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各回が当時の様子なはずなのに、今の世相にも通じるものばかりで悪い意味で時代は巡るんだなと思った。
とはいえ自分で本を選んで読める時代、それはとても良い時代。
幸せな風景で終わったのにどこか寂しさを感じるのが弔堂だなぁ。
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いや、終わってしまった
なくなってしまうのか
でも龍典さんもきっと次のステージへ進むのですね
「仕組みは、整ったのです」
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年の瀬に読めて良かった1冊。
2024年の締めくくりに出会えて良かった、
読むのを来年に先延ばししなくて良かった…
個人的なコトにとても絡んできた各話のテーマ。
最後はやっぱりなんだかもの悲しい。
これは京極さん作品を読んで毎回思う。笑
スッキリするのに何処か寂しい感じ…
読書、これからも自分なりに楽しみます!
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子どもの頃からずっと本が好きで読書が趣味で生きてきた人間として、なんだか胸が熱くなる巻だった。当たり前のように本が読める環境にあったのは、先人たちの作り上げてくれたものがあったからなんだなぁと思って。偶々、「舟を編む」も読んだところだったから、今もなお、たゆまぬ努力をしてる人がいると思うとさらにありがたく思える。
自分も一生、本に関わって生きていきたいなぁ。
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完結。世相のためか弔堂も桃源郷ではなくなってしまった。時は進み、様相は変わり、人も変わる。弔堂が閉じたように、そして新しいものが生まれていく、過去を引き継ぎながら、過去を振り超えながら。
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シリーズ第四弾。
古今東西の書物が集う、“書物の墓場”〈書楼弔堂〉を巡る“探書”譚、連作六話が収録されております。
朝(破曉)→昼(炎昼)→夕(待宵)を経て、ついに夜(霜夜)という事で、お気に入りだったこのシリーズも本作で完結との事で寂しい限りですね・・。
本巻は、信州から上京して〈印刷造本改良会〉という会社で活字の創作をしている甲野さんを主役として、彼が各話で〈弔堂〉を訪れるたびに遭遇する、歴史上の人物と〈弔堂〉主人との問答を通して、自身が作る「活字」というものに向き合っていく流れなのですが、とりわけ「出版」に関する談義が多かったこともあって、本好き・・いえ、本が"大好き"な私としては非常に興味深く読ませて頂きました。
本そのものが希少だった時代から、市井に書物が広がりだし、活字・印刷・製本技術や流通の発展によって本が手に取りやすくなり読書人口も増えてきて・・という本を巡るあらゆる繋がりを思うと、今自分が気軽に読書を楽しめている環境に、先人たちの貢献があったのだなぁ・・と感謝が湧いてきますね。
登場したお歴々も、夏目漱石をはじめ、金田一京助、牧野富太郎・・等々豪華でしたし、シリーズ一作目に登場の高遠さんをはじめ、各巻の主役の皆さまも登場するという、まさにフィナーレに相応しい内容でございました。
因みに、キャラということでは、甲野さんの下宿の"元浪花節語り"の親爺さんがいい味出ていて、個人的に好きでしたね。
(京極さんの文体って、歯切れのいい江戸弁と相性バッチリだと思うんです~)
という訳で、本好きなら一度は訪れてみたい〈書楼弔堂〉という、夢の書物蔵(ご主人は"墓場"というておりますが)を舞台とした「深イイ話」を堪能させて頂きました。
またいつか、〈弔堂〉の主・龍典さんや、撓(しほる)くんに再会できたらよいな・・と思いつつ本書を閉じた次第です・・今までありがとうございました。
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時代劇みたいにストーリーのパターンがあるので安心して読めます。今後のマンネリ化は否めないのでちょうど良い塩梅でシリーズ終了できて良かった。途中の本にまつわる蘊蓄が好きです。
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書楼弔堂の作品は今回初めての読書だ。予想通り京極さんの作風であった!これは感想とは違うが、独特な漢字の使い方は彼独特である。戦後登用漢字で育った小生はそれ以前の使い方などは古い書物にあった覚えがあるが懐かしく感じた!
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ストーリーとしても面白かったのに加えて、明治期の製本における様々な苦労・工夫(活字の事、紙の事など)についても、垣間見る事が出来て良かった。読書する時にいちいち気にはしてないけど、活字の漢字の横棒一本一本に拘っていた人がかつて実際にいたんだろうと思うと、凄い事だと思う(気にせず読書できるような字体こそが活字としては理想的なんだろうから、それでいいんだろうと思うが)。本の形態・普及の形式も、今後変わっていくのかもしれないけど、紙の本も残っていて欲しいと思った。
今回で書楼弔堂のシリーズが完結。時間があればまた破暁から読み返したいとも思うけど、1冊がそれなりなボリュームでもあるから、実際むずかしいのだろう。
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本 本 本 本 本 本 本 本 本 本
言葉 言葉 言葉 言葉 言葉 言葉 言葉
人がいて
言葉ができて
文字ができた
紙ができて
墨と筆ができた
そして本があらわれた
今 言葉は 電子の波に 揺蕩い始めている
「本」の形か好きなのだけれど
紙は、本は、言葉は、どこへいくのだろう
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各巻の語り部総出演でもあり、好きなシリーズだったので少し寂しくもあるが、結びには満足してる。相変わらず各話のテーマ選定が刺さる。
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今年は京極夏彦さんの新刊が多く、『巷説百物語』シリーズが完結を迎えたが、年の瀬になって『書楼弔堂』シリーズの第4作にして完結編が届けられた。
2013年刊行のシリーズ第1作『破暁』では、時代は明治に入ったばかりだったが、前作『待宵』では明治30年代後半だった。本作『霜夜』では明治41年とあるから前作と近い。シリーズの総決算でもあり、前作の続きでもある。
最後の語り部を務めるのは、長野から上京してきた青年。出版に関わる仕事、具体的には文字のデザインをしているようだ。彼が用事で弔堂を訪れると、いつも先客がいて、というのが今回のパターンだが、いい意味で裏切られた完結編と言える。
明治41年になると、印刷技術が進み、本や新聞の大量生産が可能になっていた。より多くの人が活字を手に取れるようになった一方、本というものの希少価値が低下した面もある。そんな時代の変化に、弔堂も無縁ではいられなかった。
今回も実在の人物が登場するものの、歴史上の偉人というより(偉人ではあるが)、出版界や活字文化、読書文化に寄与した人物が多い。こうした先人や名もなき職人たちの当時の尽力により、現代を生きる我々一般読者は、本を読める。
自らを田舎者と卑下する語り部の青年だが、彼が手掛けるのは立派な仕事だし、電子書籍が普及している現代でも、文字の読みやすさの重要性は変わらない。むしろ、重要性が増している。弔堂の主人が彼に送ったメッセージとは。
前作まで、富国強兵に向かう時流を示唆する描写が目についたが、本作ではそうした空気は極力排除されているように思う。出版業界の進歩に伴う本というものの役割の変化にスポットを当てているのは、シリーズ完結に相応しいかもしれない。
過去の語り部たちが再登場しているのはご愛敬。彼らも必死に明治の世を生きてきた。いずれ時代は戦時下に向かい、政府は出版界を含むメディアを占拠していく。弔堂の主人や青年たちが、どのように生き抜いたのか、想像するしかない。
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CL 2024.12.14-2024.12.17
書楼弔堂の4巻目にして最終巻。
明治40年頃の、時代が大きく動いていく頃が舞台。
本や出版や紙やにまつわる話はデジタルへと舵を切る今の時代と重なって、いろいろ考えさせられる。
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書楼弔堂シリーズの最終巻。今回は本の内容ではなく、本を形作る要素である活字や紙の質などについてと出版業界や図書館の曙の話でした。どんな時代も時代が移り変わる時には変化があり、それをどう受け入れるのか、拒絶するのか、まさしく今この時、現代をも反映されている内容でいつの時代も人は変わら(変われ)ないのか考えさせられました。巷説百物語シリーズもこのシリーズも終わってしまって、それこそその流れについて行けずに悲しみの中に取り残された人がここにいます…。
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「書楼弔堂」シリーズ完結。明治の終わり、さまざまなものが発展し、その陰で消えていくものがある。否応なく訪れる時代の変化の中で、弔堂はどのような道を選択するのか。そして弔堂に関わった人たちの行く末もまたどのようなものなのか。少しの寂寥感と共に読み終えました。
活字を作るための字を書く仕事をする甲野を中心に描かれる物語は、当時の出版界における世相を強く映し出していると感じました。現代からすると当たり前のことなのだけれど、このようにいたるところに本があふれている世の中って、当時ではなかなかに異様なことだったのかも。人を追い越すような便利が増えるのかどうか、ということが語られているけれど、この便利は大歓迎です。ただし「永世」で危惧されていることもまた実際にあるのですが。恐ろしきかな、絶版。
今作も並みいる著名人の登場にわくわくしますが、それ以上に本好きの心に刺さる名言が多いです。「読みたい時に読みたいものが読める」のが大事なので読まなくても好いとか、いつか読みたいと思って棚に差しておくだけでも読書だとか、積読を溜め込んでいる人間にとって免罪符のようなお言葉(笑)。