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かもめジムの恋愛
著者 大前粟生
女子高生の恋バナ相手は70代のおじいさん。
北鴎町にある「かもめジム」はバブル期に建てられた7階建ての大型ジム。今では利用客が減り、経営難が続く一方で、会員の八割を締める高齢者たちの出会いの場となっていた。
ジムの受付でアルバイトをする17歳の柏夢は、70代男性・西原さんから会員の三田園さんという男性が好きだと相談を受ける。「恋なんてオレの人生でこれが最後」という西原さんを応援する夢も、次第に自身の恋を打ち明けはじめ、共通の悩みである“恋愛”を通して56歳差の友情が始まるが!?
30代半ばで結婚に焦りながらも推し活に勤しむサオリさん。会員になる気ゼロでも毎日愚痴を吐きに来るおばあさん・橋本さん。アイドルをやめてボディビル選手を目指すかえちゃん。憧れの先輩を追って野球部を辞め、吹奏楽部に入った道重くん……。
世代や性別を超えて、交わるはずのなかった人たちの人生が交差する群像小説。
かもめジムの恋愛
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2024/09/14 22:40
色んな恋愛
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高齢者の交流の場となっている「かもめジム」でバイトをしている女子高生が、恋愛相談を通して70代の会員男性と交流を深めていく、あらゆる柵を取っ払った群像小説。
恋愛も、人生も、誰もが色んな悩みを抱えている。年齢や性別なんかは関係なく、真剣に向き合う事で少しずつ新しい価値観を吸収していく。
キラキラ眩しかったり、きゅんきゅん心躍ったりするのだけが恋愛ではなく、じんわり温かい年配者の恋愛にもエモさを感じた。同じく、先が長くまだまだやり直しがきく若年者の人生にも深さはある。侮りがちな怠慢な感性を刺激してくれる、1冊で何種も楽しめるアソート作品。