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7件
ミモザの告白
その告白が、世界を変える。
とある地方都市に暮らす冴えない高校生・紙木咲馬には、完璧な幼馴染がいた。
槻ノ木汐――咲馬の幼馴染である彼は、イケメンよりも美少年という表現がしっくり来るほど魅力的な容姿をしている。そのうえスポーツ万能、かつ成績は常に学年トップクラス。極めつけには人望があり、特に女子からは絶大な人気を誇っている――。
幼馴染で誰よりも仲がよかった二人は、しかし高校に進学してからは疎遠な関係に。過去のトラウマと汐に対する劣等感から、咲馬はすっかり性格をこじらせていた。
そんな咲馬にも、好きな人ができる。
クラスの愛されキャラ・星原夏希。彼女と小説の話で意気投合した咲馬は、熱い恋心に浮かれた。
しかしその日の夜、咲馬は公園で信じられないものを目にする。
それはセーラー服を着て泣きじゃくる、槻ノ木汐だった。
『夏へのトンネル、さよならの出口』『きのうの春で、君を待つ』で大きな感動を呼んだ<時と四季>シリーズのコンビ、【八目迷×くっか】が挑む新境地。とある田舎町の学校を舞台にした、恋と変革の物語。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
ミモザの告白 5
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2022/10/10 20:57
普遍性を持つ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:一日一膳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか読み応えがあります。
主人公の周囲の変化とその受容、リアルだと思います。
そして、世良。彼の言う事が出鱈目とばかりも言えない。なぜなら、民族によっては、一夫多妻や、例は少ないですが一妻多夫というのは、実在します。日本の常識に染まった私は正直世良は受け容れられませんが、主観による拒絶は、西園の言い分と何も違わないじゃないか、そんなことを思いながら読み進めていくと、主人公もそれに気が付きます。
ただ、それは傍筋なのかどうかは、1巻ではわかりません。続きも読んでみようと思います。
この作品はあくまで青春を主題とした、普遍的な作品だと思います。今やこのような状況は誰にでも起こりうることで、だからこそ作者は意図的にある単語を避けているのだと思います。
2024/01/05 20:42
槻ノ木家の物語
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:一日一膳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度、発売延期があったので心配していましたが、無事に刊行されました。
この巻は汐と操を中心に、亡くなった母を含めた槻ノ木家の物語が中心です。前半の操の回想は、こういう過去があったからこそ今の汐を受け入れられない、ということがよくわかりました。この感情を完全に理解出来るのは操以外にいないでしょう。
汐は、今までの巻でも感じましたが、咲馬以外の他人は究極的にはあまり気にしていないような。西園はともかく、実の妹でさえ結構割り切っているのはすごいですね。それは、女性として生きる覚悟と表裏一体なのかもしれません。
初日の出を見る二人は転機を迎え、次は最終巻だそうです。確かに色々な歪みは緩やかに解決していますから、いよいよだなと思います。
ミモザの告白 2
2023/04/08 21:56
【たとえ、傷付き傷つけようと君と対話する事を諦めない】
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある出来事がきっかけで咲馬と汐がキスした所を目撃した夏希。関係がぎくしゃくしながらも文化祭で劇の準備に取り掛かる物語。
男であるのに女として生きる覚悟をした汐にとってこの世界は息苦しいだろう。
回遊魚のようにただ、流されるのでなく己の意志で、外の海を目指す。
自分にとっての居場所を探し求める。
人任せにすれば取り残されるのも分かっているから。物の見え方が違っても、沈黙は金だとしても、君とちゃんと話したい。
咲馬は己の醜悪さに辟易しながらも、汐の心に歩み寄るのだ。