- みんなの評価
1件
杉原千畝
著者 大石直紀
今年最高の感動超大作映画を完全ノベライズ。
杉原千畝は1900年、岐阜に生まれた。父親からは医者になるよう命じられていたが、語学への志高く、家出同然で上京する。外務省の留学生募集に見事合格、杉原は満洲の地ハルピンでロシア語を学ぶことになる。そのまま彼の地で外交官としてのキャリアをスタートさせた杉原だが、堪能な語学力と独自の情報収集能力でソ連との北満鉄道譲渡の交渉を成功させる。しかしソ連からは「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」とされ、杉原はリトアニア行き命じられる。
リトアニアでも日本政府のために重要な情報収集を続けていた杉原だったが、1939年、ドイツがポーランドへ侵攻を開始し第二次世界大戦が始まると、ナチスの迫害を受けたユタヤ人の人々が、彼のもとへと日本の通過ビザを求めて集まってくる。政府に了承を得ようとする杉原だったが、もはや一刻の猶予もならず、自らの判断でビザを発給することを決意するのだった。
第二次世界大戦開戦直後、、軍靴の響き高鳴るヨーロッパ・リトアニアの地で、ユダヤ難民の人々にビザを発給し続け、6000人の命を救ったとされる日本人外交官、杉原千畝。彼の真実に迫る感動の超大作映画を完全ノベライズ。
杉原千畝
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
杉原千畝
2020/04/19 15:08
生きてこの世に何を為すか。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2015年当時、映画で観ました。この度ノベライズを知り購入しました。映画とたがわない内容でした。
読んでいる最中、各キャスティングが目に浮かんできて、読みながら映画を観ているようでした。唐沢寿明(杉原千畝)、小雪(幸子)、小日向文世(大島)、二階堂智(根井)、濱田岳(大迫)・・、素晴らしい熱演でした。
さて内容ですが、幸子がペシュに「夫のために、・・私ができることはないでしょうか」と問い、「センポにあって私にないもの・・。それはなんでしょうか。ヒントは、絶対に守るべきものです。」と発言します。ここで幸子はつき動かされ、千畝に「あなたは今でも・・、世界を変えたいって思っていますか?」と問い掛けます。そこで千畝は「常に思っている」と返答し、「全てを失うことになっても、ついてきてくれるか?」と話し、幸子が快諾します。ここで落涙です。
また、大迫の「私は、彼らを・・、救いたいです」に対し、根井が「人のお世話にならぬよう。人のお世話をするよう。そして報いを求めぬよう」というハルピン学院の自治三訣を呟く。ここでも落涙。
最後にカウナスで発行したビザ2,139枚、このビザで救われた人々の子孫が現在世界に40,000人以上生存している、の表記で鼓動が高鳴り、落涙。
人は生まれてきた以上、世に対して何を為すか、これを千畝は為し得たのではないかと思います。