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宗棍(琉球空手シリーズ)
著者 今野 敏
松村宗棍(まつむら・そうこん)は13歳の頃、友だちをいじめる少年たちを打ち倒した。それによって高名な武術家・照屋(てるや)に武の才を見出され、彼に弟子入りする。元服を迎えて首里王府の役人となるが、強さが評判を呼んで、国王に御前試合への参加を命じられる。思いがけず琉球屈指の強豪たちに挑むことになり――。国王との交流、「最強」の妻との出会い、好敵手との決闘、猛牛との闘い、弟子の自害……様々な出来事に直面しながら、彼は本当の強さを追い求めていく。しかし、琉球王国崩壊の足音が聞こえ始めていた……。幕末、琉球王国が滅びゆく時代に、国王の武術指南役を務めた松村宗棍。強さとは何かを追い求め、琉球空手の礎を築いた男の生涯を描く、著者入魂の長編。
宗棍(琉球空手シリーズ)
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宗棍
2024/04/26 13:32
よくまとめたと感心しました。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
首里手の祖、松村宗棍を題材にした小説。資料のほとんどない中で、よく一つのストリーとしてまとめたと感心。著者に拍手。
挿入されている示現流や闘牛の戦いなどエピソードは有名な話がほとんど。妻チルーの話については、私も師匠から胸を狙ったと聞いたので、どういう展開で話を運ぶかが気になった。
師匠照屋からは型は習っていないというのが面白く感じた。と、同時に組稽古による相対稽古を主としていた宗棍が、ここでは型を通して『手』を伝えることを考えたというのを面白く読んだ。
また、師匠照屋(=佐久川)と宗棍が中国には行かなかったという筋はどうなのだろうと思ったが、確かに首里手を考えたとき、中国武術の影響というよりも本土の剣術の影響の方が強いので納得もできた。
ただ、ナイハンチで現行主流になっている内八字立ちは糸洲のものであることを考えたとき、内八字立ちを宗棍は批判しているので単純に糸洲を可愛がったとは思えない。
この辺り、空手道場を主催している著者はどう考えているのかと思った。
総じて、面白く読めたが、出来れば夫婦の会話、機微などもう少し記して欲しかった。そうすれば、もっと人物像を感じ取れたと思う。
次は誰を書くのだろう。知花朝信先生だろうか。上原清吉先生なんてことはないだろうな。
宗棍
2021/11/17 16:02
宗棍
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カズさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄空手の祖というべき松村宗棍の生き様は、現在武道武術を修練している者や志す者にガツンと訴えてくるものがあると思います。ぜひ一読してください。