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誰もいない夜に咲く
著者 著者:桜木紫乃
親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは――。(「波に咲く」)寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。
誰もいない夜に咲く
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紙の本誰もいない夜に咲く
2019/09/19 22:25
幸せでない話は、寒い土地に似合うのか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は北海道出身で、その小説の舞台は主に北海道だ。「蛇行する月」では東京に駆け落ちした釧路の高校時代の同級生と関わることになる女性が主人公だったし、「ホテルローヤル」も釧路にあるラブホテルが舞台だった。この作品も北海道に生活するどちらかというとあまり恵まれた生活を送ってるとは言えない人々を主人公にしている短編集だ。嫁の来てがなく中国人と結婚した男「波に咲く」、真面目に働いた投げなしの金で女を買う「海へ」、三角関係から殺人事件への進展する「プリズム」、家出したままだった姉の遺骨を持った男が現れる「風の女」など、どれも幸せとはとても言えない人々に焦点を合わせている。これが奥田英朗の「サウスバウンド」のように舞台が沖縄なら同じ状況でも主人公たちは明るく生きていけるのだろうけれど
電子書籍誰もいない夜に咲く
2017/03/13 19:04
雰囲気がとても好き
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗くてどよどよしてていいな。こういう雰囲気大好き。北海道、本当は違うのかもしれないけれど、このどよどよイメージにぴったり。人は北へ逃亡するというけれど、後ろめたさや弱さを抱えている人を呼び寄せる力があるんだろう。けど、そこで溺れさすだけじゃなくて試練与えながらも応援しているんだよね。一緒にやってくっぺ。みたいな。どの主人公も過去にちょっぴり引きずられててさ、煮え切らない自分に嫌気がさしててさ。東京だったら簡単に潰れてゴミのようになっちゃうかもしれないけど、北の大地は支えてくれるんだよね。ある意味楽園だね。
紙の本誰もいない夜に咲く
2016/02/13 20:58
良質の文庫本
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どりーむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜木紫乃ファンなら必読の本。