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最近流行りのモキュメンタリーホラー小説と思って読み始めたら甘かった。
心の中というか作者の頭の中をがんがん覗くイメージの作品でした。
神視点としての顔の怪異が読者?として存在する世界を作者が構築していく物語として読んだけど、それが正しいのかどうか分からない。
一冊だけ小説を出した売れない作家の八方鈴斗が起死回生に選んだプロットが、出版社で禁忌とされている内容で担当編集者から扱えないと断られるがせっかく集めた資料を棄てることは出来ず、友人で売れっ子作家のKに相談して見せることから物語の形の怪異が動き始める。
物語に執着した作家と怪異、そして世界はすべて決められているというキリスト教の予定説ような世界観、作家の物語を作り出すための考察などが繰り返される感じも、かなり読み手を選ぶかもしれない。
でもこの面白さがわかった時に達成感を感じる作品だと思う。
主人公の売れっ子作家Kに対する気持ちとか、Kが主人公へとメールを送ってくるところ、作っていたはずの物語が神視点の怪異への挑戦状に変わるところなどお気に入りポイントもたくさんあって読後感は達成感という感じだった。
怪異のはなしを集めるって本当にリスク高いのかもだけど、作り出すのももしかしたらとは思わずにはいられない。
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最近流行りのモキュメンタリー。集められてくる情報の時系列と登場人物の一致に苦労したが、うまく1つの物語として最後まで読めた。過去の情報と現在の事件が繋がっている事に気がついた時は楽しかったが、落ちがわかりづらく残念だった。3.4
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約320頁程度。
ホラー小説を執筆しようとする作者がその取材過程で知ることとなった怪異について記した一冊。入れ子を創造することができない僕にはこれが精一杯の対策。どうか何もなければいいが…。
それはそうと面白かった。
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背骨がリングに似ている
拡散とか
下位世界とか
細かい情報があとできれいに繋がっていくところはお見事
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流行りのモキュメンタリーものホラー、と思わせて後半から物語が怪しい方向に進みだし、着地点がまさかの〇〇(ネタバレ避け)というとんでもない作品でした。
確かに中盤までは近年よくある感じのホラー作品の手触りなのに、作者が語る事を利用して読み手の認識を揺らがせたり、某超有名作のような構造、○極○彦作品のような文章がところどころあったりして、著者のホラー愛が感じられてとても良かったです。
また作者の友人で成功した作家であるKに対する憧れと嫉妬と対抗心が入り混じった感情を、ねっとりと表現されているあたりも生々しくて好きでした。
ただここまでの作品作ると次作はどうなるのかなといらない心配を持ったりしてしまいますが、楽しみに待たせてもらいます。
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「怖いけど怖すぎないの読みたいな~」と思って図書館ウロウロしてたらオススメコーナーに置かれてたので借りて読んだ!
パラパラ~って読んだときに掲示板とかTwitterっぽい描写があって「へぇ~」って思ってたけど、なるほどカクヨムのやつなのね!カクヨムってあれだよね、近畿地方の~のやつだよね。あれネットで読んだけどおもしろかったからカクヨムシリーズのホラー嬉しい。
怖すぎないのがいいな~と思ったけど普通に怖かった!!嫌になっちゃった!!
でもなんか途中で恋愛描写的なのあってテンション上がった
怖くなりすぎないようにという配慮なのかもしれないし、人間関係を描きたかったのかもしれない。分からん。
やだなー!!夜中に読むんじゃなかったー!!こわーーー!!!
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【ネタバレあり】
いつか凄まじい作品を作りたいという野望を持つ新人作家の「私」がネタ集めをする過程で一見何の関係もない事件の当事者たちが「顔の怪異」に遭遇していたという共通点を発見する。それをテーマに作品を書こうと担当者に掛け合ったところ、出版社の「禁忌題目」に当たるということで却下されるが、諦めきれない私はいつしか「顔の怪異」に取り込まれていく…
今まで読んだカクヨム発のホラー作品が、バラバラの事象からとある共通点を発見して、それに取り憑かれてしまい、怪異を拡散させるためにこの本を書きました、あなた読んじゃいましたね??みたいなオチのばっかりでさすがに食傷。
人類は皆顔の怪異に操られてその人生を演じているだけで、またその顔の怪異もさらに大きな存在に操られており、またその存在も…と谷山浩子のそっくりハウスを思い出した。あの歌は怖い。
関係ないけど途中まで「私」を男性だと思って読んでたんだけど、女性だったっぽい。
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面白い。モキュメンタリーとしての完成度が高い。かつ、後半の怪異のシミュレーション仮説的解釈も非常にユニークであり、その怪異に対して自由意志と想像力で抗うという展開もアツい。SNSやAIアルゴリズムや承認欲求の操り人形になっている人が多い現在にしみる面白い作品。