双血の墓碑銘
著者 昏式龍也(著) , さらちよみ(イラスト)
幕末。日本に開国を迫ったのは吸血鬼だった。
1853年。日本は“吸血鬼”が支配する欧米諸国によって開国を迫られ、激動の時代を迎えていた――。元・新選組隊士の隼人は、仲間の裏切りによって命を落としかける。そこに偶然現れたのは、「自らに関する記憶」がない吸血種の少女・柩。隼人は「人間であることを捨ててでも復讐を果たす」ことを誓い、彼女の眷属となることを選んだ。
時を同じくして、欧米からは歴戦の英雄たちが柩を追って集結していた。彼らはそれぞれの特性を活かした“墓碑銘(エピタフ)”と呼ばれる血塗られた異能を操り、隼人と柩を追い詰める。さらに二人の前には、沖田総司やジョン・万次郎などのクセ者が次々登場し、物語は思わぬ方向に転がり始める……。隼人は復讐を果たすことができるのか? 柩はいったい何者なのか? 血沸き血踊る幕末維新奇譚、ここに開幕!!
※「ガ報」付き!
※特別カラーちらし「ゲキ推し!!ガガガラブコメ ラインアップ」付き
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
双血の墓碑銘 3
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双血の墓碑銘 1
2019/03/13 00:56
良くも悪くも
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひと世代前の王道ラノベ。
歴史上の人物を大胆に使いこなしている反面、
設定上、どう考えても舞台になっている日本よりも、
少し前の米国建国までの欧州諸国のやり合いのほうが面白い。
《墓碑銘》の宣告のシーンは超カッコイイ反面、
思わせぶりだけどわかりやすい伏線と、傍点のドヤ感が気になる。
武器好きが少々前面に出過ぎな気も。
ひとつ言えることは、2019年にこれを世に出せるガガガ文庫は素晴らしい。
双血の墓碑銘 1
2019/02/07 14:49
幕末時代劇ミーツ吸血鬼異能バトル。異色にして王道の伝奇ライトノベル
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:無明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末。黒船と共に来航した欧米列強は吸血鬼の帝国だった。その外圧を前に、日本は吸血鬼文明との同化を迫られる激動の時代・・・という架空の歴史を背景にした世界観はこの作品独自のオリジナリティを感じ、非常に惹きつけられました。
シリーズ物の第1巻目らしく、王道的な主人公とヒロインのボーイミーツガールを軸に、この世界における吸血鬼のあり方、そして最初の強敵たちとの死闘および決着が余すところなく描かれ、最後に幕末史上最も有名と思われるある人物が黒幕として登場したところで次巻への引きとなる手堅い作り。
また、タイトルであり劇中に登場する異能力「墓碑銘」の設定も不死者(吸血鬼)物というジャンルとして必然性があり、それを用いたバトルの数々は本作のメインディッシュとも言え読み応えがありました。
特に吸血鬼ではない主人公の師匠・沖田総司が肉体的には敵わない強敵(ゲーテの戯曲で有名な鉄腕ゲッツ)と渡り合う対戦は、主人公のバトル以上に手に汗握る名勝負。また「彼」が抱えた秘密にまつわるエピソードも深みがあって好きです。
ライトノベルでは珍しい時代物。ただあくまで主人公・隼人とヒロイン・柩を中心とした物語であることや文章の読みやすさも手伝って、違和感なく読めました。続刊も予定されているようで、吸血鬼が来航したこの架空の幕末世界が今後どうなっていくのかを想像するのが楽しみなシリーズです。