投稿元:
レビューを見る
初出の記載なく書き下ろしか。
滅亡したと思われていた古代シュメール人が、実はずーっと日本の地下で暮らしていたが、8年前に日本列島で大異変を引き起こし、ビールの副作用で日本人を地下に閉じ込め、地上を支配しようとしていた。というトンデモ話。
中学生の冬人は8年前の事変以来、度々意識を失い精神的に落ち込んで保健室登校していたが、あるとき意識失っているときに、夢で異様な人々が働いている場に行き、そこの少年王と友達になったが、実は実体験であったことに気づく。
やがてそれは、すでに地上でかなりの勢力を張っていた地上シュメール人によって、地下シュメール人の様子を探るために送り込まれ、地上シュメール人の王であるビール会社の社長は地下の人々を抹殺しようとしていることを突き止め、ビール会社に勤める父と協力して陰謀を妨害する。
投稿元:
レビューを見る
巨大ビール会社が仕掛けたイエローフライデーなるキャンペーン。金曜の夜は街を黄色に染めてみんなでビールを飲んで騒ぎましょう、という趣旨で様々なイベントで盛り上げていこうとする。
このキャンペーンには実は現代人の存続を脅かす巨大な陰謀が絡んでいて、人類で初めてビールをつくったといわれている古代シュメール人が関わってくるのだが、現代と古代シュメールをつなげる橋渡し役として主人公の14歳の少年・冬人がいる。
古代シュメールと現代をつなげるアイテムはビールだ。そしてこの陰謀の成否を握る鍵もビール。多くの現代人にビールを飲ませることが前提で計画は進むので、その設定って無理じゃない?と、読み始めのとっかかりからつまづいてしまった感じがする。ロシア人とウォッカだったら説得力はあるような気もするが、日本人とビールだからねぇ。オクトーバーフェストだって、そんなに定着してないし。
水面下でよからぬ陰謀が進んでいる雰囲気はいい。このなんだかもやもやとした、ホラー風にストーリ展開してくれたほうが個人的には面白いと思うんだけど…
ラストをそうしちゃったんだ、どうして?
スティーブンキングのように救いのないラストにしたほうが後味は悪いが記憶に残ると思うのだが、好みの問題かなぁ。
登場人物が暗い感じの人ばっかりなので、この作家さんはホラーを書いたほうがいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
すっごく苦しいのは「8年前のあの悲惨な出来事」が語られないからだ!~雨宮冬人は8年前冬柴拓海が裏にいて川で溺れ殺されそうになった事件以来、川辺に近づけず、学校も保健室登校で過ごし、シンビールに務める父・吾郎は忙しくて親としての責任を果たさず、母・貴子は情緒不安定に陥っている。拓海の姿を見かけて発作が起こり、気が付いたときには、病院の地下三階の薬草のにおいのきつい部屋に横たわっていた。気が付く前は、薄暗く、頭を剃り上げて、白い布を巻いて服としている人々が、ベルトコンベアの前で作業をしている夢の中にいた。建物はピラミッド構造で、14歳の冬人と同年代の少年が大人に傅かれて、皆に指示を与えていた。目覚めたときに側に控えていた白髪の老人は、薬草による治療を受けてみて、夢の様子を悉く話すことで、自分の深層心理を解き明かしていくしかないと言う。親にも内緒で治療を受けてみることにした。夢の中で出会った少年はシルトという名で、地上の世界の事を聞きたがった。夢の中で見聞きしたことは現実ではないかと考えた冬人は、夢の中で王の側近が落とし、冬人が拾ったものを靴下に挟んで持ち帰った。それはどうやらメソポタミアの楔形文字らしく、日付は7月の第三金曜日、父が関わっているビール消費を促す「イエローフライデー」の日で、図面はジッグラトの内部構造、地図はあの日以来唯一住める関東周辺の地図で、書き込まれた×印はシンビールの関連施設を示していた。ある日、帰宅途中の冬人にフリーの雑誌記者・鷹野が接触し、近々父に「ギョリュウモドキ」について聞くと言い残していった。ネットも使えなくなった日本で調べる方法は図書館しかなく、必死に行った図書館で得た答えは薬草の名だった。色々な推論を重ねていくと、地下で生活しているシュメール人は、地上の人々と入れ替わるために、ガルツというビールにギョリュソウの成分を入れて飲んだ人が日の光を眩しく感じるように仕向け、シンビールの各施設に併設されるモニュメントから地下へ誘導するのと入れ替えで地上に出てくる企みだ。そもそもの八年前の未曾有のテロもシュメール人によって引き起こされていたのだ。地上にもシュメール人は多数いる。日本応援のために大英博物館が貸し出したウルのスタンダード(木製の箱で、戦場で掲げる旗章)が何らかの合図。ひょっとしたら地下のシュメール人が14歳のシルトを王として戴いているのに対して、地上のシュメール人はシルトの異母兄である鈴木新・シンビール社長に率いられているのではないか?12カ所のモニュメントに仕掛けられた爆弾が起爆装置の起動を待っている!~漸く読み終えたって感じ。何だかねぇ。1978年生まれの女性なんだろう・暖あやこは上智大学・大学院を出て、放送作家になったらしい人