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侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運
著者 吉川忠夫
激動の中国南北朝時代を独創的に描出した名著、ここに再誕
南朝梁の武帝のながきにわたる治世の末に起こり、江南貴族社会を極度の荒廃に陥れることとなった侯景の乱を活写した「南風競わず」。
東魏に使いしたまま長年江南に帰還するを得ず、陳朝の勃興に至る南朝の黄昏に立ち会う生涯を送った一貴族を描く「徐陵」。
そして、西魏・北周・隋の三代にわたり、北朝の傀儡政権として存続した後梁王朝を論じる「後梁春秋」。
これら原本収録の三篇に加え、侯景の乱を遡ること一世紀余、劉宋の治世下で惹起した『後漢書』編者・范曄の「解すべからざる」謀反の背景に迫った「史家范曄の謀反」をあらたに採録。
侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運
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侯景の乱始末記 南朝貴族社会の命運
2024/04/13 18:51
南朝をぶっ壊した男の物語と後日談
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
それなりに均衡が取れていた魏晋南北朝に終止符を打つきっかけになった侯景の乱と後梁を取り上げた一般書は他にないのでは?侯景が名乗った称号のおかげでカルト的な人気?が出たようだが侯景の乱が南朝に与えた影響に比べると「黄巾の乱で漢民族は絶滅した!」という「満鮮史家」の珍説に従うのが馬鹿馬鹿しく思える。
侯景の乱でガタガタになった梁から生まれた後梁は皇帝を号し独自の年号や文武百官を擁していた満洲国に似ていて北朝の対南朝政策で存続していた傀儡政権に過ぎないようでいて六朝文化を後世に伝えただけに、それなりには存在感はあったようだ。後梁の帝室は侯景の乱と後始末で自壊した梁の帝室で北朝に擁立されて傀儡政権に従った一族でも陳が崩壊してからも人心を集めるだけの存在感もあったので靖康の変で金が擁立した傀儡政権や日本軍占領下の諸政権の関係者ほどは忌み嫌われた存在でもなかったようだ。
後漢書の著書の范嘩の謀反も色々と事情があるようだ。しかし皇帝に反逆した人物の著書が隠滅されて名のみ伝わる存在にはならなかったものだ。
元々中公新書で刊行されたで読みやすい文体だ。
侯景の乱始末記 南朝貴族社会の命運
2023/08/03 22:28
南朝の悲哀
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国南北朝時代に翻弄された南朝の人々が学術書でありながらいきいきと描写されていて大変読みやすく面白かった。