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大学破綻 ――合併、身売り、倒産の内幕
著者 諸星裕
大学淘汰が加速する2010年代、活路はどこにあるのか? 日米の大学経営実態を知り尽くした著者が、大学危機の裏側と再生の道を語り尽くす。「偏差値40以上お断り」と言い切れる大学が強い、など大胆な提言。
大学破綻 ――合併、身売り、倒産の内幕
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2010/10/29 02:20
大学破綻の危機感が大学教育を改善する !?
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
少子化がすすむなかで,おおくの大学が定員割れして,いきのこりをかけた競争がおこっている. 著者は実名をあげて日本の大学がかかえる具体的な短所や長所を指摘し,問題解決のための案をしめしている. とくに重要な指摘は,これまで大学は 「研究機関」 という面が強調されてきたが,「教育機関」 という面が重視されるべきだ,つまり大学教授は教育のプロでなければならないということだろう.
少子化がとまらなければ大学が淘汰されるのはさけられないだろう. しかし,著者が指摘するように大学教育が改善されていけば,日本の将来はよりあかるいものになるのではないだろうか.
2016/12/10 10:37
大学の役割
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学がそもそも何のためにあるのか。この点について著者は学生の教育というものが最大の役割であり、学生をどのように成長させるかというミッションが必要であると説く。
確かに、研究や高度な学問的学習を行える大学は一部の高レベルなところだけであろう。それは現状において、大学が乱立しすぎ、低レベルな学生しか集められない大学が多くなったからだ。しかしそもそもそのような人たちは大学に行くべきなのか。その点疑問に感じる。
また理系的な学問(主に工学や医療分野など)は社会的需要があるため、たしかにそこでの授業、その中身に価値があるだろう。しかし文系の学問の多くは社会的需要がそれほど無いのではないか。だからこそ、企業も理系については、直接その研究テーマを選考の要素としているが、文系については学問についてほとんど触れず、サークルやアルバイト経験などばかり選考の要素としているのだろう。
そうすると本書で述べているように、授業の価値を高めようという考えがそもそも実現困難なのではないか。いくら高品質な教育、授業を提供しようとしても、そこに社会的需要がなければ、それは価値をもたないだろう。そうすると文系大学の存在意義はなんなのだろうかとなってしまう。