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これは誰の物語だったのか、リゾート島での恋愛ゲームとそこで再会した「私」と「おまえ」二人の混迷を極めたルーツ(生い立ち)とのギャップに混乱したまま読み進め…ラストに向けてガツンと頭を殴られた気がします。
恋愛ゲームに参加する様々な人種、ジェンダーとセクシャリティについての認識や戦争と虐殺など様々な課題も孕んでいます。
世の中が、都合の良いように編集されている、ドラマも映画も番組も「物語」として見ている、そう見えるように「知らされている」そんな警鐘も聞こえる作品でした。
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主軸となるストーリーが掴めず、うまくストーリーに入り込めないまま終わったのかなと思いました。文単体やパーツとしての面白さはあるのだろうけど、個人的には好みではなかったかなと思います。
以下あらすじです。(特設サイトより引用)
「DTOPIA(デートピア)」2024シリーズの舞台は南太平洋の楽園、ボラ・ボラ島。白人女性“ミスユニバース”を巡って、Mr.L.A、Mr.ロンドン、Mr.東京ほか、各国・各都市を代表する総勢10名の男が競い合う。Date1からDate10まで、全10エピソードにわたるショーの撮影には40台近くのカメラが使用され、視聴者たちは、島の隅々から、あるいは、空中、水中を回遊しながら出演者たちを捕捉し、絶えず追跡し続ける。
主軸が恋愛リアリティショーなのかと思ったら、急に人種や差別の話に飛ぶので、正直困惑しました。あまり他の作家さんが書かないような世界観ではあるのですが、ストーリーの軸が分からないうえ、メッセージを詰め込みすぎてるのかなという印象も受けました。
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(2025年1月16日)デビュー作「ジャクソンひとり」の頃から、「近い内に芥川賞獲れる」と期待してましたが、本当に受賞して、一ファンとして嬉しく思います!!
(2月4日)読了。今まで以上に攻めて、煽ってますね。それ故、賛·否がバックリ割れそうですね。自分は好きです
Dystopia?
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過去二作と比べて扱うテーマが広がり、文章や人称の選択にも書き手の意識や緻密さを感じて小説として完成度が高いなとは思うのだけど、その分熱量や疾走感は抑えられ気味で『ジャクソンひとり』が好きな私にはやや物足りなかった。
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わたしには苦手な視点が変わっていくタイプ
恋愛リアリティショーだと思って読んでいくと、あれっ?何読んでるんだっけ?ってなります。
わたしには理解ができないけど、恐らく様々な問題がこの小説の中で語られているんだろうと思う。
ジェンダー、セクシャリティ、人種、出自に対する暴力、あらゆる欺瞞と印象操作に晒されながら、彼らがたどり着いた先とは――。
んー、わかりませんでした。
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これは・・・。
難しい。
あらすじを読んで、なんとなく想像していた内容とかなりかけ離れています。
好みがわかれそう。。。
えげつないものをえげつなく、そのまま書く。
なかなかできることではありません。
その直接的な表現が挑発的であり、メディアに対して問題提起しているようにも感じます。
読み解けなかったのはキース(Mr.東京)とモモのストーリー。
あれは、誰かのフィクションということでいいのだろうか??書かれている内容からして、リアルさはないので、そのように読み解きましたが、どうなんだろ??
この二人のストーリーもえげつない。。。
どうやって読む?というよりも、どこに目を向ければいいのかわからなかったです。
片方取ったというのは(詳しくは小説でご確認ください)、人間として不完全な状態(完全な男でもなく女でもなく)を表しているって事でいいのだろうか?
そう考えると、人間は場所が変わればみんな不完全な気がしてきました。
例えば、日本人が白人のコミュニティに入ったとしたら、白人でないというだけで不完全になってしまう。
その反対も然り。
そう考えると、今からの時代は、性別だけではなく、人種や国属、所属している組織、今まで人間をひとくくりにジャンル分けしてきたものが意味をなさなくなってきている気もします。
そこにこだわっていると、生きずらくなる気がする。
この小説は、そこに恋愛リアリティショーといった、エンタメをかけあわせて、メディアの在り方も問いています。
視聴者が面白おかしく見れるように、つぎはぎされた情報をどこまで真面目に見れるのか?
それにどれほどの時間をかけられるのか?
そんなことを問われている気がしました。
なんか、この話をまとめていたら、某県知事選を思い出してしまいました。
あれも報道の価値観が一転した出来事でしたね。。。
人がコントロールしている情報に踊らされているのに、それがさも正しいと錯覚してしまう。
恐ろしい事です。
何が事実なのか。
私たちはダダ洩れになっている情報から何を選び取るのかが重要になってくるのかもしれません。
150ページほどのボリュームで、社会的なテーマがいくつも描かれているため、内容を読み解くのは少し難しかったです。でも、自分なりに一つひとつ向き合いながら、思ったことを感想として書いてみました。
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今回も芥川賞候補作に選ばれた、安堂ホセさんの
作品を是非とも読みたくて、すぐに買って読みました。
過去2回の候補作もとても好きな作品だったのですが、今回の作品と比べてみると、難しい印象があったので、今作はとてもテーマ的にも、分かりやすいテーマだったと感じました。
タヒチが舞台の、恋愛リアリティショーに参加する男性10人が1人の女性を巡る大会が始まる。
国籍の違う男性たちのなかで、日本代表の気水は
ある女性とリアリティーショーで出会うのだ、過去にある出来事で会わなくなった、モモに‥‥。
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人種的マイノリティかつ性的マイノリティであるモモとキース。白人主義的(ではないかもしれませんが)なリアルタイムショーTVプログラム「デートピア」の中で再開します。
多様性の許容がある意味で必然強制となった昨今、そもそもマイノリティとマジョリティの境い目がグラデーションでよくわからなくなっている中、マイノリティ礼賛の内容なのかと感じました。若干のグロテスク描写を感じましたが、文脈としてどこまで必要か、私個人は理解できませんでした。
星2つです。
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昨冬(2024年)の芥川賞受賞作。なんとか最後まで読んだが、何を読んだのか理解できてない。私には難しすぎたわ・・・。やっぱ私には芥川賞は分からん世界や
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過去作から終始一貫したテーマを描く作者である。
今回は性的なマイノリティより、人種的な部分に強くスポットが当てられている。恋愛リアリティーショーの話から一転、過去の追跡に入っていく。取り扱うテーマがまさに現代的でなるほどとなる。芥川賞候補も頷ける。物語冒頭からルッキズム、関心領域など、たいへん興味深く読み進めるが、モモの登場あたりから、闇が纏わりつく。睾丸摘出、冷凍保存などちょっと気持ちが萎える。ただある意味、価値観を棍棒でぶっ叩かれる作品だと思う。
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2025.1.9 読了
恋愛リアリティショーの話かと思いきや、急に睾丸摘出の事や、裏社会、ウクライナ、パレスチナ、トランス差別などさまざまな問題が盛り込まれててて面白く読めたᵕ̈*
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2025.1.16追記
芥川賞受賞につきラジオで特集されていました。
読者はリアリティショーを見ているので「誰が誰とくっつくのかな?」と予想し始めるが、Mr.パリ、Mr.ロンドンなどの言い回しが出てくる時点で、すでに読者は自分がその名前に持つ印象でその人を想像している(消費している)とのこと。
作者はずっとマイノリティを取り上げてきている人。今作で初めて、登場人物の親が出てきた。より立体的に人の実像に踏み込んだ。
人称表現の工夫も光る。
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読後の私のレビュー(全く文学について、この作品の良さについて分かってなかったと1/16時点で反省中…涙)
なぜ購入するときに芥川賞候補の文字を見て何も思わなかったのか、1,700円以上払って呆然とした自分に問いたい。安直に、帯や本の紹介記事で「恋愛リアリティショーのゴタゴタや愛憎劇を見たい!面白そう!!」と思って手に取った人は(もし自分以外にもいるなら)ちょっとよく考えた方がいいと思う。もっと他の売り方、なかったの…?
この作品はネットや帯で「楽園の崩壊」とか、デートリアリティショーの闇みたいな感じで紹介されているけど、その話は本体の2割程度で、性的マイノリティ、アイデンティティのルーツを複数国に持つ人、戦争とかとにかくモザイク模様のように重いテーマが盛り込まれてて、決してエンターテイメントとして読める作品ではなかったです。
最初から分かってるならしっかり読んだけど、アホみたいな恋愛リアリティショーの話を期待していたアホな自分は最後まで読んで全くしっくりこなかった。もう1回、ちゃんと読みます。
恋愛リアリティショーの男性側の参加者の1人であるMr.東京ことキースと、そのキースと青春時代を過ごしたモモ、この2人の話の本です。8割は過去の話の本です。
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芥川賞受賞作品。デートピアとはリアリティ番組であり、一人の女性をめぐって多国籍の男たちが争うところを配信している。そんな舞台よりも、日本人をルーツとするキースとモモの生い立ちを通して、マイノリティに対する偏見や生きづらさなどを表現しているようだった。テレビでは放送できない描写が多いが、そんなタブーともいえることを小説ではきちんと表現し、それが強烈なインパクトを読者に与える。作中ではキースを「おまえ」と書いており、キースの言動が自分に投写されるので、没入感が大きい。とにかく、いろんな限界に挑戦したような作品でありながら、読みやすいのが良い。
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一般には、タヒチと呼ばれるボラ・ボラ島は六百万年前、死火山が沈んでできた島です。世界中の人々はみんな人間が嫌で、自然を独り占めするために島を訪れます。そしてそこを、まるで自分のための孤島かのように錯覚します。ここでは、いろんなものが錯覚を起こしあって、客のバカンス気分を盛り上げてくれるのでした。
そんなボラ・ボラ島の一画で、デートピア2024 タヒチ編が始まりました。
一人のヒロインのために集まったのは十人の男性。Mr.L.A、Mr.ロンドン、Mr.パリ、Mr.ミラノ、Mr.マドリード、Mr.シドニー、Mr.トロント、Mr.ドバイ、Mr.リオデジャネイロ、そしてMr.東京の井矢 汽水(いや きすい)(愛称 キース)です。
井矢 汽水(いや きすい)の顔は、超絶イケメンでもなく、一重瞼で、エラがはった顎を持つ「より日本人っぽい顔」です。でも、だからこそ、何かがあるはずという錯覚を起こさせるオーラを放っています。
優勝賞金は20万ドル。与えられたプレイの時間は毎日4時間。14時に現れるミスユニバースは18時まで、ビーチで好きな相手とデートして、男性たちをランク付けしていき、最終的に優勝者を決めるルール、のはずでした。ところが、ルールは開始直後に、ミスユニバースの行動で崩壊しました。
『私は時間を無駄にしたくない』『だから一回で試す。』とミスユニバースが言い放ち、初回にして、1人の女性と入れ替わっていく10人の男性との行為の映像が、ぼかしを入れられながら、流されることになったのでした。
1日目のランキングは、1位 Mr.トロント、2位 Mr.ミラノ、3位 Mr.ロンドンで、Mr.東京の井矢汽水(いや きすい)(キース)は7位というランク付けがなされました。ミスユニバースは『彼は可愛いけど』『過剰なサービス精神に』『病的なものを感じた』と評価しました。
10回完結のエピソード動画とは別に、今回のデートピア2024から「追跡(トラッキング)システム」というものが導入され、視聴者は自分の好きなキャラクターや、自分の主義主張の観点で動画を編集し共有しあうことが流行りました。そして、優勝者が決まって番組が完結してからも十人の人気が変動し続けるという不思議な状況を呈していました。
エピソードには視聴率が公開されますが、エピソード5がピンポイントで跳ね上がっていました。その回は、その前夜のミスユニバースと従業員のマルセルとの密会について取り上げられている回でした。その密会により、男性たちに魅力がないからとの判定から賞金が減額されてしまいます。
ミスユニバースは浮気の理由を『ここには黒人が一人もいない』からと説明します。『だっておかしいわ』『今2024年だよ』『人種比率は問題ないわけ?』などと。
その浮気相手の現地の人 マルセルは、以後、姿を見せなくなりますが、実は密会の後に何者かに暴行されていました。ホテルに口止めされていたため、告発には日数がかかりました。犯人探しが始まり、視聴者も様々な推理の投稿をし、疑いはMr.東京の井矢汽水に集中します。彼には窃盗の逮捕歴があったからです。
男性たちは、今度はミスユニバースを責めるようになり、排斥すら求めるようになります。ちょうどその回は敗退者を決める回であり、ミスユニバースは彼女を嘲ったMr.L.AとMr.トロントを敗退者に指名しました。敗退者にはルールを追加する権利が与えられていて、彼らはジェンダー・バランスの是正を提案し、15人のギャル・クルーズがデートピアにやって来ることになります。(ここで、モモ目線でギャル・クルーズのメンバーについての簡単な説明が入ります。抜粋すると「人数は15人。ポリネシア系が私を含めて12人。アフリカや地中海ルーツの子が5人。東アジア系が私を含めて3人。そして白人が2人。」合計人数が合わないでしょ。「私を含めて」が2回出てきますし。この意味は読み進めていくと分かると思います。わたし(みのり)自身のモノの見方のバイアスを突きつけられた箇所です。)
そのギャル・クルーズの中には、キースの幼なじみであるモモがいました。
ここから、キースとモモの関係や、キースがデートピアに参加するまでの軌跡が長く語られます。ここから作品の基調が大きく変わります。
デートピアでキースがモモに話しかける043ページから、125ページで場面がそこに戻るまでの83ページにわたり、キースとモモのことが書かれています。全体153ページのうちの約55%の分量です。
かいつまんで説明すると、キースが中学3年生でモモが中学2年生の時、キースはモモの左の睾丸を切除します。それはモモが男として成長したくないといったからでした。モモの本名は鈴木百之助でした。傷が化膿して病院へ駆け込んだことから、このことがふたりの親にばれてしまいます。モモは父親だけ、キースは母親と二人の姉だけの家庭です。モモの父親は日本人で母親はポリネシア系フランス人。キースも韓国人と日本人のハーフでした。
モモの父親は、モモを責め、キースの家に行きキースを責めます。そして、ふたりは以後会うことを禁じられたのでした。ふたりはその後も隠れて会ってはいましたが、ある日、キースが自宅を後にし、姿を消します。彼は、近くの公園のトイレに小児性愛の男性を誘い込み、身体を拘束して睾丸を片方摘出して、それを売っていたのでした。その後、キースはあるスタジオで雇われ、睾丸切除や尋問・拷問の仕事(?)をします。拷問の仕事が耐えられなくなって辞めた後、窃盗で逮捕されたのでした。そして、その後にデートピアに参加する機会が与えられます。キースの過去の話は、モモが、キースと一緒に働いていたファイヤードという男から聞き出した話として、モモ人称で語られています。
モモは、事件後は、思春期抑制剤が投与されることとなり男性化が止まります。そして2022年にポリネシアに来ていました。そこは、自分の国だと思える場所だったのです。
小説の場面は、デートピアに戻り、ミスユニバースがキースとラグーンで出会って友情を築くこと、暴行を受けたマルセルがモモをラグーンに連れていってくれ、4人でラグーンに埋まっている貴金属を掘るところなどが描かれます。
このシーンで語られるキースのある秘密や、マルセルが語ることなどが、この小説の肝であり、デートピアの最終結果にも繋がるのですが、ここはご自身でお読みいただきたく。
ハーフの人(わたしはダブル���いう言い方のほうが好きですが)だったり、トランスジェンダーだったり、植民地の先住民だったり、黒人だったり、テロだったりについて語られる小説です。
起こっている事件は一見グロテスクだったりしますが、事物や世の中の矛盾やいわゆる少数者を見つめる作者の目は澄んでいて真っすぐです。
デートピアの各回のエピソードは、実は時系列順ではなく各回が編集で作られたものであったとか、それを見る視聴者は優勝者が選ばれるという結論が出たあとでもキャラクターの評価をし続けるということとかが書かれていたのが新鮮でした。
それは、小説の最後の言葉にもあらわれています。
「11人とも島から帰って、やったことの意味だけが変動し続ける。私たち視聴者によって。」
歴史的事実や社会の状況がそうであると暗示しているような言葉に思えます。
これからもこの作者は、いろいろな題材を捉えて、新しい視点を提供してくれるのでしょう。
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文章が汚過ぎる。
高校生が書いたオナニーみたいな文字の羅列。
どうしてこんなものが評価されるのか。読書離れの加速は、こういった低俗な文章を評価してしまう「業界」にも一因があるように思う。
読む価値なし。駄作。