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3件
【シリーズ】寄生彼女サナ
著者 砂義出雲 (著) , 瑠奈璃亜(イラスト)
彼女が寄生虫でいちゃらぶできるわけがない
ある日突然、全裸の美少女が僕のお腹の中から出て言った。
「今日からお前のお腹の中に寄生することになった。よろしくな!」
間違えて食べた実験サンプルの中に入っていたのは、人間に寄生する謎の生命体・パラシスタンス。
見た目だけどこから見ても美少女なのだが、俺の彼女は寄生虫って……そんなのいちゃらぶできるわけがない!
とんでもない設定で審査員を驚愕させた、第5回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
寄生彼女サナ5
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寄生彼女サナ 1
2011/12/27 20:22
いつでも準備オッケー
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
増川唐人は他人に関わらずに生きていきたいと思っている高校生だ。しかし、朝食を作ってくれる従妹の増川桜には慕われているし、宮入丈児という友人もいる。頼れるお姉さんの様な養護教諭・綺羅もいる。そんなある日の朝、遅刻しそうになって無理矢理ご飯を詰め込まれた唐人は、テーブルの上に広げられていた、父親の実験に関する何かまで食べさせられた。
その結果、異常な腹痛にさいなまれた彼の腹から飛び出してきたのは、日本海裂頭条虫(サナダムシ)のパラシスタンスを名乗るサナ。それは彼の腸に寄生しながら、分体という宿主と同じ種に擬態した存在を体外に出すことが出来る、意識を持った進化した寄生虫なのだ。しかも美少女!
唐人を守るというサナなのだが、そのサナに寄生されてから、唐人も身体能力が上がって不思議な感じ。しかも寄生虫であるため、四六時中、サナと唐人は一緒。それに嫉妬した桜の性的暴走に巻き込まれ、静かだった唐人の日常は、途端に騒がしくなってくる。
それに呼応するように、クラスにいる物静かな転校生・櫂実亜須香の口数も増えているような…。そんな唐人の明日はどっちだ!?
デビュー作とは思えないほどの、ソツなくこなれたラブコメ作品になっている。もちろん、その内容に合致したイラストに恵まれたという幸運もあるのだろうけれど、サナの無垢さと桜の耳年増な感じのバランス感覚が素晴らしい。一方で生徒会長はキャラを作りすぎてイマイチという感はある。
寄生虫の美少女という設定だけを聞いた時には、どうせラブコメにするなら過剰な設定なのではないかと思ったが、他人との関わりと寄生とを結びつけるような解釈を見たときに、一定の意味のある設定なのだなと理解した気がする。
寄生彼女サナ 3
2015/09/28 11:22
初恋の彼女
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本海裂頭条虫(サナダムシ)のパラシスタンス(寄生虫の擬人体)であるサナに寄生された増川唐人は、回虫のパラシスタンスである櫂実亜須香を仲間に加え、パラシスタンスを狙う謎の組織「パラミナティ」に対抗するため情報を得ようとしていた。そんなとき、組織を裏切った竜斎寺志保とロイコクロリディウムのパラシスタンス・ロイ子から、組織が狙っている人物の情報を手に入れる。その人物とは、突発性淫乱症候群の従妹の増川桜の姉である増川姫、アイドルの倉里姫だった。
たまたま文化祭のイベントの打ち合わせで来ていた倉里姫に会うべく出向いた唐人とサナは、彼女のマネージャーの鮎川白美と、そのマネージャーの横川セルカに出会う。彼らの反対を押し切り、文化祭イベントへの出場を決めた姫は、唐人からの質問に答える代償として、アイドルオーディションで彼がプロデュースするアイドルの卵を優勝させるように命じるのだった。
組織絡みの話は真面目な設定なのだが、それを真面目に描くと売れないからなのか、またも学園内での馬鹿馬鹿しいイベントが繰り広げられるだけの展開になっている。今回は文化祭とそのイベントでのアイドルオーディションだ。
寄生虫彼女というありのままのキャラクターでブレイクを起こしたサナがトップアイドルへの道を歩み始める…わけでもなく、自虐キャラの櫂実亜須香が天然萌えで全てを奪い去る…というわけでもなく、オチだけ真面目になるから、どっちつかずの印象を受けてしまう。二兎追う者は一兎をも得ずの典型例という感じだ。
寄生彼女サナ 2
2015/09/14 11:29
あの青いので、経済戦争!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
増川唐人の許にはちょっと変わった人材が集まっている。突発性淫乱症候群に罹患している、お兄ちゃん大好きな従妹の増川桜、唐人に利用尽くされたいと考えている友人・宮入丈児、男子生徒たちを誑し込む養護教諭の綺羅先生、巫女服の生徒会長・櫛名田観琴らだ。しかしその最たる者は、日本海裂頭条虫(サナダムシ)のパラシスタンス(寄生虫の擬人体)であるサナと、回虫のパラシスタンスである櫂実亜須香だろう。
パラシスタンスを狙う組織から彼女たちを守るのが唐人の意志。そんな彼に魅かれたのか、サナは唐人の彼女にして欲しいと迫るが、宿主と寄生虫の間に恋愛が成立するのかが、目下、唐人の悩みどころだ。だが、見た目は完全に美少女なので、いきなり隣に寝ていたりするとびっくりする。
そんなある日、彼らの学校に組織の命を受けて転校してきた少女・竜斎寺志保が現れ、全校生徒に対し、あの青いぎょう虫検査シート「ポキール」の改良版「ポキ」を用いてパラシスタンス狩りを行うと宣言する。さらには、新たにカタツムリに寄生するロイコクロリディウムのパラシスタンス・ロイ子が現れ、桜と淫語で意気投合したりもするのだが…。
擬人化寄生虫の美少女に頼りきりだった1巻からの脱却を図ろうと模索した側面と、これまで通りエロサイドで突破を図ろうとした側面が折衷しており、逆にどっちつかずになってしまった印象をぬぐえない。
後半はポキを通じた経済戦争に発展したりもするのだが…アイデアは面白いけれど作品にするにはもうひとひねり必要かも。