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ゼロ打ち
著者 相場英雄
「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
ゼロ打ち
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ゼロ打ち
2024/02/28 16:27
社会派エンタメ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
突然の解散で選挙報道センターに駆り出された社会部記者と、新人候補の応援に駆り出された議員秘書。いつもとは少し違う畑で大きな組織の一つの駒として、いつしか傀儡されていく。政治、メディア、警察…権力の闇を描いた社会派エンターテインメント。
タイトルの「ゼロ打ち」の意味すら知らない素人には難しいかと思ったが、政治部ではない片山記者に向けて然りげ無い説明が入り、わかり易くて良かった。
メディアの矜持をかけたテレビ局と新聞社の争い、政治と金銭問題、それぞれの思惑が絶妙に重なりながら拗れていく巧みな展開。しかし、すべてを綺麗に纏めて終わらせない所にリアリティが感じられた。
タイムリーな問題も多く、特にメディアのあり方に強い疑問を抱いた。何のための報道なのか、今一度、あらゆる情報との関わり方を考えてみようと思った。