎませんでした。これはあくまでも小説だし、現実ではこうはいかないことも多いです。でも、彼が彼女と話をし、現実に触れていく姿がとても丁寧に誠実に描かれていて、共感できました。嫌味も綺麗事もありませんでした。心にスゥッと優しい気持ちが沁み込んできました。
この物語は重い病気を話題の一つとして取り上げていますが、決して病気がテーマではありません。結婚や家族、家庭に対する覚悟、人が人を愛するということがテーマだと思います。そのことがどれだけ奇跡的で素晴らしいか、かけがえのない感情なのか。それが作者の誠実さと重なったおかげで、読了後は微笑みが浮かんでくるような、ある種の爽やかさが残りました。こういう良い後味の恋愛小説は初めて読んだ気がします。
物語の中で「君(主人公)の論文は小説的だ」という講評を担当教授が言う場面がありますが、私はこの物語自体は「論文的な小説」なんじゃないかと感じました。プロフィールにあった高校教諭という部分を読んで、「なるほど」と思いました。次回作が楽しみな作家さんです。
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この本を読むまで、ハンチントン病がどのような病気なのかということも知らなかったし、遺伝病にまつわる差別問題も知らなかった。
私は、科学を勉強した身として、遺伝病のことは知っていたのだけれども、それは単なる知識と、興味本位の範囲内だった。
この本を読まなければ、きっと「差別する側」にいたと思うし、何も考えず、「遺伝子スクリーニングの重要性」を論じたと思う。
恋愛小説というだけでなく、差別問題についても考えさせられる本だった。
主人公の心の葛藤はよくわかる。
それでもミサキのために、必死で考え、正面から向き合おうとする優しさ、強さに惹かれた。
ヒロインであるミサキが病気の恐怖とたたかいながらも、ひたむきに生きる姿にも感動した。
ミサキの家族の温かさも感じた。
病気に関係した恋愛小説というと、本当にお涙ちょうだいものを想像すると思う。でも、この本はそういう本ではない。
主人公とミサキが生きていく姿を書いた本だ。
読後、心に残った。
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主人公は大学院修了し、高校教師への道も決まり、付き合っている彼女と結婚しようとしていた。しかし、その彼女ミサキから彼女の父親がハンチントン病を煩っていると告白を受ける。ハンチントン病は遺伝性があり50%の確率でミサキもかかるかもしれないという。
主人公が「ミサキの笑顔が好きだ」と言ったことに対し、「病気になったら笑顔ではいられなくなるのよ」とミサキから言われて反省する場面がすごく切なかった。「ミサキの存在が好きだ」という言葉が凄くいい。