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学歴狂の詩
著者 佐川恭一(著)
あまりの面白さに一気読み!
受験生も、かつて受験生だった人も、
みんな読むべき異形の青春記。
――森見登美彦さん(京大卒小説家)
ものすごくキモくて、ありえないほど懐かしい。
――ベテランちさん(東大医学部YouTuber)
なぜ我々は〈学歴〉に囚われるのか?
京大卒エリートから転落した奇才が放つ、笑いと狂気の学歴ノンフィクション!
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がくれき-きょう【学歴狂】
〔名〕東大文一原理主義者、数学ブンブン丸、極限坊主、非リア王など、
偏差値や大学名に異様な執念を持つ人間たち。
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【目次】
第1章 〈田舎の神童〉の作り方
第2章 「こんなんもう手の運動やん」とつぶやいた〈天才〉濱慎平
第3章 〈東大文一原理主義者〉内山とスーパー学歴タイム
第4章 〈伝説の英語教師〉宮坂の恐怖政治
第5章 〈努力界の巨匠〉菅井が教えてくれたもの
第6章 ノートにappleと延々書き続ける〈大物受験生〉永森
第7章 京大生のヌルすぎる就職活動
第8章 佐川恭一以来の神童と呼ばれる〈後継者〉国崎くん
第9章 〈二浪のアニオタ〉柴原が深淵をつづった詩集
第10章 〈数学ブンブン丸〉片平のあまりに危険な戦法
第11章 神戸大学志望を貫いた〈足るを知る男〉本田
第12章 「二十時間勉強法」ですべてを突破した〈極限坊主〉野々宮
第13章 〈別次元の頭脳〉で学問の面白さを教えてくれた中村さん
第14章 『ルックバック』で思い出す〈神童覚醒前夜の親友〉大城
第15章 マウント柔術の使い手〈非リア王〉遠藤
第16章 京大卒無職〈哲人王〉栗山
おわりに
学歴狂の詩
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2025/04/06 21:51
本書の本質とは?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の著者が、私が通っていた高校の11年後輩でした。著者は特進コースでその高校へ入学し、私は普通コースでその高校へ入学しました。私の時代の同高校と著者の時代の同高校との違い、将又、変わっていない点など、思い起こして懐かしく甦ってきました。
本書はその高校の、所謂『進学校あるある』のネタを著者の同級生から引用して紹介しています。同調する内容もあれば、びっくりするような内容もありました。進学校といっても色々あり、本書の高校よりももっと上位の学校もあります。しかしそこで言える事は、本書の高校と、本書の高校よりも上位の高校とは、程度が違うだけで、実は内容にそれほど大差はありません。但し程度には歴然と隔たりがあります。
本書でスポットが当たりがちなのは、進学校あるあるのネタの奇抜性です。ですが、本質はそこではなく、そうした進学校の一種独特の環境社会や集まってくる生徒の層ではないかと思います。なんとも言えない人間の妙な闇、といった感じです。
そうした闇をも静かに描き出している点が何気に秀逸だと思います。『偏差値というのは、文字通り偏っている、という事を表しており、それは色々な意味で良くも悪くも、である』と兵庫県のある進学校の校長先生が講演でおっしゃられていた事を思い出しました。やはり歪なんだなぁ、と。ただ、その歪というのは、本当に優れた点もあり、闇な点もある・・。何とも筆舌尽くせない感慨です。