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8件
疾走
著者 重松 清
広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。教会に顔をだしながら陸上に励むシュウジ。が、町に一大リゾートの開発計画が持ち上がり、優秀だったはずの兄が犯したある犯罪をきっかけに、シュウジ一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる……。十五歳の少年が背負った苛烈な運命を描く奇跡の衝撃作!
疾走(下)
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2024/07/29 11:40
良い本です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時は特別幸せだとも思っていなかった過去が、どうしても帰りたいのにどうしても帰れないものになってしまいます。悲しさと感動の両方で泣けるラストが好きです。
2024/07/29 11:35
良い本です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
何度読んでも重松清がこんな暴力的な文章を書くことが新鮮です。初めて読んだ中学生か高校生くらいの時はシュウジの背負ってる人生が辛すぎて、それに比べたら自分はなんと恵まれてるんだろうと自分の人生をポジティブに捉えれるようになった思い出深い作品です。
疾走 上
2008/09/15 10:32
加害者を見る角度
11人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
疾走 重松清 角川文庫
私とこの作家は経験と発想が似ています。この内容で私も物語を書きたいと思っていたことがあります。そこに興味をもちこの本を読んでみることにしました。冒頭から続く思い出話の設定。誰かが説明をしているのですが、それが誰なのかはまだわかりません。兄なのか父なのか。読み終えたときそれがそのいずれでもないことがわかりました。 ただいま70ページ付近。物語が暗い。文章で情景を表しだす力が足りない。風景シーンは不要ではないかとさえ感じます。また、設定も不自然で苦しい。主人公中学生男子は、現実には本のなかのような行動はできないし、発言もありえません。暖かい家族の和がテーマとなっています。父が父らしく、母が母らしく、兄が兄らしく生きていけば、不幸は起こらなかった。人は弱い、弱さを克服して強くならなければ不幸が襲ってくる。
あたりまえのテーマを定める。そこが物語作りのきっかけ。登場人物をイメージして、人物に弱さをふりかけていく。いろいろないじめや残虐シーンがこと細かく羅列されていましたが違うと思う。私はこの素材を別の角度から静かに考えました。