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書き出しが鮮烈でずっと読みたかった作品。
歯切れよく読みやすい文章にスラスラとページを捲る速度は高まっていくのに、オチがまったく読めずどこに辿り着くのかわからない読書体験が爽快だった。
七篇からなる短編集で一作品30ページほどなのでスキマ時間にサッと読めるのが嬉しい。
が、一度読みはじめたら多分止められなくなってしまうと思うので注意して欲しい。
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話によって好みは分かれようが、どれも濃厚で満足度が高く、切り口と持ち味の違う話でたいへんよかった。
個人的には一篇目が面白かったのがよかった。映画好きなら(さほどでも)だいぶニヤリと出来た。
ホラー感ありつつも、「落下」「代替」もすごくおもしろかった。
話によってはイマイチ突然終わった感、物足りなさがあるものもあったが、だらだら余計な理屈づけをしないクールさが良いという気もする。
初めて読んだ作家だったので、他の作品もよみたくなった。
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七編の短編集で、とても読みやすい
しかしヤバくて濃い話ばかり
#なんのはなしですか って付けたくなるような、訳が分からんかったりオチをぶん投げてるような、スッと終わってるような、でも端整で個性的で、新感覚な読み応えで面白すぎて動揺してしまう
舞城氏の作品はこれで3冊読みましたが、どれも好きいぃ~ってなってます
『奏雨』
残虐で悪質な犯罪が発生し、担当の刑事らしき人物が素人探偵に相談をする話
シチュエーションこそはミステリあるある感がありますが、思ってたんと違う方向にギアが入った瞬間にそうでなければ…!! とめっちゃ嬉しくなる
途中の映画トークもすごくいい
素人探偵の推理の中で、やや納得がいかない箇所があったのですが、そう? ってダブルミーニングを感じさせたくてわざとやってるんだろうか
『狙撃』
狙撃手、スナイパーの物語に萌えを感じる人間には、たまらない一編
銃の扱いや、何故当てられるのか、という描写が美味過ぎる
結末は何も説明せず、オチは投げたままに見えますが、語り手がそれに興味を持ってない、揺るぎない心の持ち主だからそれでいいのだってなります
『落下』
ほのぼのとしたホームドラマのようなシーンから、坂を転がり落ちるように不穏なホラーものに変わる…と思ったらさらにそこから二転三転する話
ほんとに書かれてるもののジャンルを特定できない作家さんだなあと思うのと、可愛い子供の描写が巧みなのと、仲良しのご家族が微笑ましいのと、お父さんが凄くおもしれー男だったのがすごく好きです
いわゆる日常の謎カテゴリのミステリの探偵役みたいな役回りをこなすお父さんなので、他の活躍を見てみたい…けど、舞城王太郎さんの作品ってシリーズものの作品はどうも無さそうですね
魅力的な登場人物がたくさんいるけど、その話だけに渾身の造形をする作家さんなんだな
『雷撃』
思春期の恋愛というか性欲の話かも知れない
あと異類婚姻譚(押しかけ)も混ざっている
それを混ぜるのが凄いけど、ええ感じに調和しています
あと、人間と無機物の恋愛(というか執着心)の話は性癖に刺さるのでごほうびでした
『代替』
この短編集の帯文に採用されていた書き出し
「ろくでもない人間がいる。お前である」から始まるグルーヴ感たっぷりの話
試しに音読してみたらめちゃくちゃ気持ち良かったので、Audible化に向いていると思う
『春嵐』
甲乙付けがたいけど、この短編集の中での最推しはこの作品です
作中でなかなかの大事件が起きる話なのですが、語り手は事件の回りで見守ったり小事の後始末をしたりする役回りで、なんも起きてない話だとも言える
そんなのが面白いなんて化かされている気分になるけど、ほんとに面白い
起きてることは、散歩と会話と嘔吐なのに どうなってんだろう
女の子の一人称が巧みな男性の作家さんと言えば? と先日に考えたのですが、舞城氏も推薦したいほど、この作品での女の子の語り口が素敵でした
(舞城氏は覆面作家さんだから性別は不明だが)
『縁起��
グロい、でも好きです
子どもを守るために奮闘する夫婦の話ですが、そんなことある? という異世界感がある
そしてお父さんが勝負強くてかっこいい
産道と彼岸が交わる場面は怖かったけど、あえてコミカライズしてほしい気もする 伊藤潤二さんなどに
ところで前に読んだ『短編五芒星』と同じく、話ごとにフォントが違ったんですが、やっぱりフォントフェチなんだろうか 気になりますね
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知人おすすめ作品
石の話
性格悪い話
花瓶の豚の話
がお気に入り
すすめてきた人にそれを伝えたら
まだ読んでないという。
なんやねん
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読み終わったときに、自然に「面白かった。」って言ってしまった。
パートナーさんの好きな作家さん。なんで今まで私が出会わなかったのか謎。スキ。
この短編は、読んでいて同じ人が書いたの?…みたいな不思議な感じになった。
スキ。
ホラーやSFベースで、絶妙なグロ加減。そして、ちょっと甘酸っぱい青い春よ。
なんだろ?
大人になる前の少年の危うさみたいのが、直接的に描写はされてないんだけど、そこかしこに匂わせているように感じるところが凄く好き。
ホラー、SF、グロだと思って読んでるんだけど、その中に感じる青春と恋愛。
とりあえず、パートナーさんの家にあるやつ全部借りたい。
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どのお話も濃くてとても面白かったです!
短編集はだいたい、好きなお話とそうでもないお話の差が激しかったのですが、この本はほんとに全部面白かったです。
特に「代替」と「縁起」が好きです。
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参った!SAWがダブルミーニングだったとは!SAWの感想を言う時、SO SO(まぁまぁ)なら小話として知ってたけど。
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面白かったー
初めて読む作家でした。
タイトル通り短編7編
『奏雨』
『狙撃』
『落下』
『雷撃』
『代替』
『春嵐』
『縁起』
今まで味わったことのない魅力がありました。
どの話もゾワゾワする所があり、それがそれぞれ異なる怖さなんですよね。
そんな気持ちがありながら何となく最後には微笑んでしまうような。
不思議な読後。
世界観が独特でした。
落下、代替がお気に入り。
でも奏雨のSAWもねー
ハッとする。
狙撃はジョジョを思い起こさせるし、縁起は感情が追い付かない。
雷撃も困惑させつつ、青春がある。
春嵐は普通っぽく見えちゃうのがこの小説の恐ろしいところだ。