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ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)
著者 伊藤雄馬
就活から逃げ出した言語学徒の青年は、美しい言語を話す少数民族・ムラブリと出会った。文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。言葉とはなにか? そして幸福、自由とはなにか? ムラブリ語研究をとおしてたどり着いた答えとは……? 人間と言葉の新たな可能性を拓く、異端の言語学ノンフィクション。
ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)
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ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと
2023/07/03 08:32
グローバル化への疑い
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投稿者:figaro - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間は言葉というものを介して抽象概念を伝えることができる。これは大変素晴らしいことだ。最近ならば「英語」がその筆頭格なのだろう。便利であることには間違いないが、少数言語はより振り出し、どんどんと絶滅していくことになる。
ムラブリには時制の概念がない。逆に言うと私たちには時制について厳密に定まっており自由度がない、とも言える。
著者は大学にて研究者として活躍していたが、結果的には「自由」を選んだ。それは著者がムラブリ化した、ということもできる。
便利になったが故の不自由さを招いた現代社会をムラブリから考える著者の視点は、一考に値する。