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あまり予備知識のないまま足を踏み入れた(踏み入れてしまった？)この小説は、古代アステカ文明を物語の核とした強烈なクライムノベルだった。
二人の主人公のバルミロとコシモ。
メキシコの麻薬カルテル一家に生まれたバルミロは、祖母からアステカの歴史や思想をたたき込まれ成長する。やがて麻薬組織を壊滅させられるが、数カ国での逃亡劇を経てジャカルタにたどり着く。そこで日本人臓器ブローカーと出会い、川崎で新たな裏社会のビジネスを立ち上げる。
一方のコシモは、日本のヤクザの父とメキシコ人の母を持ち、川崎で生まれ育つが、貧しい生活の中、ある事件を起こしてしまい少年院へ。出院後、働いていた工房からバルミロと出会い、超人的な身体能力を買われ犯罪組織に手を染めていく。
二人の主人公と、彼らを取り巻く登場人物達が交錯していくエピソードが面白い。一体この先どこへ向かっていくのだろう、どういう展開になるだろう、と引き込まれる。そして、血湧き肉躍るアクションシーンが凄まじい。っていうか、えげつないし、容赦ない。どこまでもダークな展開。
作中のアステカ文明は神秘性と残虐性が表裏一体で描かれる。それにしても、人身供犠の描写は生々しい。
重厚なエンタメ作品としてはアリだと思う。だけど…人には勧めにくい。。
この小説読んでいる時、なぜか若い時読んでどハマりした馳星周先生の不夜城シリーズを思い出した。また久しぶりに、このノワール小説を読み返してみたいな、と思った。
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漢字のルビ(カタカナ)、いつもはあまり気にしないけど今回は発音を確かめながら読んでいた。スペイン語。全然馴染みがない。それとアステカ文明なんて高校の頃の世界史知識レベルでしかわからず。スペイン人に征服されたということくらいは…なんとか…(忘却)
読みながら地図帳を開きました笑
メキシコわかるけどアステカどこら辺だったん…？
(村上春樹さんのエッセイでメキシコ旅編があって吹き出しながら読んだ覚えがあるけど土地に関しては全然覚えていない)
ロス•カサソラスの4兄弟とリベルタお婆ちゃん。アステカの神話とか慣習とかとても面白かった…というか、一族を皆殺しに殺された男がたった1人で世界を股にかけて再起し復讐する話、なのかと思ったが、復讐は遂げられなかった。たった1人で時間をかけて信用できる人間を選び、仲間を増やしていくところは一体感(？)がありワクワクした。目的は褒められたもんではないが。みんな、それぞれ得意分野があって有能だったし…だから最初に移動式屋台で動き始めた初期メンバーの末永が裏切った時は哀しかった。あぁ。一緒にやってきたのに。途中からは作り上げたシステムがどうやって綻び崩れていくのか怖かった。
ドラッグの種類が色々あるんだーという知識笑
あと何、こんーなドラッグが日常的に使われているものなん…？普通に仕事して、1日の終わりのちょっとした楽しみみたいに粉を吸い込んだり？？NPOに誘われて働き始めた矢鈴みたいな人、普通にいるの？ちょっと私には現実離れしていたが…大丈夫なもんなの？
別に古代の神でも新興宗教でもかまわないんだけど、とにかく信じることで現象がついてくるみたいなところあるよなぁ。信じることでリアルみをおびるっていうか。どこまで人の心にブッ刺さってるかが問題なんだと思う。バルミロは根っこからアステカの民だったが、コシモは？心臓の儀式を無駄だと思っていた末永は？前半はめちゃめちゃ濃厚な空気だったけど後半はバルミロの独りよがりだったのかな…と感じるまで薄まってしまった。コシモは染まりきれなかったのかな。
アステカの文化について。
人の命がどんどんどんどん失われる笑
そこ時代の人口とか知らんけど、生贄として捧げられる命が多すぎやしないか…？しかも屠られるだけではなく腕を切られたり首を切られたり。骨まで活用。クレイジージャーニーで、亡くなった家族をミイラにして、何年かに一回日干し(？)するのに親戚が集まるみたいなの見たけどあれも中南米だったかな…？死生観が今とはまっっっっったく違った、ってことなんだろうね。いい悪いではなく。現代みたいな考え方する人はいなかったんだろうか？生贄なりたくないって人だっていたよね…？
ヴァイキング(戦って戦って殺しまくったものだけがヴァルハラに行ける)の時も思ったけど人の命を奪う、殺すことに価値を見出すって考え方はどうやってわいてきたのかなぁ？
そもそもキリスト教以前の土着の神様はみんな「残酷」な部分があるとは思うけど、人を殺すことは生きるための糧ではないもんね?「戦争」って行為が現れてからの思想なんだろうか？アイヌの文化だって熊さん育てて屠ったりするけど人��に対しては何かあった?
あと、トシュカトル？1人の少年が選ばれる。1年間豪華に遊び暮らすことが許される。一年後に生贄として捧げられる。これってどこかでもそういう祭なかった？1週間か一年か、長い祭をやって、最後に1人がみんなの罪を背負って目を潰されて街から追放されるっていうやつ…
アステカが…終始キョーレツすぎる。
え、最後どうやって終わるんだろう、バルミロが選ばれたのかと思っていたが、コシモだったのか？ここまでずーっとアステカ一色だったのに、ラストでコシモがテスカトリポカにならなかったことがとても良かった。不器用ながらも、パブロに恩を感じてナイフを置いていったのも。
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Ankの作者さん。買ってから気づいた笑
Ankがとても面白かったので期待大
、、、だったけど登場人物多いし、横文字、コードネーム多くて読むの大変だった、、
誰が誰？みたいな笑
アステカ神話がまあまあえぐいことはわかった。
あとコシモはとても純粋。
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メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人であるバルミロ・カサソラはライバルにカルテルを壊滅させ、復讐をすべくジャカルタに潜入する。そこで出会った日本人と心臓密売ビジネスを通じて復讐の準備をすることに。
導入から心臓の密売に行くまでの過程が面白かったが、いざ復讐かな、というところから彼が破滅するまでの過程が短かった。結局内部崩壊して終わっちゃうのか、と。キャラクターの深掘りやアステカ帝国の神話を絡めて語られているところなど魅力的な要素が多かった分少し残念だった。
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基本的に悪い人しか出てこない笑
Everyone犯罪者！
描写が非常に緻密で、自分も犯罪組織の一員になってるかのように錯覚してしまいます。
アステカ文明、アステカ神話のお話が沢山出てきて大変興味深かったです。
残酷描写や胸糞悪い描写も少なくなく、本から血の香りがする錯覚に陥っちゃいます。
読んでて明るい気持ちにはなれない作品です。そういう描写が苦手な人にはおすすめできないです。
また、中〜終盤にかけても新しい登場人物が出てきて「まだ人が出てくるの？」という気待ちになりました。
中盤あたりまでは描写が国内だったり国外だったり、色んな人が出てきたりする割には物語の進展は遅く、飽きてしまう流れではあるものの、この純粋悪だらけの作品がどう完結するか気になり読み進めると、後半あたりから一気に加速して「なるほどこうやって終わるのか…」と感心しました。ただ、収束の仕方もやや強引な感じは否めないかなーと思いました。
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舞台はメキシコ。麻薬密売人のお話です。
・ファミリアの崩壊
・逃亡
・インドネシアでの潜伏
・再起への企て
・日本へ移り新たなファミリアを作り始める
・殺し屋の育成
このあたりのストーリーが描写が細かく脳内で映像化しながら楽しませてもらいました。
非情な犯罪者バルミロを応援してしまっている自分がいたので、最後は残念でした。
メキシコまで行って欲しかった。
最高に面白かったです！大作です！
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今までなら決して手に取らなかったけれど、直木賞受賞作で面白いという声が多かったので、文庫で購入。
すごい世界観で残虐なシーンが多いのに、怖いもの見たさでページをめくる手が止められませんでした。
最後ちょっと救いがあって良かったです。
久々に大作を読みました。
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2025年 6冊目
読み切るまで2ヶ月もかかってしまった。本作は他にはない独特な世界観で、かなり刺激的な内容であったが、宗教のくだりがお腹いっぱいになり、何回か挫折してしまった。
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祝文庫化！2021年の直木賞受賞作品。作者はもちろん、この作品を直木賞に選んだ選考委員の勇気に感謝。暴力表現が過剰な割に乾いている。性描写が一切ないのも良い。
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西洋から見るエキゾチックというと禅や武士道、侍、天皇とか自分たちが自分たちは当事者。
そんな日本から見たエキゾチックが描かれているのが『テスカトリポカ』だった気がする。
馴染みのない異文化の迫力。
不気味でもあり恐ろしくもあるんじゃないかな？
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長かったが、圧倒的な読みごたえ。ラストはまさに息を呑む展開で、あっという間に読み終えた。
また、すごい量の参考文献から、この本の調査量が伺えた。
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文庫化するのを待ち望んでいました。
犯罪小説なので終始暗い雰囲気が漂いますが、ストーリーの壮大さ、面白さでぐいぐい引き込まれます。
登場人物が魅力的で、慎重さと大胆な行動力を持ち合わせるバルミロと、純粋なコシモがとても良かったです。
切なくも美しいラストシーンも必見です。
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描写やストーリーは秀逸だと思うけど、内容が残虐すぎて、描写が優れているだけにリアルに想像できてしまい、心のダメージが大きかった。
今の私にはとても読めそうにない。コシモの少年期あたりで、挫折。
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面白っ！！
まともな人間はほぼいない
当たり前のように人を殺し、殺され、そしてみんないけないお薬を常用している
なのに惹きつけられる
なんなら感情移入までしてしまう
ナチュラルに登場人物の視点が変わり、あれよあれよという間にお話が進む
気付けばもうクライマックス
読みたい、もっと読みたい……
途中までに比べて最後の方はあっさり目に感じてしまったので、もう1章分くらいかけてお話の結末をもっとじっくり読みたかったー！なんて思っちゃいました
自分の買った文庫の帯には宮部みゆき先生の言葉が載っていたのですが、これすごいなー
あと分冊商法とかされずに一冊にまとまってて本当に良かった！
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佐藤究『テスカトリポカ』角川文庫。
第62回江戸川乱歩賞受賞作の『QJKJQ』が余りにもつまらなく、それ以来、佐藤究の小説は全く読んでいない。従って、佐藤究の小説を読むのは本作が2作目になる。
第165回直木賞受賞作の圧倒的なクライムノベル。
冒頭からの展開はドン・ウインズロウの麻薬カルテル小説を読むかのような迫力に驚いた。これは船戸与一の冒険小説のような南米の香りのする小説かと期待したのだが、次第にその勢いと熱量は失せて行き、最後には日本人特有の感傷的な描写で幕を閉じるという何とも中途半端な小説だった。
やはり、佐藤究はドン・ウインズロウにも船戸与一にも成り切れなかったか……
メキシコの麻薬密売組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人女性と日本のヤクザの間に生まれたコシモこと土方小霜は、公的な教育を殆ど受けないまま育ち、ヤクザの父親とヤク中になった母親とを殺害し、少年院へと送られる。
メキシコで麻薬密売組織を牛耳るカサソラ四兄弟は組織間の抗争で三男のバルミロだけが生き残る。インドネシアのジャカルタに渡ったバルミロは、麻薬により身を持ち崩した日本人心臓外科医の末永満嗣と出会う。末永はインドネシアの闇社会でタナカと名乗り、臓器移植のコーディネーターを行っていたが、バルミロと手を組み、心臓密売ビジネスを立ち上げる。
末永と共に日本に渡ったバルミロは川崎で不良たちを集めてビジネスを軌道に乗せようとするが、やがてコシモと邂逅する。
本体価格1,080円
★★★★
