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3件
敗者の想像力
著者 加藤典洋
1945年、日本は戦争に負け、他国に占領された。それから四半世紀。私たちはこの有史以来未曽有の経験を、正面から受け止め、血肉化、思想化してきただろうか。日本の「戦後」認識にラディカルな一石を投じ、90年代の論壇を席巻したベストセラー『敗戦後論』から20年。戦争に敗れた日本が育んだ「想像力」を切り口に、敗北を礎石に据えた新たな戦後論を提示する。本書は、山口昌男、大江健三郎といった硬派な書き手から、カズオ・イシグロ、宮崎駿などの話題作までを射程に入れた、21世紀を占う画期的な論考である。【目次】まえがき/はじめに 想像力にも天地があること――小津安二郎、『敗北の文化』、カズオ・イシグロ/第一部 敗者の日本/第一章 私たちが被占領民だったころ――W・G・ゼーバルト、林達夫、朴泰遠/第二章 占領下の文学――第三の新人、曽野綾子、大江健三郎、目取真俊/第三章 ゴジラは死んで、どこに行くのか?――本多猪四郎、R・エメリッヒ、G・エドワーズ/幕間 シン・ゴジラ論(ネタバレ注意)――庵野秀明/第二部 敗者の戦後/第四章 低エントロピーと「せり下げ」――山口昌男と多田道太郎/第五章 世界の奴隷として考えること――吉本隆明と鶴見俊輔/第六章 「成長」なんて怖くない――宮崎駿と手塚治虫/第七章 大江健三郎の晩年/終わりに 『水死』のほうへ――大江健三郎と沖縄/あとがき
敗者の想像力
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敗者の想像力
2021/07/06 09:38
敗戦後
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
敗戦後の可能性について、いろいろな角度から分析されていて、よかったです。マイナスをプラスにする発想の大切さが、よくわかりました。
敗者の想像力
2019/05/26 09:09
新鮮な視点や刺激的な論点
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
加藤典洋の『敗者の想像力』は、わかりにくかった。
(むずかしかったというべきか)でも、新鮮な視点や刺激的な論点やなるほどという考察がいくつもあって、面白かった。
第三の新人とゴジラとアトムとジブリと大江健三郎が並んで論じられているのが面白い。文学か娯楽かなんていう垣根を越えているのがいいんですね。
あ、もともと垣根なんてないのか。
敗者の想像力
2018/05/18 08:10
私はいつ大人になったのだろうか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Wakadaishou - この投稿者のレビュー一覧を見る
『千と千尋の神隠し』の分析が大変面白い。宮崎駿さんは『虫眼とアニ眼』(新潮文庫)で、次のように述べています。
「子どもたちに生まれてきてよかったねって言おう、言えなければ映画は作らない。自分が踏みとどまるのはその一点でした。」
その気持ちがよく分かりました。あのトンネルをどこかで見つけたら、勇気を出して、もう一度通ってみたい。