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4件
「非モテ」からはじめる男性学
著者 西井 開
ぼくらは本当にモテないから苦しいのか? 「〈キモい〉〈弱い〉〈ダサい〉 暴力的に片づけられがちな問題を豊かな言葉で掘り返す男性研究の書」――桃山商事・清田隆之氏、推薦! 恋人がいない、女性から好意を向けられない等の苦悩は、「非モテ」という言葉によって90年代後半からネットを賑わせてきた。現在も「非モテ」問題は多くの男性の心を捉えて離さない。しかし、本当に「非モテ」男性はモテないから苦しいのだろうか? 男性性が内包する問題について研究し、当事者の語り合いグループを立ち上げた著者が、男性が「非モテ」という苦悩を抱くまでの過程や内実を掘り下げ、問題の背景や構造を解き明かす。そして「非モテ」の苦悩から抜け出すための実践まで男性学の視点から提示していく。
「非モテ」からはじめる男性学
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2021/08/30 19:01
ミクロ視点の大切さは分かるけ……
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
男性性をめぐる問題の結果として生まれる「非モテ」当事者の立場から書かれていて、興味深い。
「非モテ」と言う現象から社会の男性規範、ステレオタイプ、レイベリングなどの問題が浮かび上がるが、著者は当事者として仲間たちに気を使うあまり、社会構造の問題を(研究者として上から)指摘することをあえて避けている印象。
もちろん著者が言うように、男性規範を所与のものとして解釈することだけでは男性規範の解体には結びつかないのかもしれないが、逆に言えば、男性優位の社会構造をまず認識しなければ、周縁に追いやられる「非モテ」含め、既存のジェンダー構造を解体することは難しいのではないか、と少し引っ掛かった。
「非モテ」からはじめる男性学
2023/02/15 09:13
はじめての「男性学」
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男性学」とある本をはじめて読みました。「女性学」とかの本では、なんというか批判する対象がわりとはっきりとあることが多いのに対して、「男性学」は、そういった対象が何なのか、もしくは、そもそもそいういことではないのか、まだはっきりとしてないのかなと思いました。
筆者がいう、「言語化されていない」ところからの始まりなのかも。
「非モテ」からはじめる男性学
2021/11/09 20:39
当事者と研究者の立場のはざまで
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェンダーは女性の問題として語られることが多いが、実は男性にとっても非常に大切な問題であると思ってきた。本書は、「男性性」をめぐる問題が根底にあり、その結果として生まれる「非モテ」と呼ばれる(自認する?)当事者の立場から書かれていて、大変興味深い。
「非モテ」と言う現象から、社会がつくりだした男性規範、ステレオタイプ、レイベリングなどの問題が浮かび上がっている。
ところが、著者は研究者でありながら、当事者として、仲間たちに随分気をつかっているようだ。そのせいで、研究者として、社会構造の問題が見えているのに、それを上から指摘することをあえて避けている印象を受けた。
もちろん著者が言うように、男性規範を所与のものとして解釈することだけでは男性規範の解体には結びつかないのかもしれない。しかし逆に言えば、男性優位の社会構造をまず認識しなければ、周縁に追いやられる「非モテ」含め、既存のジェンダー構造を解体することは難しいのではないか、と少し引っ掛かった。
著者の当事者であり研究者という立場が、現実社会の複雑さを表しているとも言えるのだが。