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2件
浪花ふらふら謎草紙
商人の町として賑わう大坂の旅籠「さと屋」の看板娘・花歩は十七歳。実は幼い頃、さと屋に置き去りにされた娘だ。父親らしき男が残した数枚の風景画に描かれた景色を探して町のあちこちを歩くうち、すっかり町に詳しくなり、町の人たちにも何かと親切にしてもらえるようになった。それを生かして、花歩は大坂の名所案内を始めることにするのだが……。浪花の人情溢れる書き下ろし時代小説。
花の懸け橋 浪花ふらふら謎草紙
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見ざるの天神さん
2018/05/21 16:17
観光案内をするという設定が上手く活きている。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸の町が良くわかる時代小説は結構思いつくが、大阪となるとぐっと減る気がする。本書はそんな気持ちを満たしてくれるシリーズの2作目。
いなくなった父親の手掛かりを追いながらお客の観光案内をするという設定が活きている。どの地方にもそれぞれ味わいのある行事やしきたりがあるだろうが、本巻にも天神祭などの風習が上手く組み込まれている。
いまでも「会話が漫才」と言われるような日常の軽妙な会話も楽しい。主人公の恋心の行方も気にさせて引っ張る。
解説について一言。どういうところが工夫されているのか、と参考になるところも多いのだが、それぞれの話のストーリー紹介が結構詳しい。「先にあとがきを読んで購入」などという読者には一寸、というところ。文庫のあとがきはそのあたりはさらりと流してほしいと思うのだが。
浪花ふらふら謎草紙
2018/05/14 15:42
浪速言葉も楽しい。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古本屋でこのシリーズの第四弾を読んで面白かったので話の始まりを知りたくてこれを読む。
時代物は江戸の話が多いが、これは浪速の話。言葉の面白さもあるが侍の比率が少ない、という事情も上手く効かせてある感じがする。
主人公の花歩がお参りに来る人々を「観光案内」するという設定なので、江戸時代の大阪の地図など見ながら楽しみたくなる話でもある。
お話にはつきものの「事件」が起こると。同心になった幼馴染が出てくるからみも「恋心」をくすぐらせる設定で「どうなるの?」と読み手を引っ張る要素になっているのだろう。
さまざまな事情の人が事件に巻き込み巻き込まれていく中で時代の状況が書かれる時代物というところは普通かもしれないが、「親探し」という線が通っているので面白くなりそうな第一作目だと思えた。