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9件
ぼっけえ、きょうてえ
著者 岩井志麻子
「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
ぼっけえ、きょうてえ
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ぼっけえ、きょうてえ
2009/07/21 14:57
不気味な情景描写に魅せられる
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱやぴす - この投稿者のレビュー一覧を見る
他の小説にはない独自のスタイルと不気味さに引き込まれて一気読み。
日常に潜む情念や怨念が狂気となって迫ってくるような感覚に魅了される。
ぼっけえ、きょうてえ
2005/02/14 20:37
岩井節炸裂。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:戸隠かれん - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語は、遊女の一人語りの口調で描かれていて、
姿は出てこないがもう一人、話を聞いている客がいる設定。
語り口調なので雰囲気がある。
草木も眠る丑三つ時(とまではいかんだろうが)…
静まりかえったほのぐらい部屋。
ぼんやり灯った灯篭の、明かりに浮ぶ遊女とその客。
ぽつりぽつりと身の上を、語る遊女のなまめかしくも恐ろしい影。
その様子を隅の“ついたて”からそっと覗いているような、
そんな感じ。
この本は、表題作のほか、三つの短編が収録されている。
有名な『ぼっけえ、きょうてえ』は先に触れた通りだが、
そのほかの話も負けず劣らず、素晴らしい。
雰囲気は抜群で、文章のセンスも良い。
そして何より、風情がある。
読み進めていけばいくほど、目の前に物語の情景が広がってくるのは、
著者.岩井志麻子の繰る文の美しさによるものだからだと思う。
あと、この表紙がいい。
この『横櫛』という絵の遊女だか、花魁だか、
それとも普通の女であるのか、そうでないのか。
妖しい笑みを浮かべた顔色の悪い女のイメージがそのまんま、
物語に登場してくるようで、薄気味悪ぃ(笑)。
話自体よくできていて、
この絵を彷彿とさせるものがあったからこその装丁だろうが、
それ以上に、この絵の生み出す恐怖の効果は大きい。
絵を見るだけで、この本を読む価値アリ。
とまで言えるのではないかと思う。
『ぼっけえきょうてえ』は。
岡山弁で『すごく、怖い』という意味とある。
これが誰の台詞なのかは、読んでのおたのしみ。
ちなみに。
長崎田舎出身の戸隠に言わせれば、
『ばり、おとろしか』
と、なるのである。
2019/07/06 11:14
懐かしい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
忘れていた岡山弁が随所に現れる。
幼いころを思い出しました。