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円環少女
〈円環大系〉と呼ばれる魔法を使い、100人の魔導師を倒す運命を負った少女メイゼルの前に現れた、音を操る〈神音大系〉の騎士。メイゼルを排除しようとする彼らの狙いとは!? 魔導師たちの過酷な戦いが始まる!
円環少女 13荒れ野の楽園
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円環少女 13 荒れ野の楽園
2015/09/10 12:48
円環の未来
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
十万年先の未来、再演大系となった世界で、人類は遥か銀河に進出し繁栄を極めていた。開門の始祖の直系である大審問官は、再演の神が降臨した開門の始祖の時代に改変圧力をかけ、再演世界の安定化を図ろうとする。
一方、人々が魔法消去の能力を失くし始めた世界では、魔法使いたちが堂々と謀略を繰り広げていた。再演魔導師となった武原舞花を使い、聖騎士将軍アンゼロッタ・ユーディナ指揮下の機械化聖騎士師団は、未来からの改変が常に優位に立つという再演法則を最大限に活用するため、未来からの再演魔導師の誘導に従い、人間が一人もいなくなる未来に≪増幅器≫を設置しようとしていた。
その作戦を阻止するため、再演魔導師である倉本きずなを作戦の軸とし、武原舞花の抹殺に動く武原仁と鴉木メイゼルたち。彼女たちは自身の未来を取り戻すことが出来るのか、あるいは…?
一発再逆転があるのか、どんな落とし所を見つけるのか、最後までよく分からなかったけれど、そういうところにたどり着くんだ~という感じだった。
ひとたび神が現出してしまえば、それがなかった時代には完全に戻れないというところは、文明の発展と似ているところもある。核兵器なんてその最たるものじゃなかろうか。そう考えると、この物語の中で核兵器は、科学世界の神として扱われていたのかもしれないな、と思った。
倉本きずな、鴉木メイゼル、十崎京香、武原仁の関係の落ち着く先と、中盤での再演魔導師の≪運命の化身≫の凄まじい能力が、最終巻にふさわしい。
円環少女 12 真なる悪鬼
2015/09/10 12:46
神が見守る幸福
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
倉本きずなが武原舞花を再演大系の魔導師としたことで、未来の再演魔導師が望む通りに再演大系の神が降臨した。全ての魔導師は再演大系の操作の影におびえ、武原舞花を擁する神聖騎士団が事態をリードすることとなった。
その影には、≪悪鬼≫の魔法消去の能力が低下していることもある。魔法消去は、≪蛇の女王≫≪魔獣使い≫≪破壊≫と共に、カオティックファクターのひとつだったのだ。ゆえに、再演大系の神の降臨により選択がなされた結果、他のカオティックファクターはその力を大幅に減じていた。
未来の再演魔導師からの操作を恐れ、≪幻影城≫に閉じこもる倉本きずな。武原仁は、≪九位≫の身柄を材料にアトランチスのハウゼン・O・ジモリーこと王子護ハウゼンと交渉し、彼の情報と資金を利用して事態の打開を図ろうとしていた。
でも、どれだけ切羽詰まった状況になっても、おっぱいと寒川紀子の調教は不滅。ここから見ても、彼らが身内を中心に世界を考えていることが分かろうというもの。もはや空間だけではなく、時間すらも超えて操作される状況だというのにね。その辺の差異を補うために、十崎京香という官僚がいるのだろう。
円環少女 11 新世界の門
2015/09/10 12:44
魔法使いの地獄
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
≪九位≫グラフェーラ・トリアが仕掛けて来た全面核戦争の危機と、王子護ハウゼンが仕掛けて来たアトランチス人でっち上げによる魔法の周知という策略の二つに対応するため、魔法使いの世界と悪鬼の政府は呉越同舟の複雑な絡み合いを見せる様になった。その混乱の中で、警察機構の中に組み込まれた十崎京香は、≪公館≫の論理を保持したままで研ぎ澄ます。
再演大系の魔法使いにして“普通”の女子高生・倉本きずなは、彼女の身柄を狙う神聖騎士団が米国を通じて日本政府に働きかけた関係上、≪公館≫からも追われる立場になってしまった。魔法使いとして強力であることを知った武原仁は、彼女にライフル銃を渡し、敵を撃つようにいう。
≪九位≫と鴉木メイゼルの闘争も描かれるのだが、今回の中心は“普通”の女子高生・倉本きずなの転落と絶望だろう。魔法使いとしての力に目覚め、ゆえに武原仁に突き放され、敵を殺さなければ殺されるという、正真正銘の“地獄”に落とされる。そこで掴んだかに見えた希望も、さらに彼女を突き落とす結果にしかならない。既に地獄の底にいるメイゼルの戦いとは対極にある様相だ。
ここは真の終着なのか、あるいは“普通”を取り戻せるときが来るのか、それはこれからの展開にかかっている。