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花夜叉
著者 山藍紫姫子
能の名門藤代流の若き後継者・篠芙。神懸かった舞の才能と、たぐい稀なる美貌を持つ彼は、稚い頃より、観月の四長老にその身を捧げ、一度廃絶した藤代流を復興させるための贄となってきた。だが、藤代は異母弟の明煌が襲ぐことになり、篠芙の運命は大きく変わってゆく。男たちに弄ばれ、支配されてきた篠芙が、華麗なる舞の裡に秘めた想いとは――。狂おしい官能の美を描いた至極の愛の物語。
花夜叉
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2015/08/30 18:21
登場人物たちの思いが交錯
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみか - この投稿者のレビュー一覧を見る
エロの好みは、ホント、人それぞれですが、もし「このあと一生、一冊しかエロい本を読めないから何か選べ」と言われたら、私はこの『花夜叉』にします。
エロもところどころ「いや、それ無理でしょう....」っていうくらい、壮絶なんですが、登場人物たちが心を抉るような出来事やセリフでどんどん追い込まれ、オチもダーク。あぁ山藍先生、なんという恐ろしい方。
けれど、「人の命よりも、芸術を絶やさぬように継いでいく」ために、すべての人が動き、すべてを受け入れていくという、有難く美しい話でした。
賛否両論ある本だとは思いますが、コミックス1冊分の値段で、これだけの奥深い物語を味わえるのだから、迷ったら一度読んでみることをお勧めします。個人的には、山藍作品の中で一番です。
花夜叉
2016/03/22 21:36
名作
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
能の世界を舞台にした切なく激しい官能の物語。目を背けてしまいたいほどに不遇な境遇にある篠夫。あまりの痛ましさに間に甘い少女漫画を挟んで読み終えました。続編があるとのことですが、絶版...本書の救いのない篠夫のやりきれない気持ちが宙ぶらりんになったままで続編も手に出来ないとは...二重の意味で辛い。