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「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~
著者 小川さやか
私たちはしばしば「働かない」ことに憧れながらも、成果を追い求め、今を犠牲にしてゴールを目指す。しかし世界には、そうした成果主義や資本主義とは異なる価値観で人びとが豊かに生きる社会がたくさんある。「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済圏……。彼らの生き残り戦略から、働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。
「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~
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「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済
2023/07/21 09:37
その日暮らし、に惹かれて
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ズバリ「その日暮らし」というフレーズに惹かれました。
ピンときました。
究極の「その日暮らし」を探して、
著者の小川さんは海外のあちこちへ出かけます。
そのうちの一つ、アマゾンの奥地住む狩猟採集民ピダハンのエピソードが特に印象的でした。
ちょっと引いてみますね。
「彼らは直接体験したことのない他の文化に興味がなく、自分たちの文化と生き方こそが最高と思っており、(中略)
彼らはよく笑う、
自身に降りかかった不幸を笑う、
過酷な運命をたんたんと受け入れる。
未来に思い悩むわたしたちにくらべて、何やら自信と余裕がある。」
ピダハンのその日暮らし。
何やら自信と余裕があるその一人ひとりの笑顔が脳裏に浮かんでくるようでした。
〜その日その日を生きている〜このあたりまえを実感すると、
いつも見ている景色も変わってくるというもんです。
この思いが熱いうちに、タイミングよく会えた友だちに
「この本、すごくよかったよー」と紹介しました。
そうして、私はその場で、彼女からおすすめの絵本を紹介してもらい、お互いにメモメモ。
こうして読書の輪が広がっていくのが,なんとも幸せ。
読みたい本がいつもある。
これはその日暮らしの日々の積み重ねであってもうれしいものです。
「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済
2016/07/19 22:41
資本主義の根源を覆す
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こけさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
マックス・ウェーバーのプロテスタンティズムと資本主義の精神を覆してくれると期待してしまう。しかしよく考えてみると、未開民も経済的合理性に基づいて行動しているわけであり、それも広義の資本主義と考えればその通りの話である。でも、未開民が先進諸国のようになっていないのは、そのような資本主義を越える何かを持っているのだろうとも考えられ、それは何なのか是非とも読んで知りたいと思う!
2022/05/01 18:50
日常的な感覚を
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
リセットさせてくれるのが人類学の読み物のいいところだと思うので、こういう本は大歓迎です。ぜひ、今後もガンガン書いていただきたいです。