電子書籍
大江戸かあるて
著者 杉山大二郎
上野国(現在の群馬県)の農村に生まれた貧しい小作農の子ども駿は、物心つく前に父を流行病で亡くし、母ひとり子ひとりで暮らしていた。だが、天明3年(1783)浅間山の大噴火によって母を亡くし、天涯孤独となった。彼は同い年の親友・涼とともに文武の修業に励んでいた。ある日、病で死の淵に立つ涼の母親を助けるために、医者を訪ねる。しかし、金のない者は診察すらしてもらえない。そんな不条理に憤った彼は、弱き者を守るために、江戸一番の医者を目指す――。情けは人の為ならず! 青春時代長編シリーズ、第一弾。
大江戸かあるて 桜の約束
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2024/02/09 08:43
駿は駿らしく
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アッと言う間に読んでしまった。
1巻同様に主人公の理想に燃えた姿が清々しい。涼の言う通り、駿は駿らしくある。
舞台は江戸、鍼治学院。同朋が出来、青春真っ只中。青葉繁れるという感じ。
前巻同様に悪人は出てこない。ストーリーからして嫉妬やライバル、競争、あるいは海千山千の人間等々出てきて話が入り乱れてもよいはずなのだが、出てこない。
主人公の伸びやかで大らかな性格が大切に描かれ、真っ直ぐな小説に仕上がっていると思う。
主人公の師匠になる間市は一癖ある人間だが、根っからの悪人ではないと思う。言っていることは、それなりに筋が通っている。主人公が青すぎるとも感じてしまう。間市の言う『見えるものしか見ない』という言葉は重い。
間市は酸いも甘いもかみ分けた人間、多分、人並み以上に苦労を重ねたのではないか、世渡りの大切さを知った人間だと思う。根は優しい人間ではないかな、好きだなこういう人。
主人公の頑なさが今後、間市によってほぐれてきて人間的に成長していくのだろうと思う。
続編が楽しみ。
茜との再会は出来るのか、二人の関係はどうなるのか。
その辺に、気を持たせるなぁ。
2024/02/06 09:22
いよいよ開業。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
田村梨庵に恩赦が出て、間市から貰ったお金で梨庵とともに開業。
様々な人物が出てくるが、好人物ばかり。
いきなり、あの蔦谷重三郎が陽委と言うのには笑った。間市が治療するが、本当のところは心因性のものと喝破している。志穂の父親であるところからしても、梨庵が一目置いているところからしても、実は間市は人間味のある好人物だと思う。
老中もまた好人物。この小説は本当に好人物ばかりで、人の暗部が出てこない。
清々しいと言えば清々しい。物足らないと言えば物足らない。
ただ、この小説に関しては、この清々しさが良いのだと思う。
次巻が楽しみ。
電子書籍大江戸かあるて 桜の約束
2024/01/30 09:04
清々しい気持ちで読み終えた。
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今、一捻りどころか幾重に捻られた作品が多い中で、先が読めるような感じで、実に大らかで青臭い小説だなと感じた。白樺派、武者小路実篤の作品群のようなお気楽さはないけれど、青臭さとでも言うか、理想主義的な香りを感じた。と言って、批判しているわけでは毛頭ない。今や顧みられることもなくなった、武者小路実篤の作品が今もなお好きだから。
著者は経営コンサルタントの一面を持っておられるそうだが、私はそういう目でこの小説を読まなかった。単純に今の時代に必要とする若者、人間の理想像を著者が描いたと捉えた。
小説の進行上、多少の悪人は出てくるが基本的に善人ばかりの小説だと感じた。だから、今後続くであろう青春小説?のプロローグとしてのこの巻の読後感も良かった。
表題『桜の約束』の意味が小説の最後になって分かるあたり、映画の場面を観ているような気分になった。この『約束』が時間以降、主人公の人生を貫いていくのだろうと思う。
若返った気分。引き続き次巻を読みたい。
紙の本大江戸かあるて 桜の約束
2024/01/25 14:18
清々しい気持ちで読み終えた。
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今、一捻りどころか幾重に捻られた作品が多い中で、先が読めるような感じで、実に大らかで青臭い小説だなと感じた。白樺派、武者小路実篤の作品群のようなお気楽さはないけれど、青臭さとでも言うか、理想主義的な香りを感じた。と言って、批判しているわけでは毛頭ない。今や顧みられることもなくなった、武者小路実篤の作品が今もなお好きだから。
著者は経営コンサルタントの一面を持っておられるそうだが、私はそういう目でこの小説を読まなかった。単純に今の時代に必要とする若者、人間の理想像を著者が描いたと捉えた。
小説の進行上、多少の悪人は出てくるが基本的に善人ばかりの小説だと感じた。だから、今後続くであろう青春小説?のプロローグとしてのこの巻の読後感も良かった。
表題『桜の約束』の意味が小説の最後になって分かるあたり、映画の場面を観ているような気分になった。この『約束』が時間以降、主人公の人生を貫いていくのだろうと思う。
若返った気分。引き続き次巻を読みたい。