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2件
イエスの生涯
著者 遠藤周作
英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。
イエスの生涯
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イエスの生涯 改版
2017/03/10 15:33
力なきイエス
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごまちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠藤周作の視点によるイエス・キリスト論という感じ。神学的、考古学的、史学的にはどうなのか専門家ではないため分かりませんが、おそらく遠藤氏の独自の解釈や視点におおきく寄っているように思います。それでも、十分読む価値があると思います。力なきイエスの姿はとても魅力的で、キリスト教の本質的な部分を描き出していると感じました。
イエスの生涯 改版
2018/07/16 15:23
「無力なるイエス」と「力あるイエス」
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
生まれ育ったナザレの町を出て、ヨハネ教団入信、独立、布教、ユダの裏切り、逮捕、裁判、処刑、そして復活といったイエスの生涯を、神学的解釈を排除し描いています。簡記すると、「人間イエス」に迫ろうとした力作です。最終章では、「弱虫だった弟子たちがイエスの死後なぜ強き使徒になれたのか」、「他の指導者は神格化されない中、イエスはなぜ神格化されたのか」といった二つの謎にも迫り、知的好奇心を揺さぶられる好著でした。そもそも「愛」という観念が薄い時代に、イエスはどうやって「愛」を悟ったのかも、私には大きな謎です。