- みんなの評価
7件
恋とか愛とかやさしさなら
著者 一穂ミチ
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。
わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。
――高瀬隼子(作家)
僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。
――けんご(小説紹介クリエイター)
女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。
――スケザネ(書評家)
恋とか愛とかやさしさなら
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2025/01/01 21:25
性格がでたなぁ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ストロー - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼氏に対しての感想の性格が出るなと感じた。私の母親が読むと、気弱な母は、許してあげたい、好きな人だし。と言ったが私としてはキレ散らかしたくて仕方がなかった。そもそも結婚なんかできないし、女子高生にとって一生残る心の傷を植え付けた彼氏のことを許すことなんか絶対絶対できない。でも、許すことの優しさなのか、キレるだけで反省するのか、別れたとしてそれは罰になるのか。女子高生にとっては一生物でも、彼氏にとっては魔が刺しただけにすぎない、ほんの出来心の黒歴史にしか思っていないんじゃないか、そう思うと、イライラするし、自分が裁ける立場の人間じゃないことがわかっているけれど、でも死んでも許せないと思った。これは私に優しさがないからなのかもしれない。でも、私は彼氏を許すことは絶対にできない。読み手によって意見が変わる、素敵な小説だと思いました。是非読んでみてください。
2024/11/29 15:04
「これがわたしの愛、わたしのブラックボックス。」本文より。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞後の第一作は、「プロポーズされた翌日、恋人が盗撮で捕まった」女性カメラマンと、その恋人の物語です。
ネタバレがあります。
関口新夏は三十歳になるカメラマン。報道カメラマンだった父が営む写真館を手伝い、父の元同僚のもとでアシスタントをしながら頑張っています。そんな新夏には付き合って五年の恋人・神尾啓久がいます。「ニカ」と呼ぶ啓久のことを新夏は大好きでした。そんなある日の夜、啓久からプロポーズされ迷わず「はい」と答えた新夏。そして結婚に向けて具体的に動こうと話し、「何があっても人生を楽しめる気がする。」と、そう思っていました。
ところが一夜明けた月曜日、啓久の母親から啓久が盗撮で捕まったと連絡がきて・・・
前半は新夏視点です。一夜にして盗撮で捕まった男の婚約者となった新夏が恋愛感情と世間体、家族、友達の価値観に揺さぶられています。事実を受けとめて彼との関係を再構築するのか、別れるのか。
そして後半は啓久視点です。新夏が月を撮ってくれたスマホで盗撮をしたその心境とはーーー。別れ際の莉子が「その途中に神尾さんはいないからね。」の言葉が重く尊い。
誰しもが持っているであろうブラックボックスを、この作品は言葉で照らしています。
初回配本限定書き下ろしショートショート『感情線』は新夏視点による、まだふたりが名字で呼び合う仲の頃のお話。
2024/11/28 14:09
良い意味での問題作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ツミデミックより断然おもしろかった。
テーマも内容も展開も、結構ヘビーだけど。
直木賞はわからないけど、本屋大賞にはノミネートされそう。