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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 48件

電子書籍

常野物語

著者 恩田 陸

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから――「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。

光の帝国 常野物語

税込 495 4pt

光の帝国 常野物語

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みんなのレビュー48件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本光の帝国

2012/08/19 20:31

ひとが生きていくために必要な軸を心に

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひとが生きていくためには 心の中に“軸”となるものが必要だと思う
これは その軸を見つけることができる本


常野という地区からきた特殊な能力をもつ人たち 
なみはずれた記憶力や遠くの出来事を見る力などさまざまな力 
普通の人々の生活に溶け込み その力を生かしながら穏やかに暮らす常野一族

彼らをめぐる連作短編集

いつの時代も 彼らはみな自分の能力を受け入れ 人のために使い生きてゆく
その能力ゆえに辛いこともあり 痛ましく残酷な目にもあう
それでも彼らの想いは途絶えることなく 
再び射してくる明るい光に 安堵が胸いっぱいに拡がる


「常野」とは“権力を持たず群れず常に在野であれ”という意味だそう

与えられた力を 自分のためだけではなく 周りの人たちのために
果たして使えてるか そして更に力を高める努力をしてるか
読みながら自らにそう問いかける


権力を持たず群れず常に在野であれ 

その言葉を胸に刻み 地に足を着けて生きていくこと
その想いを途切れさせることなく 次へと伝え繋げること

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紙の本蒲公英草紙

2008/07/18 21:24

人は、ゆっくりと何かを失っていく

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 恩田陸の「光の帝国」に続く、常野物語シリーズの2作目。

 東北の農村の旧家に、特異な能力をもつ常野一族の家族がやってくる。
 物語は、その旧家の体の弱い娘の遊び相手として屋敷に出入りする女の子の視点で描かれている。
 瑞々しく純粋な少女から見る世界は、たおやかで優しい。だから、やってきた常野一族の家族も、やんわりと受け入れられる。
 排除と排斥の物語であったような「光の帝国」とは、対照的ですらある。

 それはまるで、スティーブン・キングの「クリスティーン」で、死んでしまった主人公へ友達がたむける一言のようだ。

 マイノリティは、マイノリティであることをやめることはできない。
 常野一族もその能力を捨てることはできない。けれど、それを取り巻くものたちは、それを受け入れることはできるはずなのだ。ただ、世界はそのように優しくはない。
 優しい少女の視点を通して語られるのは、変えようのない運命で、人がしだに何かを失っていくさまなのだ。

 「光の帝国」のような壮絶さは、ない。
 が、しかし、ここには深い谷がある。常野とそうでない人を分ける、深い谷が確かに存在している。
 そして、その谷の緑を、花を、描いているところが恩田陸の他とは違う何かなのだ。

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紙の本光の帝国

2002/02/23 13:33

最高っ!な短編ファンタジー集

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あき  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 もうね〜、本当に本当に本当に面白かった!なんですか、これは!? っていうぐらいに! 短編小説集で、基本的には一作ずつ主人公が変わるのですが、主人公が変わる度に雰囲気も変わり、読みどころがたくさんありました。特に、表題作になっている「光の帝国」は、ひときわ印象に残りました。「光の帝国」のあらすじを少し…。

 超長寿命の「ツル先生」は、常野の長老的存在。ツル先生が、常野の能力を持つ人々を守るつもりで分教場をつくり、そこには数人のちからをもった人たちと、行き場のない「普通の」子供たちが暮らしていました。細々とながら、毎日を楽しく暮らしている人々。
 ある日、その人々のもとに、一人の脱走兵がやって来ます。聞けば彼は、日本軍でも特殊な部隊にいたらしく、ツル先生は、彼が訪れたことに不気味な予感を覚えます。そして、哀しくも、その予感は的中し、運命の日がやってきます。ある日突然、分教場が、見知らぬ男たちに包囲されてしまったのでした。いつしか、戦争に狂っていた日本軍に目をつけられていたのです…。

 哀しくて切なくて、ヤリ切れない気持ちになる作品でした。気づいたら涙がこぼれていました。でもね…このツル先生をめぐって語られる話は、これだけではなくて、そして、切ないままで終わるわけでもないのです。今ここで、それを語るのはネタバレになるのでやめますが、最後の短編では、先に流した涙とは別の意味を持つ涙が流れました。
 読んで良かった! 買って良かった! 何度でも読みたい! 読み終わった後、しばらく呆けてしまったのは久々でした。

 あとがきに、「また一連の作品を書きたいと」あったので、シリーズ化の可能性も?! 期待して待っています。恩田先生、(心の底から)よろしくお願いします!

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紙の本蒲公英草紙

2008/06/07 19:24

常野シリーズの中では

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:初老にはまだ早い - この投稿者のレビュー一覧を見る

 なんと言うか一番盛り上がりに欠けていた作品のような気がする。文体そのものも最後まで気になっていたのだが、「のんびりした雰囲気」というものが原因だったのかもしれない。
 その意味では好きな人は好きだろうし、雰囲気で評価するのも埠頭かもしれないが今までのシリーズは緊張感があったというかどれもはっきりとした非日常と背中合わせにあり危険が感じられたのにこの作品にはそれがない。
 作者にとっては時代設定やもしかすると常野世界の初期的なものとしての意識もあってのことかもしれないが物足りなかった。

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紙の本蒲公英草紙

2008/06/19 11:45

こころに一陣の春風か

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:菊理媛 - この投稿者のレビュー一覧を見る

上品な口調で語られる物語。村の名士のお屋敷。絵に描いたような両親、気位の高い長女、美しい母に似た長男、粗野な次男に、病弱な美少女の末娘。まぁ、このあたりはよくある設定ですな、という感じ。
お嬢さまのお話し相手としてお屋敷に上がる少女が語り部なので、物語はこの少女目線で進められてゆく。初日にやんちゃな次男にエライ目に遭わされて、凛々しい長男が助けてくれる。この流れで行くと、この長男に恋をして、月日が流れるうちに次男と…というような展開を想像したが、これは見事に外れてしまった。では、この長女に苛められ…というお決まりのコースも、初対面でちょっとしたことがあったに留まった。ではでは、この美しい末娘の顛末は…というあたりはお決まりの流れをたどってしまったが、物語の本筋は途中から登場する遠野の家族によって、ありきたりな設定に一味添えられ、不思議な物語になっている。
大筋は予想どおりと言ってしまうと身も蓋もない話だが、不思議な能力を持つ遠野の一族の存在によって、たくさんの断片を1つにつないでいる。私的には、この話は必要なの? と思う部分も無くはないし、ところどころに矛盾点を見つけないでもなかったが、そこは不思議な一族なのだから、常識では計り知れないのだろうよと納まりをつけた。
最後が終戦の窮乏の中、「あの頃が夢のよう」と語る、今やお婆ちゃんとなった語り部の少女の切ない感想で終わるのだが、この展開がイマイチ本筋とつなげる必然性に欠ける気がして、ちょっと残念な終わり方だったかなと思った。
この遠野の一族を描いた作品があるらしいので、機会があったら読んでみようかとも思うが、それを知らなくても単独でちゃんと一作品としてまとまっているので、単品として十分鑑賞に値すると思う。

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電子書籍光の帝国 常野物語

2017/08/25 01:34

心が揺れる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

常野一族の第一作目。特殊能力を持つ人々が身を隠しながらも自らの役割、生き方について考え、時に悩み、時に世界を救いながら物語は進む。第一話目の光紀の話は泣いた。彼はまだよく自分の能力を把握していないが、本能で人を助けたのだと思う。そして家族でも友人でも大切だと想う人と没交渉になってはいけない。身につまされる。中盤から要所要所で出てくるツル先生。彼は長老みたいなものか。色々な事象を確認し修正できるもの見過ごすしかないもの等水の様に対応していく。子供たちと暮らしていた山での話は切なく悔しい。全話心揺さぶられる。

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紙の本光の帝国

2016/11/06 11:24

常野物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この常野シリーズは好きですねえ。やはりツル先生の存在が秀逸で、彼がいてくれる、そのことが何とも言えないほどの安心感を与えてくれます。

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紙の本光の帝国

2015/08/25 05:08

HOME

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「光の帝国」というとなんだか圧迫感さえ感じるけれど、
「常野物語」とあると、 「トコノ?とおのじゃなくて?」 とあっさりモデルに辿り着く。

だってこれは、恩田陸版「遠野物語」なのだから。(あとがきにもあり)
私がこれを手にしたのは、「ライオンハート」のあとだったと思うので、
恩田陸作品3~4冊目だったはず。 なかなか大胆に「モチーフはこれです」と
明かす作家さんだなぁと思っていたけれど、作品はもちろん、
モチーフをそれまでより魅力的に見せるのが恩田さんの手腕だと今は思っています。
これを読んで、「遠野物語」を読んでみたくなった人だっているはず。

「きみがみつける物語」にも一編収録されている「大きな引き出し」でグッとつかまれ、
一族の歴史です、悲しい時期も苦しい時期もあり、「今」につなぐ。

悪い事でなければ、不思議な事は不思議なままでいい。 
害がないのに暴こうとするのは野暮ですよ、という思想が固まってくる一冊。

常野シリーズは、恩田さんもおっしゃるとおり、今新作してもおかしくないシリーズ。
他の作品でも不思議な力を持つ人は登場するけれど、常野が発信基地のように
感じられます。
すべてのホームのような、まとまりある短編集。評価は、5点では足りないくらい。

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紙の本光の帝国

2003/07/31 00:42

呼び覚まされるような物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆいこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファンタジー系、超能力系の非日常の話に苦手意識を持つ私が、
なぜかすんなりと入り込めました。
ほんわりと暖かく、じんわりと悲しく、
そして現代社会のゆがみにも訴えかけるような、
心を揺さぶられる短編集でした。
一話一話の様々な主人公にそれぞれいつの間にか感情移入し、
まるで自分が体験しているような気持ちになりました。
読後もいつか町でこの登場人物たちとすれ違うことがあるような気がします。
誰もが持っている小さな正義感を刺激されることと思います。
忘れていた感覚を呼び覚まされるような、
それでいてあっという間に読んでしまうストーリーです。

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紙の本光の帝国

2015/08/18 00:17

好きな作品の一つ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

時折、不思議と読み返したくなる本です。著者の作品はたくさんありますが、中でも好きな世界観、作品の一つです。

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紙の本光の帝国

2005/10/22 21:15

光と影

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あさひ - この投稿者のレビュー一覧を見る

これまで何冊か恩田作品を読んでいますが、この作品は私の中ですごく不思議な位置にあるような気がします。
「光の帝国」というタイトルから、読む前は文庫版解説者の方と同じように壮大なファンタジーかと思っていましたが、そんなことはない。
不思議な能力をもつ常野と呼ばれる一族のお話だけれど、奇抜ではない。
とても暖かく、切なく、素朴に光と影を包んでいるお話です。
とにかくツル先生が好きで、ツル先生が登場する短編「手紙」「光の帝国」「国道を降りて…」だけこれまで何度も読んでいます。
ツル先生の容貌についての記述はシンプルで、延々描かれているわけじゃない。
なのに頭の中には親しみやすい瞳をしたツル先生が勝手に浮かんでくる。
会ったことはないのに、懐かしい気持ちで「ツル先生」と呼びたくなる。
「国道を降りて…」の美咲もきっと、こんな気持ちだったんだろうなぁ…と思いました。
同じ「常野」が登場する長編「蒲公英草紙」、そして「オセロ」の続編も刊行されるようなので、この世界がお気に召した方はぜひ。

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紙の本光の帝国

2006/12/24 18:05

少し変わった能力を持った人々の連作集

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宮城県のとある地域にあるといわれる、常野。
そこには、特殊な能力を持つ人々が、ひっそりと暮らしていました。
そして、その常野を離れて一般の人々同じように暮らす人たちも、、。
 そんな常野一族の人々を主人公とした、連作短編集です。
 柳田國男の遠野物語から、タイトルは来ていると思われるように、
超能力ではあるんだけれど、西洋風の超自然的なエスパーという感じでは、決して無くて、民俗学というか、地域伝承の昔話しみたいな、雰囲気を受けるように書かれています。
 また、女性SF作家の草分け的な存在のゼナ・ヘンダーソンの「ピープル・シリーズ」へのオマージュでもあるとか、、。
 最近、ゼナ・ヘンダーソンは河出書房の奇想シリーズで読みその中に、一編だけ、「ピープル・シリーズ」があったのですが、
まったく判らないでもないですが、そんなイメージはあんまりなかったです。
 この作品は、恩田さんの中でも、初期の作品だと思いますが、
もうしっかり、恩田さん的雰囲気は、かもし出されています。
 きっちり描写されているのに、
なんか、恩田さんが書く言葉の霧の中に迷い込んだ感じで、物理的確かなものが、きっちり読者の前に現れてくるような感じじゃない、
(ちゃんと描いてあるのに)
 しかし、ぼんやりとだけれど、重要ななにかは、読者へうったえかける、そんな感じですね。
 本書は、恩田作品としては、わりと初期の作品にあたりますが、
もうきっちりかっちり、恩田ワールドが醸し出されています。

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紙の本光の帝国

2020/07/11 15:51

優しくて哀しくて

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かなた - この投稿者のレビュー一覧を見る

不思議な力を持つがゆえに、傷付けられたり、隠し事をしなければならなかったり。
ほっこりする話から胸の詰まるような話までギュッと濃縮された連作短編集。
こんなに温かく哀しい一族の話は読んだことがなかった。

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紙の本光の帝国

2004/07/04 17:32

壮大なドラマの幕が開く前に

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 恩田陸「光の帝国」です。副題に「常野物語」、連作短編小説です。宮城県の某所にある常野には昔から特別な能力を持った者たちがひっそり暮らしていたのだが、不幸な出来事によりそのその地を後にし、能力を隠して世間に散っていった。その者たちのそれぞれの今の生活を綴った連作…と、簡単に説明するとこうなります。相変わらずの恩田陸の世界です。まあ、簡単に云えば超能力がテーマのSFとなってしまうのですが、そうは問屋が卸さないのが恩田陸。実に摩訶不思議な感動です。この手の定番ですと色々な超能力者が敵対する悪の権化みたいな者と難問を切り抜けながら戦ったり、事件を解決したり…みたいなお話になると思うのですが、この本は一筋縄では行きませんよ。世の中にひっそりと溶け込んだ常野の人々のその後であったり回想であったり再確認であったりと事件性は無いと云えば無く(抱えている問題はありますが)最後にゴールが来るわけでもないのです。連作なれどつながりは見えてこず、全く予測がつきません。

 そんな散りじりバラバラな連作を空から地上を見るように、木を見ず森を見るように、部分より全体を見るとおぼろげながら形が見えてきます。ところが、そうやってやっと見えそうになった時に幕が引かれてしまうのですが、作者の後書きを読むとなるほどと頷けるのですね。そうか、これはプロローグなのかと。だから繋がらないのだ。これから始まる物語の前兆なのです。プロローグでこれですから、先を想像すると否応なく壮大なドラマが見えてきそうです。台風の前の静けさ、その静かなる不安定さ故の不安と恐怖の時間が刻まれている本なのです。

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紙の本光の帝国

2003/05/26 15:51

しんみり、感じ入る一冊。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:NEO - この投稿者のレビュー一覧を見る

一緒に泣きましょう。

涙を流さずとも、こころでしんみり感じ入る。
読み終わった後、心か、記憶か、どこかが泣いているような気がする。
そんな、一冊。

話は、なんてことない。

不思議な能力を持つ常野一族にまつわる、短編集だ。
この粗筋とタイトル「光の帝国」を見ただけじゃ、読む気にはならなかった。
が、ファンの間で非常に評価が高い一冊なので、読んでみる事にしたのだが…

粗筋だけ喋っちゃうと、本当に何てこと無い小説なんだけど
やっぱり、そこは恩田陸。
きっちり読ませながらも、読者に委ねる部分もあり。
そして、日本人が感じる郷愁を呼び起こす。

恋人と会えない一人の夜とか。
友達と喧嘩しちゃって、寂しい午後とか。
人を恋しく感じると同時に、疎ましく感じてしまう時に読むと
自分の大切な人達の顔がひとつづつ思い起こされ
全ての人の「優しさ」を大切にしよう、という気になる。

暖かい作品なので、誰にでも、ぜひ読んで欲しい。

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